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ギャグにするかシリアスにするか迷いました。

けど、シリアスになりました。

・器用な天才
※瀬戸氷河
なんだか武器が増えてしまったように思う。
普段から持ち歩いている銃に、棒術や魔術の為の杖に、全て弾かれたときのための格闘術に、柊さんから借りた札に、手仕舞さんから借りたナイフ。
全てを扱いこなせてるとは思えないが、自分の身を守る分には十分だと思う。
俺は、多くのものに狙われすぎた。
分かってるんだ、そんなこと。
俺の血が全て引き寄せてるんだってことぐらい、わかる。
だから、その俺のせいで誰かが傷つくのは間違ってる。
全ては俺一人がけりをつけなければならないこと。
分かってんだよ、そのくらい。

薄暗い洞窟の中で、相手は囲まれているが魔物ばかり。
奥に人らしき影も見える。
「馬鹿にすんなよ」
柊さんから借りた札を手にする。
札を魔物に投げる。
少し魔力と意志を添えた札は、自動的に魔物を取り囲む陣を描く。
「消えろっ!」
さらに札を投げ、浄化陣を発動させる。
光に包まれた魔物は、跡形もなく消え去り、使用された札がひらりと舞う。
「さて、と」
ホルダーから、ハンドガンを抜きくるりと回す。
もう癖になってしまった動きだ。
「覚悟しときな?」
思い切り地を蹴る。
奥にいた連中は、剣を手にこちらに斬りかかる。
その前に撃ち殺せばいい。
2,3人は仕留めたが、残りは分散して隠れてしまった。
舌打ちしながら、あたりを見回す。
突如背後から、斬りかかられる。
その剣を、杖替わりの棒で受け止める。
「なぁ、俺をとらえるだけにしては、物騒すぎねぇか?」
「何を言うか!人殺しに特化した本部メンバーってのはおまえだろう?」
いつだかに殺した連中の仲間だろうか。
捕えるだけにしては、情が優先されている気がする。
「間違ってねぇけど……!」
「ならば!これでは足りぬであろう!」
剣を引き、隠し持っていたナイフで頬を斬られた。
「く、っ……!」
俺もバックステップで下がる。
斬られた頬から流れる血を軽く裾で拭う。
紅い血が付く。
「いつみても、気持ちわりぃな……」
ふと前を見れば、男が不敵に笑う。
回りを見ると、八方から剣を突きつけられていた。
棒を手放す。からんと音がする。
勝ち誇ったように正面の男が笑う。
「さぁ、神血。大人しくここで俺たちの実験体になるか、刺し貫かれるか、選びな」
「……どちらも、選ばねぇよ」
「そうか、刺し貫かれるほうだな。残念だよ、神血!」
男たちが一斉にこちらに向かう。
俺は、地面に触れて魔力を流す。
「なにっ!?」
俺の回りを氷柱が囲む。
一部の男は足を捕らわれたようだ。
ゆっくりと立ち上がり、棒を再び手に取る。
「選ばない、って言っただろ。勝手に決めるな」
棒で魔力を流し氷柱を割る。
その後すぐに、棒で殴り気絶させる。
半分は沈まったか。
「くそっ!」
動揺する男たち。
俺はナイフを手に取り、リーダーのような男の首に向ける。
「ひっ!?」
「運が悪かった、ってことで。じゃあな」
そのまま男の首を斬り払う。
リーダーをやられたことで、すっかり混乱した男たちは仇をとるためか一斉にこちらに向かう。
それを一人ずつナイフで刺し殺す。
返り血がつく。俺よりも暗い赤。
俺も、こんな色の血をしていれば。
全員を仕留めた後に、ナイフを手放す。
そして、しまったハンドガンを抜く。
「お前らも、俺に手を出すからこうなるんだよ」
気絶していた男たちを、改めて打ち抜く。
ぐらりと頭が揺れる。
「俺は……羽織さんたちみたく、血がほしいから殺すんじゃない……」
俺は、守るために殺すんだ。
自分を、丙を、芳示を、恭二を。
本部の連中も。
「だから……嫌なんだよ……こんなの!」
慣れるわけがない。
冷酷になりきれるわけがない。
魔物とは全然違うのだから。
俺の敵は、魔術師だけじゃなく、魔術結社という街の人もいる。
魔術師はためらいなく殺せるようになったのに、一般人である彼らを殺すのはためらわれる。
こんな情があるだけ、マシなんだろうか。
俺は、まだ人間でいられるのだろうか。
「氷河?」
「丙っ!?」
丙がこの洞窟に入ってきた。
丙は倒れている人と血をみて、黙って俺に歩み寄る。
俺は、何故か一歩も動けなかった。
「そっか、たまにいないと思ったら、こういうことだったんだ」
「…………」
俺は、何も言えない。
これから丙が何を言うのか怖かったから。
しかし、丙は俺を抱き寄せた。
「肩の力抜いて、安心していいから」
「丙……?」
「嫌でしょ。こういうことするの。だから縋ってもいい。泣いてもいい。」
その言葉に安心して、俺は力を抜く。
倒れそうになるが、丙が支えてくれた。
「ごめん、今まできづけなくて」
「いい……これは、俺の問題だから……」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
罪を抱える人の話。
一人殺せば殺人犯。二人以降は大量殺人者。
氷河はその比じゃないね。残虐だね。

このぐらい痛々しい氷河が理想。
強がってばっかで楽しい。
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