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いつも通りの日常。
渦巻く嘘。

マインドオープンはいつからにしようかな?


・生存策略の為の嘘八百
※小浜黒葉
今日は、藤野に誘われて食事会だ。
藤野は僕をかなり気に入っているみたいで、ことあるごとに僕を誘ってくる。
洋斗は彼を警戒しているみたいだけれど、それ以上に僕も気を付けている。
「あれ?杜矢も誘ったの?」
ラウンジに向かうと、藤野のとなりには杜矢がいた。
「杜矢さんもなかなか鋭い人ですからね。話が聞きたくて呼びました。迷惑でしたかね?」
「いや、僕は構わないよ。」
藤野がいつもの張り付いた笑顔で笑う。
「よかったー。僕もお二方の話に興味があったんですよ。まさか誘われるとは思ってもみなかった。」
杜矢は嬉しそうにしている。
けど、あれは半分嘘なんだろうな。
「じゃ、行こうか。小浜さんのリクエストで和食のレストランにしたから」
周りに怪しまれながらも、街に出掛けた。

「雰囲気いいじゃないですか」
和食レストランの個室に入り、座ったところで杜矢が藤野に向けて言った。
「喜んでもらえたなら何よりです。ここ、予約とるの大変なんですよ。」
「へぇー、それはまた……」
二人は長閑に談笑してるように見えるが、僕には腹の探りあいに見える。
藤野は僕を継いだ騙し屋だし、杜矢はハーフである神谷を匿うために多くの人を騙した男だ。
どちらもまともじゃない。
ふと、杜矢がメニューを見せてきた。
「ねぇ、小浜さん。なににします?」
「いつの間にメニューの話になったの?」
「最初から、ですよ。小浜さんったら、ぼんやりしちゃって。」
藤野がくすりと笑う。
「ごめんね。昨日も洋斗の任務に付き合わされてたから」
「島原さん、ね……」
藤野が意味ありげに呟いた。

食事を終えて一段落した所で、藤野が僕に話しかけた。
「小浜さんにとって、島原さんってどんな人なんですか?」
「面白いからかい相手だよ。」
即答すると、次は杜矢に同じことを聞いた。
「じゃ、杜矢さんにとっての神谷さんは?」
「馬鹿で困った人ですよ。」
「なるほど。」
藤野が一息ついて話始めた。
「でも、小浜さんが騙し屋を辞めたのは、島原さんのせいなんですよね。」
「怒られちゃったからね。」
「へぇー。そんだけの理由で辞めたんですか。ちょっと意外ですね。」
杜矢が、興味ありげに聞いてきた。
「まぁね。僕にとっては大きな出来事。洋斗がいなかったら、僕は死んでたかもしれないからね。」
藤野が間にはいる。
「そういう杜矢さんだって、神谷さんを守るため以外の嘘はつかないでしょ」
「そんなことないですよ。僕は僕の好きなように人を動かしていただけです。嫌いなやつは追い込まれるように、ね。」
僕は思わず笑ってしまった。
「それって、神谷さんを守る以上の嘘はついてないってことでしょ。」
「出来るなら正直者でいたいですからね。」
言葉で返していくなぁ。面白いよ、杜矢。
「杜矢、気を付けなよ。」
「なにをですか?」
「正直者は藤野に喰われちゃうから」
「え、ちょっとひどいですよ、小浜さん!」
笑う僕と杜矢。
藤野は、やられたって顔してた。
いい気味だ。

------------------
これだから、頭のいいやつは。
人をだまし続けた三人の話。

小浜は闇から抜け出し、杜矢はふれはしたが、闇に落ちなかった。
藤野だけが闇から逃れていない。

騙し屋集会。
三度はあるのか。

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