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氷河苛め祭。

フローズンアビス編。


・フローズンアビスの魔術師
※瀬戸氷河
「さむ……ありえねぇだろ……」
大雪原には、未だに風が吹く。
俺は、まだ寒さに耐性がある方だが、他の連中や街はそうじゃない。
だからこそ、俺がやるしかない。
いや、こんなこと言うのが間違っているのか。
何でも抱えすぎなのか?
俺は、適度に手放しているつもりなんだが。
……こんなこと考えてもしょうがないか。
「あった」
ふと前を見上げると大きな塔がそびえていた。
悪趣味な氷の塔。
その扉をみて、舌打ちしつつも蹴ってみる。
「やっぱ、開かねぇか」
蹴破って開くような扉を作る魔術師なら、俺の敵じゃない。
しかし重そうな扉だ。
「開くのか、これ……」
俺が扉に手を触れると、扉がひとりでに開きだす。
「始めから、そうしてくれればいいものを……。貴様は野蛮だな……」
一面氷の床に柱。
冷蔵庫に密閉されるってきっとこんな感じだろう。
奥の椅子に座っていたのは、魔術師。
「そりゃ、悪かったな!」
中に入ると、また独りでにしまる扉。
「……一応登れるのか」
魔術師の後ろに見える螺旋階段を見て、呟いた。
魔術師は、嘲笑う。
「これは、私の象徴であるからな。」
「馬鹿と煙は高いとこが好き、ってのか?」
挑発する。
プライドの高い人間は、こんなのでも簡単に引っ掛かる。
すぐに魔術師が、氷柱を打ち出す。
それをかわす。
「……ッ、予想通り。」
俺は、杖代わりの棒を手に、構える。
魔術師は、ゆっくりと立ち上がる。
「ふん、よかろう。遊んでやる!」
魔術師が、地を蹴る。
俺が使っていた魔拳の使い方だ。
俺を凍らせようと的確に仕掛けてくる。
「考えてることは、一緒なんだな!」
それをかわし、時に攻める。
棒をくるりと回しながら、戦う。
「ほう、貴様もこれを扱えたのか」
魔術師が棒を掴む。
すぐさまそれは凍りつき、俺はそれを手放す。
「くっ……!」
「ならば、貴様もこれで挑んでみたらどうかね?」
「いわれんでも!」
魔術師の挑発に乗る。
ここで不意打ちに銃を使ってもいいのだが、それは出来なかった。
魔術師の挑発には引けなかった。
これはもはやただの格闘勝負だ。
けれど、ガード不能の凍らせあい。
限界が来るのは、呪われている俺が先だった。
「……っ!?」
魔術を使用しても呪いは発動する。
体力を消費し始めた時に体がふらつく。
そこを魔術師に突かれ、思わず右腕でガードしてしまう。
「もらった、な」
すぐに魔術師が腕を握り凍らせ始める。
「ぐ、っあああ!」
すぐに左足で魔術師を蹴り飛ばす。
右腕だけが凍るだけですんだ。
「勝敗は決したな」
魔術師が、低く笑う。
「そーだな……っ!?」
がくりと体が崩れ落ちる。
足に力が入らない。
立てない。
「あとは、貴様をどうするか--なのだが」
魔術師は、勝利の余韻に浸るように歩き始める。
「傷もないし、とりあえずオブジェにしてみるか……?」
胸ぐらを捕まれ、立ち上がらされる。
氷の魔術が体に及ぶ。
俺は、なす術もないまま凍りつく。
「私は氷で闇だ。貴様には苦しい氷柱となるだろう。」

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もう満足したわ。
微妙にアクション。
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