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コラボ第二段。
名探偵と犯罪者。

キャスト
月下美人の不良
瀬戸 氷河
せと ひょうが

自称半分名探偵助手
小城 リリス
こじろ リリス


※瀬戸氷河
ガラリと図書室のドアを引く。
けれど、そこは図書室なんかではなく。
「あ、あれ……?」
「教室じゃねぇか……」
呆然としながらも部屋にはいる。
空間と空間がずれている……。
いや、まさかな。
あの無機質で無感情な魔術師の仕業であるはずがない。
反省してるって言ってたし、芳示にびびってたし。
リリスちゃんは、頭を抱えている。
「どーなっているんですかねー、これー。」
教室の戸を開け閉めして、きょろきょろしている。
「動くか……」
魔術師を動かすには、俺が動くしかない。
「リリスちゃん、耳塞いでいた方がいいかも」
「え?」
疑問に思いつつも、ちゃんと耳を塞ぐリリスちゃん。
これならやりやすい。
机に踵落としを決める。
壊れはしないが、ガタンと派手な物音をたてて倒れる机。
「こそこそ隠れてねぇで、出てきやがれ!殺すぞ!」
啖呵を切る。
出てきても来なくてもどーせ殺すけどさ。
リリスちゃんは、耳を塞ぎながらも器物破損、2と呟いていた。
「うるさいなぁ……」
窓から亡霊のような学生が出てくる。
効果はあったようだ。
「お前が、黒幕だな」
「そうそう、犯人だよ。」
魔術師がふわりと宙返りをする。
「ここは、僕の異空間。ワープゾーンみたいに空間がねじ曲がってるよ。思った通りのところなんて絶対いけない。ワープゾーンの答えはいつも予想外なんだから。」
「ああー!」
急にリリスちゃんが、魔術師を指差す。
「最初にあった人じゃないですか!?」
「ん?合流しちゃったのか。運がいいのか悪いのか。」
魔術師がけらけら笑う。
「ここに住まう亡霊は体を欲しがる。だから一人でふらふらしてたら食べられちゃうかなとか思ったけど、それは問題ないみたい」
先ほどの獣みたいになった魔物のことか。
最初にあったとき、確かに彼女は襲われていた。
「けど、彼と合流しても僕が殺したいのは、それだからなー。巻き込まれちゃうかも。それも運が悪いよね」
「……なら、何故彼女を巻き込んだ」
リリスちゃんを、庇うように前に出る。
魔術師は嘲笑う。
「君たちが望んだことだろ?実験したいって」
「……っ」
確かに柊さんはそう望んだ。
断ち切れるようにと、実験を望んだ。
けど、俺は……。
「じっけん、ってなんですか?」
リリスちゃんが、不安気に聞く。
違う、俺は彼女を利用したい訳じゃない。
けど、柊さんの実験にこれほどうってつけの人物もいない。
「違う……!」
ハンドガンを抜き、魔術師に向ける。
それにびびるのは、リリスちゃんだけだ。
「なにがさ?結局君も任務のために、人を殺して、魔術師を殺して、安寧を求める。ねぇ、僕らの気持ち考えたことある?」
「黙れ、黙れ、黙れっ!そんな話しなくていいだろ!?」
一発窓に打ち込む。
ガラスが割れるだけだ。
「ねぇ、小城さん。楽しんでる?」
「え?」
魔術師は、いつのまにリリスちゃんの側にいた。
「ずーっとあそぼうよ、この空間でさ!」
「え、ちょっと、嫌ですよ……っ」
「なにしてんだ、てめぇ!」
魔術師に殴りかかると、消えてしまった。
「まずは、図書室を見つけてほしいな!じゃあね!」
声だけ残し完全に気配が消えた。

魔術師に振り回されてから、この教室で休んでいた。
俺は机を椅子にしながら、ハンドガンに弾を込めて、リリスちゃんは、椅子に座っておとなしくしていた。
リリスちゃんが、恐る恐る聞いてきた。
「氷河さん……って、いつもああなんですか?」
「……ああ、って?」
「いや、あんな風に過ごしているのかなと。」
「……違う、今回だけが特別」
嘘をつく。
なにも変わりはしないのに。
「さっきの氷河さん、怖かったですよ……」
「……悪い、な。」
また俺のせいなんだよ。
あいつの狙いはいまいち分からないが、きっと俺の神血なんだろう。
俺のせいで、彼女が巻き込まれてしまった。
俺は謝るしかなかった。
「……巻き込んで、悪かったな」
「いえ、なにがなんだか分からないので……」
リリスちゃんは、困惑しているようで戸惑いながらも答える。
「いや、巻き込んだ分は取り返す。何があってもリリスちゃんは、守るよ」
「あ、ありがとう、ございます」
気恥ずかしそうにリリスちゃんは、俺を見る。
「よくそんなことがいえますね」
「きっと、力のあるやつの特権だと思うぜ?誰かを守るなんてセリフ。」
俺も恭二あたりに言われまくったけど、恭二は実際強いから有言実行するし。
「で、氷河さんには、その力があると」
「まぁな」
リリスちゃんぐらいなら、俺だって守ってあげられると思う。
彼女は、この場において無力な少女なんだ。
「自信家は足元を救われます」
「そうだな」
俺達は、くすりと笑った。

------------------
くそー!氷河が調子こきおってー!
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