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氷河苛め祭。

下準備が整った。

・呪術禍津の日
※榎本恭二
氷河が高熱で倒れたと聞いて、任務をさっさと終わらせて戻る。
本部に帰ってからすぐに氷河の部屋に入る。
「氷河!」
ドアを勢いよく開ける。
氷河は、ベッドでおとなしく本を読んでいた。
「恭二、お帰り」
「ただいまってそうじゃなくてっ!」
俺は氷河の額に触れる。
高熱というほどでもない。
下がったのだろう。
安心して一息つく。
「よかったぁ……」
氷河の部屋に遅れて、芳示と丙が入る。
「氷河、落ち着いたって聞いたぞ。大丈夫か?」
「とりあえず、なにか飲む?」
丙が氷河に水を渡す。
それを一口飲んで氷河は話す。
「ああ、風邪じゃなくて呪いだったみたいでさ、その元凶も殺してもらったから大丈夫」
「今度は呪いかよ……めんどくせぇのにいちいち引っ掛かりやがる。」
芳示が舌打ちする。
部屋にノックの音が響く。
「入るぞ」
入ってきたのは、水樹だった。
「水樹ーどしたのさ」
「恭二か……。ちょうどいい。こいつらに治癒術をかけてみろ」
水樹が、氷河に指示する。
氷河は少し戸惑った後に、黙って治癒術を俺にかける。
「ぐっ……!?」
ある程度傷がなおった所で氷河が、急に胸を押さえた。
息が荒く、苦しそうに寝込む。
「やっぱりな」
水樹は冷静に呟く。
「どうなってんだよ、水樹?」
「氷河の呪いは二つあったんだよ。高熱を出させ身体に負荷を与える呪いと、魔力を倍消費させ、体力を食わせる呪いがな。それぞれ別の魔術師が氷河を呪っていたんだ。」
水樹が札を取り出す。
「俺の札が効かなかったのは……こっちの呪いだ。」
水樹が札を向けるだけで、札は黒く燃える。
「魔力の消費が増えるだけで何が問題なんだ?」
芳示が水樹に質問する。
俺もわかんない。
「魔力ってのは、限界がある。限界を越えて魔術を使おうとするなら、消費されるのは、体力--つまり生命力だ。だから、氷河は治癒術を使うたびに体力が削られる。」
「要するに魔術を使わなければいいのか?」
「そうなるな。しばらくはやめた方がいい。」
俺は、苦しむ氷河の手をとる。
「きょう、じ……?」
「氷河……」
俺は、堪らなくなって名前を呼ぶ。
氷河がこんな目に遭っているのに俺は……!
「また魔術師を炙り出す作業からかー。ま、そういうわけだから、無茶しないように見てろよ」
水樹が部屋を出る。
「……っ、もうだいじょぶ、だ」
氷河が少し身を起こす。
「無理しなくていいんだよ?」
丙が気遣うが、氷河は聞かずに言う。
「魔術が使えなくても、任務には出れるだろ。早く治さなきゃな」
「氷河、んなのいいから」
芳示が氷河を押して寝かせる。
「とりあえず、気分よくなるまでは寝てろよ」
「ああ……分かった。」
「俺もそばにいるから……」
俺は氷河の手を強く握る。
守る、絶対に。

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下準備完了。
以降、氷河苛め祭とつくものは、呪われた氷河だと思ってください。

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