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ちょっとはハッピーエンド。


・独占告白
※篝祇亜須磨
「悪かったな、取り乱して」
すっかり落ち着いた氷河さんが、謝る。
「いや、謝るのはこっちですよ、また独り占めしていいのか……」
なんだか恭二さんに申し訳ない。
そんなの当然わからない氷河さんは、目元を擦る。
「いや、でも情けねーな……。あんなので取り乱すなんて。」
氷河さんは、恥ずかしそうに目を伏せる。
「俺は安心しましたけどね」
「何で?」
「氷河さんも、辛いって言えるんだなって。いろいろ抱えてるんだなって分かって。」
氷河さんは、重い表情だ。
「辛いなんて--」
「氷河さん!」
俺が遮るように叫ぶ。
「な、なんだよ?」
「たまには、吐き出してみてくださいよ。辛いんでしょう?」
氷河さんは、ゆっくりと頷く。
「……そうだな。いいことばっかじゃないよ。」
「で、さっき何があったんですか?」
「亜須磨には言いたくないっ」
悪戯っぽく言われてしまった 。
それでも凹みますよ……?
「エリュシオンの話だから、あんまり亜須磨にはしたくねぇだけだよ」
「いや、エリュシオンの事なら尚更気になりますよ」
「だよな……でも、言いたくねぇ」
「じゃ、自分で調べますよ……。」
ため息をつく。
「それなら、俺は貴方のために何ができるんでしょうか」
「ええっ!?いや、いいよ、俺のことなんか気にしなくても!」
動揺する氷河さん。
「ピアノのことも、寝顔見てたこともあるのに?」
「う……」
「俺は、氷河さんを幸せにしたいだけなんだけどなぁ……」
氷河さんが、途端に顔を真っ赤にする。
「おまえなにいってんだよ!?」
「え?」
多少声が上ずってる?驚きすぎじゃないかな。
「これだから、無自覚無個性の唐変木は……!」
俺の表情を見て、なにを不満を思ったのか氷河さんは、俺から離れようとした。
「えっ、ちょっと」
離れようとしたその腕を取り、こちらに引き寄せる。
氷河さんが、ますます表情赤く取り乱す。
「おい亜須磨!」
「……いいでしょ。俺、結局氷河さんのこと何も分からないで終わったし。」
そうして抱き締めてみる。
「だからって、な……!」
「氷河さん」
「なんだよ」
「また辛くなったら、俺にいってくださいね」
「絶対ないから気持ちだけもらうわ」
この人は、本当に強情だな。
また彼が人知れず泣いてるところを見つけよう。

------------------
亜須磨は、だいたいこんなん。

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