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限界突破あああああ!いええええす!



・月下の美しき紅い雨
※瀬戸氷河
夜。満月が輝く夜。
手仕舞から借りたナイフを手に、魔術師を切り殺す。
三流がいくらに束になったところで意味はない。
近づかれたらナイフで首をとり、遠くにはハンドガンで頭を狙うだけだ。
そんなことを繰り返しているうちに、死体が山のように積まれていく。
全員殺したところで、へたりと座り込む。
「変わっちまったよな……俺」
ナイフを落とす。
からん、という音が俺の虚無感を引き立てる。
俺は、こんなに人を殺すつもりはなかった。
昔は、こんな世界も知らない子供だったのに。
「どうして……だろうな」
月明かりに照らされた俺は、血にまみれていた。
魔術師の赤と自分の紅で混ざりあっている。
気持ち悪い。
だが、ある男ならそれでも美しいと言うのだろう。
恭二が吸血鬼となってから。覚悟を決めてから。
俺の日常は血に濡れ始めた。
多くの他人の血と自分の血。
「っ、ぐぁ……!」
魔術師に切り裂かれた傷が痛む。
しかし、治癒術を使う体力はない。
「いたい……って、思ってるはずなんだけどな……」
それは傷が痛むのか、心が痛むのか。
もう俺にはわからない。
「わかんねぇ、よ……。」
思わず声になる。
「なんで、おれは……こんなことをしてんだろうな……」
この場に一般人がいたら、俺はどう思われるんだろうか。
……異常な人間なんだろうな。
「あ」
ぽつり、と腕になにかが落ちる。
ふと上を見れば、月はとっくに隠れていて、雨が降りだしていた。
「……さむい、な。」
からだが寒いのか、心が寒いのか。
自分を抱き締める。
「さむい……かさ、なんかあるわけないし……。」
雨は激しくなり、体についていた血が流されていく。
「う、ぁ……」
血が混ざることなく流れ落ちる。
俺の血は、こんなにも人から離れている。
まるで人外。殺人鬼。
「違う、ふざけんな……」
きっと雨はやまない。
立ち上がり、手仕舞のナイフを拾う。
生き延びるために殺すしかない。
俺は、そう決めた。

------------------
絶望氷河。
凛とした目をしますが、たまには悲しくなる。

狂気的なのはまたいつか!
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