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さぁ、200目指してやってみましょ!

氷河苛め祭。

衰弱氷河編。

・呪術大禍罪の日
※杜矢上月
風邪を引いたという氷河の看病を頼まれた。
丁度神谷さんは、末沢につれ回されていて暇だったので、ちょうどいい。
「氷河ー、遊びに来ましたよー」
「杜矢さん!?つか、遊びに?」
氷河は、結構落ち着いていた。
なんだ、もっと苦しそうにしてると思ったのに。
「ああ、嘘です。看病です。」
「あ、そうですか……」
僕に振り回されている氷河を見て、思わず笑ってしまった。
持ってきた林檎を彼のそばで剥くことにした。
「皿、ありますか?」
「んー、ない、かも」
「使えないねぇ……」
「あんたに言われたくないんですけど」
果物ナイフで器用に剥いてる僕を、氷河は意外そうに見ていた。
「皮、繋がってんな」
「ああ、やっぱり氷河も途中で切れちゃう方ですか。」
「難しくないか?」
「いいや、コツさえ覚えたら簡単ですよ。氷河は器用だからすぐにできちゃうかもしれませんねー。」
「出来たら、面白そうだな」
話ながら剥いていたら、ナイフが自分の指を差した。
「あ」
じわりと血が出る。
「やっちゃいましたねー。ごめんなさい」
「いや、杜矢さん。俺が治しますよ」
「え?」
なんとも自分らしくない声が出た。
氷河は風邪なんだから負担になるのでは?
「ちょっと試したいこともあるんですよ。」
「なら、お願いしますよ?」
「ああ……」
氷河が僕の手を取り、治癒術をかける。
この程度なら一瞬で治る。
「……ッ!」
氷河が急に胸を押さえた。
少し苦しそうに息をはく。
「氷河?」
「やっぱり……治癒術に強く反応してる……」
今の言葉で確信した。
確かにおかしい点は多かった。
「氷河、風邪じゃないんですね?」
「…………。」
氷河は答えない。
「そうですね……。呪い、かなにかですかね。」
「杜矢さん、察しよすぎ……」
氷河が諦めたように笑う。
「柊さん曰く呪術、だそうですよ。」
「はー、そりゃまためんどくさいものを……」
といいつつも、僕は林檎剥きを再開していた。
剥き終え、食べやすく切る。
「あ、できましたよ。」
僕が一応用意した皿に乗せて氷河に渡す。
「ありがとう、ございます」
氷河はそれを受け取り、一口かじる。
「まだありますし、今度はうさぎちゃんとかにします?」
「いい!食いづらいし!」
氷河の反応がいちいち面白くて笑ってしまう。
「神谷さんは、結構ウサギにしろって言うんですよ」
「どういうわけですか……」
「さぁ?面白いんじゃないですかね?」
僕はまた林檎を剥き始める。
「杜矢さんは、人をからかいすぎだと思いますよ」
「騙し屋よりは、マシでしょ?」
「いや、似たもん同士みたい」
「同類にされますか……」
それは心外だなぁ。
なんて会話しつつも氷河は、もう林檎を食べ終えていた。
僕は剥きながら聞く。
「風邪と言えば林檎とか葱とか言いますけど、誰が決めたんでしょうね」
「さぁな。俺、あんま風邪引かないから、わかんねーや」
「うーん、僕もあまり引かないんですよね。」
まさかこんな下らないことに頭を抱えることになるとは。
「気分良くなります?」
「わかんない、だろ」
「ですよねー」

------------------
杜矢さんは、だいたい笑顔でからかう。
変な話。

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