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氷河苛め祭。

レインオーシャン編。


・レインオーシャンの魔術師
※瀬戸氷河
今日は、古びた村へ探し物をしにきた。
依頼主は、街の人からだ。
町を守るのに必死な軍部には、出来ない任務だ。
白河さん曰く、恩を売るのも大事なことらしい。
で、俺と雨境は雨宿りしていた。
古いバス停の屋根のしたのベンチ。
「傘ねーのかよ」
「ねぇよ」
「使えねーな」
雨境が、腕を伸ばす。
大雨で一歩も出られそうにないから、退屈だ。
「あの」
声をかけられた。
ビニール傘を持った女性だ。
こんな古い村に人がいるとは。
「傘、貸しましょうか?」
と、別のビニール傘を差し出した。
「いいの?遠慮なく貰うけど」
雨境が、その傘を受けとり外で差す。
「あ!穴空いてる!」
「え、ごめんなさい!そこにあったものだから……」
女性もぺこりと頭を下げる。
雨境はその傘を放り投げて聞いた。
「いいけどさー。他にはないのー?」
「ちょっと待っててください。」
女性が近くの家に入る。
「すごい雨だよ、やってられない」
「そうだなー……こんな雨降るなんて聞いてないけどなー」
「氷河が話聞いてないだけじゃないの?」
「それはありえない。」
雨境の軽口をあしらう。
女性が一本の傘を持ってきた。
「お待たせしました。これしかないのですけど……」
今度は、ビニール傘ではなくちゃんとした水色の傘だ。
「いいよ、一つで。ありがとな。」
俺はそれを受けとり、外に出る。
「えー、氷河とはいるのー?」
「文句言うなよ」
「いいけどさー。」
傘を差し、雨境を入れる。
女性が先を歩く。
「ご案内しますよ。探し物なんでしょう?」
「なんでそれを?」
「聞いてしまいましたから。その名前には心当たりがあるので。」
「それは助かる!やったね、氷河」
「あ、ああ……」
雨境は、楽にすんだーとか思ってんだろうな。
雨のなか、歩きながら女性が語り始めた。
「すごい雨でしょう?この村は、大雨による洪水によって滅びてしまった村なんです。後、あそこに川があるでしょう。」
と、水位のあがった川を差す。
「最初にあの川が氾濫したんです。それは津波のようなものすごい勢いで……」
女性がその川の橋を渡る。
俺たちもそれに続く。
「……そう、天災だったんです。仕方ないですよね、天災じゃ、回避しようがないじゃないですか。」
そう言い、橋の途中で止まる。
川を見つめる女性は、何故かビニール傘を畳む。
「そう、天災なんです。……あんたたちが、川の氾濫に巻き込まれてしまうのも!そう、天災なのよ!」
様子が変わって、身構えてからじゃ遅かった。
すでに川の水が津波のように上がっていた。
振り返った女性は、勝ち誇ったように笑った。
「飲まれろ!」
水が俺たちを飲み込んだ。
雨境とは離れてしまったが、なんとか橋に手をかけ、上がる。
「……もう、最悪だ。眼鏡流されたし」
「ぷはー、死ぬかと思ったー」
雨境も無事に上がれたようだ。
「あれ、なんで眼鏡無事なんだよ」
「え、押さえてたから?」
「……むかつく」
ハンドガンを抜き、魔術師に向ける。
魔術師は、腹を抱えて笑っていた。
「あははははっ!やるじゃない、最高だわ!」
魔術師が近くのマンホールを壊して下に降りた。
「待ちやがれ!」
雨境は追いかけるが、俺は足を止める。
だって、マンホールの下って下水道だろ?
「う……」
「ちょっと、氷河。なにしてんの」
雨境が、声をかける。
「下水道だろ……だって」
「まさか嫌とか言わないよな」
「言わねぇけど……抵抗が、あるんだよ……」
下を見る。
金網がひかれているようだが、その下は下水だ。
「はよはいれ!」
雨境が俺の背中を押した。
「うわあああっ!?」
突き落とされた俺は、情けなく落ちた。
自分から降りてりゃ、着地したっつの。
魔術師が、笑う。
「へぇー、ここまで来ちゃうんだ。」
魔術師がレバーを操作する。
俺の後ろの金網が上がり、壁になる。
「おっかしーでしょ?こんな金網用意したって意味ないんだから!」
魔術師がけらけら笑いながら、こちらに歩み寄る。
そして、俺を値踏みするように見る。
「いい男じゃん?水も滴るいい男……ん?」
魔術師が怪訝な表情をする。
急に俺を壁に追い詰める。
がしゃん、と金網が鳴る。
「っ、てめぇ……!」
「懐かしい魔力……ちょっといーい?」
と、魔術師が俺の顔を押さえ、キスをしていた。
「んぅ……っ!?」
舌までいれてくるディープなキス。
その時、雨境が降りてきてこちらを見る。
「なにしてんの……」

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女の子攻め。
キスまで書きたくて頑張った。

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