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氷河苛め祭。

アートメイズ編。

・アートメイズの魔術師
※瀬戸氷河
街にある大きな美術館。
そこの特別展として、アーティナ・メビウス絵画展を開いているらしい。
場所は、美術館の最奥。
やはりスペースは取れないようだ。
「はい、チケット」
丙が受け付けにチケットを見せる。
「はい、どうぞ。」
受け付けが半券を返す。
「じゃ、行こっか」
「おう」

丙が嬉しそうに美術展に入る。
「アーティナ・メビウスという画家はね、現代アートの中で隠れた天才と呼ばれるほど、マイナーなんだけど、人を引き込む絵を描く画家なんだ。抽象画が多いんだけどね、風景画も写実画も一通りは描いた人なの。」
丙がここまで喋るのってあるだろうか。
「お前、詳しいな……」
「数少ない趣味だからね」
あ、これ。と丙が足を止める。
「迷宮。さっきの具体的にしたやつだね。」
「無限回廊じゃねぇか」
無限回廊。俺もよく知らない。
錯覚の絵で、階段を登り降りしてるように見えても繋がっているって……説明しづらいな!
抽象画となると、これの跡形もない。
酷いもんだよ。
「……あ、これこれ。これも有名」
「う……」
次に丙が指したのは赤をぶちまけただけの絵。
俺はこの絵が苦手なんだよ。
なんだか血を見ているみたいで。
「氷河、苦手?」
「この絵は好きになれねぇ……」
そっか、と丙は何故か安心したように笑った。
「アーティナ・メビウスは、怖い絵が多いよね。」
「そうだな。精神に来る絵が多い。」
すでに俺は結構限界だ。
「きっと現代アートは、病んでるんだよ」
「そうか……?」
「俺はそう思うよ。」
「俺には、わかんねーや」
「元貴族の癖に」
「いいんだよ、やめたんだから!」

一周し、外に出ようとしたらそこは壁だった。
「あれ?」
「確かに一周したよな?」
受け付けのカウンターの先に壁。
受け付けの女性が笑う。
「ようこそ、アーティナ・メビウス展へ。もう逃がさない。」
「「ッ!?」」
俺達は二人して黒い影に襲われた。

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次のばせばええねん。
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