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さらに続き。


・サーカスドールの魔術師
※瀬戸氷河
先原佑実に治癒術を試してみる。
しかし、彼女の目に光は戻らない。
「くそっ!」
治癒術に関しては、まだ未熟だからな……。
やっぱり傷以外は治らない。
「ゆみちゃん!」
先原佑実を子供に任せて、立ち上がる。
「待ってろ、いいな」
「……うん」
声音は優しくなかったかもしれない。
それでも、彼は頷いた。
ハンドガンを手に舞台にあがる。
そして、天井に向ける。
「あははっ、いいのかなぁ?そんなものを使ってると、そこら辺にいるのに当たっちゃうよ?」
上から魔術師の笑い声が聞こえる。
「じゃ、どうすれば……」
ハンドガンをしまう。
すると、ふと後ろから声がかかる。
「おにいちゃん!」
「なっ……!」
後ろから子供が足元にぶつかってくる。
それだけでも、よろけるには十分で、すぐに足を狙ってきた先原佑実の攻撃がかばった子供の腹に刺さった。
「なにやってんだよ!」
「ゆみちゃん、が……きゅうに……」
子供に治癒術をかける。
これならなんてことはない。すぐに傷が塞がる。
その先原佑実は、芳示がすぐに銃の柄で殴り、気絶させていた。
「おにいちゃん……きょうかいのひと?」
「違う」
強く否定してしまったからか、びくりと子供が震える。
「あ、いや、ごめんな……」
「でも、きょうかいのひとのまほうだよね……?」
「……ほら、立てるだろ。もう無茶すんなよ」
「え、うん……」
話をごまかして、子供をたたせる。
「丙、この子頼んでいいか?」
「え、ちょっと氷河」
「俺は、あいつを殴り飛ばす。」
丙に無理やり押し付けて、俺は階段を昇る。
「ごめんね、怖かったよね」
丙は、困ったように子供に笑いかけた。

魔術師は、天井で恭二の攻撃をかわしていた。
狭い足場でも豪快に太刀を振り回す恭二。
魔術師がこちらに背をむけたまま近づいたところで、俺は魔術師に殴りかかる。
「うわっ、と」
「ちっ!」
不意討ちだったはずなのに、かわされた。
「そんなに怒らなくてもいいんじゃない?子供が一人死にかけた程度で!僕の手にかかれば、痛みすらわからなくなるよ。」
「お前っ!」
恭二が拳を握る。
「……お前は許さねぇ。魔術師で最も残虐的な野郎!」
「そう、くるか!」
再度魔術師に蹴りを放つ。
頭に血が上っていても、冷静に戦う。
魔術師がついにガードしたところを狙い、凍らせる。
「まず、い……!」
魔術師が、咄嗟に離れようとするも背後に恭二がいる。
「氷河、離れろ!」
距離を開けると、すぐに恭二が魔術師を切り裂いた。
「は……っ、やったか……。」
乱れた息を整える。
下をみると、子供が全員倒れていた。
「氷河、降りよっか」
「おう、そうだな。」
階段で降りようとする前に、恭二が俺の手をとる。
「ん?」
「こっちこっち」
引っ張られるように恭二についていく。
途端、恭二が俺を抱き抱える。
「よっと!」
「え、なにしてんだ恭二!」
目の前には、なにもない。
「飛び降りる気じゃねぇだろうな!?」
「そのまさか!」
ぴょんと恭二が軽くとんだ。
「馬鹿野郎おおおおおお!!!」
恭二の首に抱きつくように、腕を回す。
着地すると、俺を下ろしてくれた。
「あんなのが、教会にいるわけねーよ。」
「ありえないよね」
芳示と丙が呆れたように笑う。
「そーだね……」
子供は、驚いた様子で俺たちを見ていた。

-------------------
先原佑実は、学園ミステリアからもってきました。
なんとなく。

本部世界はだいたいおかしいぞ……?
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