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氷河苛め祭。

アートメイズ編。

・アートメイズの魔術師
※大浦丙
俺が目を覚ますと、そこは真っ黒な部屋だった。
絵が一枚飾られている。
「アーティナ・メビウス初作……『魔術師』」
そこには、老人が描かれている。
何を伝えたいんだろう。
とりあえず、傍にいない氷河を探さなきゃ。
なにされてるか分からないもんね。
一方通行の美術館を歩く。
長い廊下に差し掛かると、絵が何枚かかかっている。
『安楽』、『不安』、『過去』……。
なんだか俺を心を写したようなタイトルばかりだ。
『過去』の絵には、見覚えのある風景が描かれていた。
俺達の故郷の絵だ。
「うそ、なんで……」
「私は、人の心を映し出すアーティスト」
受付の女がナイフを手に、現れる。
きっと彼女がアーティナ・メビウスだ。
「真相心理は見え見えなのよ」
「それをこんな表現されちゃ、いい気分じゃないね……」
「ふふふ、いい作品が出来るのよ、たまにだけれど。」
と、アーティナはナイフの切っ先を眺める。
そこについている血は、明るい紅い色。
「氷河になにかしたのか!?」
「さぁ、ねぇ……」
アーティナは、血を眺めながら恍惚の表情で笑うだけだ。
「気になるなら進みなさいよ。もともと絵を見たんだから」
と、告げて彼女は消えた。
幻影だった。
「急がなきゃ……!」
俺は、走り始めた。
早くいかないと氷河が殺される!
絵なんて見ていられない。
全て誰かの心情だったと知れば尚更。
階段をかけ降りると、広い空間に出た。
灰色の背景。
向こうにも同じ絵がある。
タイトルは、『迷宮』
その絵のなかにいたのは、氷河だった。
衰弱しているのかふらついている。
「氷河!」
向こうの声は聞こえない。
こちらの声も届いているのか。
分からないけど、叫ぶしかない。
「氷河!逃げて!そっちじゃないよ!」
氷河が階段を降りていく。
だめだ、聞こえていない。
俺も追いかけようと、下に続く道を探す。
ぐるりと回ると下り階段があった。
かけ降りると、また長い廊下だ。
何枚か絵がかけられている。
『神』、『運命』、『夜』、『月』……。
神の絵は破りとられている。
この廊下は、氷河の心理……。
一番奥はただのガラスだった。
下にタイトルがある。
『紅』
「ぐぁああっ!」
誰かの悲鳴が聞こえた。
誰かなんて分かりきっている。
ガラスに紅い手の跡がつけられる。
ぞっとした。
その紅は氷河の血じゃないか。
「ッ!」
近くの扉を空ける。
そこにいたのは、誰かに馬乗りに跨がるアーティナ。
その下の血溜まりにいたのは。
ナイフで腕を突き刺されていた氷河だった。
「こちらは、スタッフルームでございますよ?」
「氷河に……なにしてんだ……」

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次で終われ、ホラー。


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