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氷河苛め祭。

サプライズフレア編。

・サプライズフレアの魔術師
※瀬戸氷河
俺より背の高い魔術師は言った。
「俺さー、あいつ嫌いなんだわ。フローズンアビスの野郎が。あいつが上で大災害をもたらすから、俺は下でこんなことしなきゃなんねぇ。しかもその災害が大寒波。俺はあの性格も魔術も何もかも嫌いだ。まだあいつの雪が消えてねぇ。ああ、ムカつく!」
魔術師が、高く手をかざす。
急速に力が集まる。
禁じられた魔術。フレア。
「全部ぶっ壊してやる!」
上に向けてそれを放つ。



大寒波の災害から日が経った。
けれど、雪はまだ溶けることなく荒野を白く染める。
塔の跡地を調べに来たのだが、場所がわからない。
崩れ落ちたとはいえ、破片ぐらいあるはずだが……。
あたりを見回していると、急に目の前が爆発した。
「うわっ!?」
爆風をしのぐと、そこには大穴があいていた。
その大穴からなにかが飛び出す。
「落ちろっ!」
上から声がした。
見上げると男が上空から、魔術を叩きつけようとしていた。
回避する間もなく、爆発が起きる。
大穴が開き、すぐに地下に叩きつけられる。
「が……っ!?」
勢いが強すぎて、バウンドするほど。
それに対し、魔術師は着地していた。
「んだよ、生きてんのかよ。今の即死コースだろ。」
「なんで、だろうな……っ」
痛みを押さえて無理矢理立ち上がる。
身体が嫌な悲鳴をあげる。
それに、熱い。
「面白いな、八つ当たりに誰かを殺すつもりが、神血を釣り上げちまった!」
俺の血を見て魔術師が笑う。
俺は口から血を吐く。
思った以上にダメージが大きい。
「どうしたんだ?治しゃいいじゃねぇか。その状態のお前を襲うほど、外道じゃねぇよ俺。」
「……助か、る」
俺自身に治癒術をかける。
普段なら対して魔力を使わないはずだが、呪われた身では、かなりの負荷がかかるようだ。
「ん?知ってる魔力が流れたな。」
「あ……?」
「……カースオリオン。その気持ち悪い魔力はそれだな。」
魔術師がさらに語る。
「落ち着いたか?なら、見てみろ」
今まで気づかなかったが、ここは施設だ。
ちゃんと床があって、調整機のような機械が並べられている。
そして、窓のようなガラスの奥には、火が、炎が、流れている。
「ここは、マグマ流れる地下施設。太陽の近くだ。」
「太陽……」
「地下にも太陽があることぐらい分かるだろ。マントル?だっけか。俺はここの支配者だ。」
魔術師が指先を伸ばす。
そこに光が集まる。
眩しくはないエネルギーのような光。
「俺は、サプライズフレア。禁断の魔術、フレアを扱う唯一の魔術師。」
フレア。核。
最大の技術じゃなかったか、それ!?
そのフレアは小型に収束する。
「まぁ、手加減してやるから味わいな」
と、それをこちらに指先で弾くように飛ばす。
「ッ!?」
咄嗟に氷の壁を作るが、一瞬で溶けた。
フレアは爆発し、風が俺を壁に叩きつける。
あの火力で壊れない壁は相当のものだ。
服も体も焼けただれる。
けど、死んでない。
加減している、というのはこういうことだろうか。
「そうか、お前氷属性か!そりゃあ俺のが圧倒的だな!--って、やべぇ!」
魔術師がなにかに気づいたようで、慌てて俺に走り寄る。
そして、俺の腕に触れる。
その魔術師の指先すら熱い。
「うぁ……!」
その手を払い、傷を押さえ込む。
「かなり抑えたけど……よかった、生きてるな、よし。あーっぶねー」
魔術師が安堵して一息つく。
「死んじゃダメだぜ、神血。燃えてもいいが、燃え尽きるのはダメだ。」
「だれの、せいで……っ!」
「あーあ、氷属性ってのは、冷えてっから肌白いんだよなー。燃やすと邪魔なものは、燃やせるけど肌すら火傷しちまうんだよなー」
「話を、そらすな……!」
「逸らしちゃねーよ。こんな綺麗で鋭い細工品でも、氷である限りとけちまうんだよなーって話さ。」
魔術師が口端を吊り上げる。
そして、俺の腕を掴み、壁に押さえつける。
「お前は俺に勝てない。弱点、天敵って奴だ」
「ぐ……!」
「堪えんなって。痛いんなら悲鳴のひとつでもあげた方が人間らしいぜ?」
「そ、んなの……誰がっ!」
「弱者である限り、お前のすべては俺のものだ。俺のいうことが聞けないなら……死ぬよりひでぇ事になるぜ?」
脅しではなく、強制。
実力を痛いほど理解してしまったからこその、屈辱。
「お前を人間に戻してやるよ。氷から溶かしてやる。」

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サプライズフレアは熱いイケメン。
クールと熱血は相容れないとか、そんな話。

フレアは最大のロマン。
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