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氷河苛め祭。

アートメイズ編。

もう少しでこの企画終わる!

・アートメイズの魔術師
※瀬戸氷河
末沢さんが、俺を呼んだ。
そして、一枚の絵を見せ、聞いてきた。
「この絵なんだかわかる?」
見せられたのは、抽象画。
タイトルは『迷宮』。
作者名は、『アーティナ・メビウス』。
「マイナーな画家ですね……」
俺は、この作者を知っていた。
有名な絵画展に一枚だけ載せられていた人物だ。
幼い頃に無理矢理連れられた絵画展の絵の中で、異彩を放っていたからよく覚えている。
子供ながらに怖い絵だと感じたものだ。
「へぇー、分かるんだ」
「え?」
末沢さんが、更に紙切れを渡す。
渡されたのは、チケット。
しかも二枚も。
『アーティナ・メビウス 絵画展』
「行かねぇぞ、興味ねぇんだから」
「でも、貰っちゃったんだもん」
「誰から?」
「玲瓏さん」
あの詩人崩れ……!
舌打ちをする。
末沢さんが、なんかやらかしてしまったんじゃないかと不安気に俺を見る。
「……こういうのは、俺じゃなくてもっとふさわしい人物に渡すべきだろ」
「えー?氷河以外に誰がいるのさ」
「待ってなって、すぐ呼んでくるから」
こういうものの適任は身近にいるものだ。

「え、美術展?行く行く!」
「そーいってくれると思ったぜ、丙。」
最高の適任者は、丙だろう。
幼い頃から嬉々として絵画展巡りをしていた男だ。
ついでに末沢さんが、絵を持ってきたと言うと、案内しろと言われてしまった。
末沢さんが、意外そうに丙を見る。
「丙なんだ。絵が好きなのって」
「アーティナ・メビウスが、絵画展やるなんて、行くしかないでしょ」
俺もこんなに楽しそうな丙を見るのは、久々だ。
「二枚あるから、氷河といきなよ」
「そのつもりだけど」
「え?俺も?」
丙がチケットを手にし、さらに俺の手まで取る。
「だって、理解してくれるの氷河しかいないんだもん」
「しょうがねぇな……行くか」
俺は、丙の手を握り引っ張るように部屋を出た。
町の美術館で行われる絵画展。
魔術師の関与なんて全くないと信じきっていた。

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平和で狂気なアートメイズ。

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