忍者ブログ
一次創作ファンタジー小説中心サイト。 このサイトにある全ての小説の無断転載は禁止しています。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

アンハッピーシリーズ第二弾。

いたい、痛い。

※瀬戸氷河
「ご苦労だったね、休んでいたまえ」
魔術師が牢獄のような部屋まで俺を連れていく。
中に入れられ、魔術師が去った途端にがくりと崩れ落ちた。
「うっ……は、ぁっ……」
気持ち悪い。頭痛がする。
あの魔術師の実験は理解できない。
多量に薬を盛られたが、それで彼が何を得るのか全くわからない。
「からだが、うごか、ねぇ……」
つれていかれる間も俺の足取りはふらついていただろう。
緊張の糸が切れたのか、今はなにも動かせそうにない。
「氷河ー、入るよー?」
ドアの向こうから声がする。
風上、だ。
風上は、ドアを開ける。
「大丈夫?」
「か、ざかみ……」
風上は、落ち着いて立ち上がろうとする俺の体を支える。
「魔術師が、こうなっているだろうって言ってたんだ。」
「あいつが……!」
なんとかベッドまで運んでもらう。
風上は、コップと薬を取り出した。
「後、これだってさ」
「飲め、ってんだろ……」
逆らえもしないので、おとなしく飲む。
「これ、なんの……くす、りだ……?」
眠気がしてきた。
「睡眠薬……ごめんね、氷河」

こんな日々が一週間。
俺は長らく日の光を浴びていない。
体調もどちらかというと悪く、あの魔術師による薬漬けの日々が続いた。
頭痛は収まらず、気分がただ悪くなるだけ。
風上は、毎回俺に睡眠薬を用意する。
魔術師は、いまだに俺を傷付けない。
「う、ぁっ……!」
体がふらつき、机にぶつかる。
「いっ……てぇ……」
その時開けられた引き出しの中には、資料があった。
「ひけん、たい……フィアレス・アリーゼ……?」
それは、フィアレスのカルテ。
実験とその結果が綴られている。
俺はそれを黙々と読み始めた。
魔術師にばれないように、隠しながら。

彼女は、最強の魔術師。
幸せにとらわれたハッピーストロベリー。
カルテには、彼女がそうとなるまでの経緯が書かれている。
ここ数日は、ずっとそれを読んでいた。
実験もなく、一日中この部屋にいるときもあった。
ずっと読んでいた。

-------------------
短いけどいいかな?
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
プロフィール
HN:
天草八津芽
性別:
女性
自己紹介:
BLでファンタジー小説が多いです。
ひっそりひそひそ書いてます。
ツイッター
メインアカウント(妄想ばかり)


オリキャラ紹介bot
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
P R

Copyright © [ 妄想の隠れ家 ] All rights reserved.
Special Template : 忍者ブログ de テンプレート
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]