コラボ第二段。
学生と本部隊員。

キャスト
月下美人の不良
瀬戸 氷河
せと ひょうが

自称半分名探偵助手
小城 リリス
こじろ リリス

迷惑な名探偵
黒塚 裕
くろつか ゆう

最強の現国教師
赤空 葉菊
あかぞら はぎく

※瀬戸氷河
魔術師との殺しあいは佳境に入る。
やはり三流程度じゃ俺の敵じゃない。
「ひいっ！」
魔術師が机を動かして盾にする。
俺は、それに飛び乗り上から魔弾を撃ち込む。
だが、魔術師の左腕を掠める。
「ああ、くそ、弾がもったいねぇな！」
机を飛び降り、回し蹴りを入れる。
しかし、感触はよくない。
この学園のルールが適応されているのか……。
神隠し後日、芳賀から聞いたことが頭をよぎる。
あそこで人は殺せない。
学園ものに人殺しはナンセンスだ。
そう芳賀は言った。
それはこいつもこの場所も例外じゃないのか……。
「ッ！？」
ふと上を見れば机がこちらをめがけて突っ込んでくる。
かわして距離を取る。
「はぁ、っ……ほんと、酷いよ。殺すつもり？」
「さっきから殺すって言ってんだろ……！」
「ルールを知っているのに？」
「だからってなんだ。俺はてめぇを殺さなきゃ気がすまねぇんだよ！」
魔術師にハンドガンを向けた途端、後ろのドアが開けられる音がした。
「うわー、冷えてんなー。やたら固かったのはこれのせいか。」
「－－ッ！」
反射的にもう一丁取りだし、乱入者に向ける。
俺の氷術と柊さんの結界を破るなんて、とんでもないやつだ。
実力はあちらのが上。
追い詰められていく。
「おいおい物騒だな。私は犯人を見にきただけなんだがな」
銃口を向けられているのに、その人は少し不快そうにしているだけだ。
「何者だ」
「赤空葉菊。教師だ。」
「赤空……！？」
核の家系の人。赤空。
あいつですら、ぶっとんでるやつだった。
俺の術を破ったのは頷ける。
問題は、その人の立場がどちらかだ。
核のような味方なのか、空木のような敵なのか。
敵になれば勝ち目はない。
本当に殺されるってわけだ。
「どうした？赤空に知り合いでもいたか？」
「いや……こっちの話だ。」
「そうか。ならば……」
赤空葉菊が一歩こちらに歩み寄る。
警戒心が強くなる。
「ちょっと無視は寂しいなー」
魔術師の苛立った声。
赤空葉菊に気をとられていた隙に、椅子が上から勢いよく頭に叩きつけられる。
「ぐぁ……っ！？」
不意討ちで回避も出来ず、倒れこむ。
額から血が流れ、二丁のハンドガンも手放してしまう。
「その銃を下ろせと言いたかったんだが、必要なかったようだな」
赤空葉菊が、俺の銃を拾い上げる。
「ふーん……」
まじまじと見たあと、それをしまいこまれた。
……この人は敵だ。
魔術師もそれを確信したようで、気分よく話しかける。
「せんせー、それ頂戴。」
「……これか？」
と、魔術師が俺を指差し、赤空葉菊も俺を見やる。
これはまずい。
額の傷を押さえて無理矢理立ち上がる。
血が目に入りよく見えない。
赤空葉菊が、不敵に笑った気がした。
「……残念だが、彼は私の生徒を助けたらしいからな。助けると言ってしまったんだよ」
「……そう、なのか？」
「だから、助けに来たのにそう警戒されてはやりにくいだろ？だから私は下ろせといいたかったんだ」
魔術師の表情が、歪む。
「ちっ、それなら分が悪いな！」
魔術師が消えてしまった。
そして、大きく血文字が浮かぶ。
『交差の始まりの場所』
「また、めんどくさい真似を……！」
立っていられず膝をつく。
赤空葉菊は、血文字を見ながら俺に言う。
「早く治したらどうだ？まだ名探偵達は来ないぞ」
「なんで……それを……？」
額の傷に治癒術をかける。
それを見た赤空葉菊は、驚いていた。
「なんだ、本当に使えたのか。さすが私の世界とは違う人間。」
「はったり……？」
「いや、勘で言ってみただけだ。」
勘でそんなことバレてたまるかよ……。
やっぱぶっ飛んでやがる。
「貴様、名前は」
「瀬戸氷河」
「……瀬戸か。」
赤空葉菊がじろじろと俺を見る。
そして悪戯を思い付いた子供のようににやりと口端をあげる。
「よーし瀬戸、面白いことを思い付いた。生物室に来い。」
「生物室……？」
戸惑う俺に苛立ったのか、赤空葉菊が俺の腕を取り引っ張る。
「いいから来い！」
「ちょっ、と……！？」
赤空って、どいつもこんなやつばっかりかよ……。

－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
警戒が仇になる。
赤空にかなりビビる氷河。