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氷河苛め祭。

衰弱氷河編。

・呪術大祓いの日
※尖宮衣鶴
風邪を引いたらしい氷河の部屋に入る。
僕は柊先輩の荷物持ちをさせられている。
後、何故か直前に狂暴な魔物の退治に行かされ、少しだけ怪我をしている。
「入るぞ」
「柊……さん?」
氷河が不思議そうに僕の荷物を見る。
「氷河、二つ試したいことがある。いいな?」
柊先輩が、真剣な表情で氷河を見る。
「なんですか?」
氷河にも事態の重さが伝わったのか、真剣な表情で返す。
そして、僕の腕が引っ張られ氷河につき出される。
「こいつに治癒術をかけろ」
「ええっ!?いいんですか?」
「衣鶴に……?」
驚く僕に戸惑う氷河。
風邪引いてる氷河には負担なんじゃないかな?
僕の傷は浅くはない。
「いいんだよ、そんぐらいの魔力はあるだろ?」
「じゃ、やりますよ……」
氷河が僕に治癒術をかける。
僕の傷がみるみるうちに回復する。
だが、氷河の顔色が悪くなる。
治癒しきった所で、突然胸を押さえ苦しそうに息をはく。
「氷河!」
僕は氷河を支える。
体が異常に熱い。
氷河は苦しそうに呻き声をあげる。
柊先輩は、札をとりだし何やら札術を唱える。
札がひとりで動きだし、氷河を囲む。
だが、すぐに札が黒い炎で燃えてしまった。
「っ……!?」
「柊先輩!」
柊先輩が苦い顔をする。
「氷河、おまえ、呪われてるよ」
「のろ、い……?」
今度は氷河が戸惑う。
「しかも俺の力に勝つほどの高度な呪術だ。なにか心当たりはないか?」
「いや、それらしい魔術師には会っていない」
「だとすると、悪魔なんか使ってんのか……酔狂な……」
柊先輩が苛立たしげに呟く。
「あ、あの呪術ってなんですか?」
僕が聞くと、呆れながらも柊先輩は答えてくれた。
「外法の一種だ。楽して相手を苦しめる魔術。しかし、相応のリスクをおう。」
「氷河は、どうして……」
「分からないが、とりあえず治癒術に反応しているらしい。魔力に細工をされたんだろう。魔術も使うなよ。きっと発作が出る。」
氷河は、不安そうに目を伏せる。
けど、まだ苦しそうだ。
「呪いは解けないんですか?」
「だから、さっきやろうとしたんだ。けど、ダメだった。」
柊先輩が、悔しそうに札を握る。
「いい……どうせその魔術師を殺せば解けるんだろ?」
氷河が聞くと、柊先輩は頷く。
「そうだな。それは間違いじゃない。」
「なら……かんたんじゃ、ねぇか」
「簡単かなぁ……?」
柊先輩が、荷物を奪い取る。
「衣鶴、しばらく氷河みてろ。悪かったな、苦しませて。」
と、言い残し柊先輩は部屋を出た。
「んー、氷河、大丈夫?」
「ちょっ、と、つらい……」
「そうだよね……」
氷河は大人しく布団にもぐる。
まだ息を吐いているが、その感覚は落ち着いてきている。
「氷河、アイスいる?」
「アイスは、だいたい……あまいから、やだ」
「そっか。じゃ、とりあえずタオル冷やしてくるよ。」
僕は、タオルを一枚拾って部屋を出た。

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呪術がテーマであります。

呪い呪われ。
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