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氷河苛め祭。

フローズンアビス編。

終わるといいな!

・フローズンアビスの魔術師
※神谷慎二
上月と氷河がじゃれている。
冷たいとかいいながら、氷河を突き放さないのは、氷河が弱っているからだろう。
さすがの上月でも敵わないらしい。
「さて」
俺は、魔術師をみやる。
魔術師は、ふらりと立ち上がり怪しく笑う。
「くく……終わらぬぞ……」
「終わりだよ。お前はここで終わらせる!」
斧をだし、斬りかかる。
魔術師も限界だったのか、抵抗せずに斬られた。
「ほら、氷河。降りますよ」
「わかってる……っ!」
上月が氷河をたたせようとするも、氷河は、動けないようだ。
「というか、降りるって?」
上月に聞くと、あっさり答えた。
「ここ、崩れますよ?魔術師死にましたし」
「嘘ぉ!?」
はよ、いえや!
氷河のもとにかけより、抱き上げる。
「神谷さん!?」
いわゆるお姫様抱っこ。これしか手段ないし。上月の言う通り恐ろしいほど冷たい。
暴れたそうだけど、衰弱した氷河にはそんな体力がない。されるがまま。
「いきますよ!」
鹿屋が真っ先にかけ降りる。
上月も続く。
「氷河、ちょいと飛ぶけどいい?」
「俺に被害がなければ!」
階段をちょいと飛ばしてかけ降りる。
塔が崩れ始め、柱にひびが入る。
脱出は余裕をもって脱出でき、塔が崩れる様を見届けた。
「も、いい……降ろせ……」
氷河が言うので、ゆっくりと降ろす。
幸いかまだ雪は溶けていない。

※瀬戸氷河
神谷さんに杜矢さんに鹿屋さんに。
助けられた俺は、雪に寝転がる。
神谷さんも隣で横になる。
「気持ちええなぁ……」
「雪降ったらこうしたいよな……」
杜矢さんが、ナイフを持ってくすりと笑う。
「氷河」
「ん?」
「腕、見せてください」
言われるがまま、腕を見せる。
俺も気づかなかったが、何やら切り傷があった。
「よかった。まだあった。でも、さすがに血は止まったか」
「何を……するつもりなんだ?」
状況がつかめない。
「神谷さん、ちょっと腕出して」
「はい」
「ありがとうございまーす」
杜矢さんが、神谷さんの腕をリストカットする。
軽く切れた腕から血が流れる。
紫の血が雪に映える。
「上月、なにしてん!?」
「血の色が違うのは、氷河だけじゃないんですよ」
「杜矢さん……?」
鹿屋さんも何を察したのか、言葉を重ねる。
「一人でふらふら出ていくのは、やめてもらいますよ。連れ戻す方が大変ですから」
「そうですねー。もう一人の方は、こんなに能天気に生きてんですから」
「のーてんきって誰のことや!」
「あんた以外にいます!?」
二人のやりとりに思わず笑ってしまう。
「なんか、馬鹿みたいだな。俺。」
「末沢よりは、マシですよ」
「そうなのか?まー、なんだっていいけど。」
俺は、神谷さんの腕に触れ、治癒術をかける。
「氷河……?」
「く、っ……このくらいなら、だいじょうぶ……!」
どちらも限界の状態で、魔力を使うとさすがに苦しい。
そして、素直に言葉にする。
「来てくれてありがとう、ございます……」
「ええって」
雪が溶けるのは、もう少し先の話だ。

------------------
フローズンアビスはこれで終わりです。
次回は、レインオーシャンかな。

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