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ネタをネタとして。

・想起百段落とし体験版
※榎本恭二
目が覚めると、ドアをノックする音がした。
「んー?」
寝返りをうってもぞもぞしていると、ドアが開けられた。
「恭二ー?もういい加減に起きろよな……」
氷河の声がして、布団が奪われる。
「ったく……いい加減にしろよなー」
「うー……ひょーがー……返してー……」
「だーめだって。さっさと起きろ」
「やーだー……」
布団を掴む。
呆れたように頭を掻く氷河。
困らせるのが好きなんだよ、俺は。
「ったく……恭二!」
「うわっ!?」
思い切り布団をひったくられた。
「なにすんだよ、氷河!」
「お前がずっと寝てるからだ!」
「だーってねみぃんだもん!」
「ったく……ずっと寝てられたら寂しいだろ、俺が」

「あああああ!!氷河がデレたああああ!」
「うるせぇよ、恭二」
あれ?さっきの夢?
氷河が苛立たしげに俺の布団を奪い去っていく。
「さっさと起きろっつの。邪魔なんだから」
「……?」
「だいたい俺はお前が嫌いなんだよ、起きたらさっさとしろよ」
「え?」
「ったく、なんで俺がこんなことを……」
氷河が、部屋を出ようとする。
前に聞いてみた。
「氷河、俺の事好き?」
「嫌い、むしろ死ねばいいのに」

「あああああ!!氷河が辛辣うううう!」
「な、何言ってんだ?」
あれ?また夢?
今度は氷河が驚いたように俺を見る。
「大丈夫か?頭打ったんじゃねぇの?」
「え、いや……あははは……」
なんとなく笑ってごまかす。
「でさ、恭二!今日はどこに行くんだ?」
「え?」
「なんだよ、忘れちまったのか?今日は、遊びに行く日だろ?」
氷河が笑顔でベッドに乗り出す。
はっきり言おう。
超かわいい。
「え、えーと……どうしよっかなー?」
「恭二が行きたいってんなら、どこにでも行くけどな!」
「氷河……!」
思い切り抱き着く。
いつもは驚いて離れろーとかいうのに。
氷河は抱き着き返してくれた。
「恭二!」

「ああああああ!!!氷河がデレッデレだあああああ!」
「……」
また?夢?さっきより叫んじまったかも。
「……うるさいよ、恭二」
「え、ごめん……」
本を読んだまま、氷河が呟く。
今までされて布団追剥すらされない。
「じゃ、俺行くから」
「え、え?」
「お前、後で白河さんとこ行けよ。呼ばれてるんだから」
そう言い残して、ドアを閉めた。
閉められた。

「ああああああ!氷河が無表情うううう!!!」
「うるせぇな!」
氷河は、耳を押さえていた。
「お、氷河?」
先ほどの無表情はちょっと堪えたからな。
やっぱ構ってくれなきゃいやだ。
「ったく……もういいか、恭二」
「え?」
「今日、俺芳示と出かける予定だから」
「え?芳示と?」
「そう。芳示が珍しく暇だっていうからさ」
そう語る氷河はどこか嬉しそうで。
「まぁ、恭二の面倒みるのも嫌いじゃないから、見てるだけだし」
「そ、そっか」
「じゃ、行ってくる!」

「あああああ!芳示とデートとか認めないいいいいい!!」
「うわっ!?」
氷河がベットから落ちた。
つか、俺の隣で寝てたの氷河?
「ってぇ……」
「大丈夫か!?」
ふと見たら、氷河上着だけしか羽織ってないんですけど!?
おい、俺なにしたんだ!?
「ったく……さそっといてそれだもんなぁ……」
頭を抱えながら、ベッドに乗りあがる氷河。
「あ、あのさ……」
つい、肩を掴んでしまう。
え、俺は本当にやってしまったのか?
「どうしたんだよ、まだしたりないのかよ」
困ったように笑う氷河。
「したりないってか、してないんですけど……」
「ええ?嘘だろ、あれ忘れてんの?」
と、氷河が上着を脱いで首筋を見せる。
この跡はどう考えても俺がつけましたね。ハイ。
そして、顔を赤らめて氷河が呟く。
「この傷すらも……忘れたってわけかよ……」
「忘れてない!忘れてないから!」
勢いよく氷河に抱き着く。
もうなんかエロいっていうか、かわいすぎなんだよ、氷河!
どうにかなるの俺だから!

「あああああ!!氷河がエロすぎるううううう!!!」
「誰がなんだって!?」
「うわっ!?氷河!」
起き上がると、氷河が指を慣らしながら俺を笑顔で見ていた。
「殴り起こそうかと思ったのに……」
「え、ええ!?」
「起きない恭二が悪い、だろ。」
なかなか強気な氷河で。
「そうだけどさ……毎日そんな起こされ方されたら吸血鬼といえど身が持たないかなーって。」
「俺が来るのは……嫌なのか?」
え、どうしてそこでちょっと傷ついたような反応見せるの!?
「恭二以外にこんなことするわけねぇだろ……」
と、氷河が寂しげに呟く。
「嬉しいよ!俺、氷河が来てくれないと嫌だよ!?」
「そっか……よかった……」

「あああああ!!氷河が乙女っぽいいいいい!!」
がばりと起き上がると、そこは研究所のような場所だった。
白衣の魔術師が俺を見る。
「楽しかった?」
「楽しかった」
それはよかった。と魔術師が笑う。
「まだこれは未完成でね、想起百段落としには至らないのだけど」
「百段落とし?」
「僕の研究の一環だよ。先ほどの連続した夢落ち。」
「ああ、あれ。バリエーションあって面白かったぜ?」
「本当はもっと種類があるはずなんだ。なにせ百段落としだからね」
「百段あるの!?」
「それを完成させるのが研究だよ」
やべぇ、百パターンの氷河とか楽しみだわ。
夢でもいいよ、あの一瞬が楽しすぎた。
「楽しみにしてる!百段落としの完成を!」
「それはありがとう。」

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想起百段落とし体験版。
ネタ募集中です。

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