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氷河苛め祭。

フラクタルミラージュ編。
ぶっこわす。

・フラクタルミラージュの魔術師
※瀬戸氷河
そこにあるのは、当たり前の暴力。
ストレス発散に満たない無意味な八つ当たり。
殴られ、蹴られ、殴られ、殴られ、蹴り飛ばされ。
身体はボロボロでどこも動きそうになかった。
「ほら、そろそろ魔力も戻ったろ?治せよ、治癒術師様。」
芳示が、俺を足蹴にしつつ促す。
魔力が少ない上に呪いが進行している中、治癒術は思うように発動しない。
「おい、そんなもんかよ?」
「っ……これ、いじょうは……!」
「言い訳は聞きたくねぇんだよ」
「ぐっ……ぁ……!」
強く踏まれる。
骨がみしりと嫌な音を立てる。
すぐに髪を掴まれ、顔をあげさせられる。
「俺は、治せっていってんの。」
「う……ぁっ……」
呻き声しか出せず、言葉もうまく出せない。
「んだよ……もう限界かよ。カースオリオンのせいで使えなくなってやがる。」
芳示がつまらなそうに呟き、手を離す。
重力に従い、落ちる。
「つっかえねーな。お前がそんなんじゃ、生きてる意味ねーんじゃねぇの?つか、俺のおもちゃになれないなら死ねよ」
いつの間に銃口が向けられていた。
「させるかっ!」
芳示がトリガーに手をかけた瞬間、何者かに斬られた。
斬られた芳示は霧のように消えた。
「氷河!」
「恭二……っ」
恭二が俺を抱き締める。
力が強くて少し傷が痛む。
「良かった……氷河が他の誰かに取られるなんて我慢できなくて……」
「恭二……」
ああ、やはり俺を救ってくれるのは、恭二なんだ。
恭二が、俺を救ってくれる。
それだけでなんて幸せなんだろうか。
俺は、恭二に溺れてしまう。
いや、もう俺は恭二のものだ。
「氷河……俺のこと好き?」
「俺は恭二のもの、だよ」
恭二が口端を上げる。
「ならさ、俺のいうこと何でも聞いてくれる?」
「ああ……なんでもしてやるよ」
「それならさ……」
恭二が俺にナイフを差し出す。
「これで自分の腹を刺して。」
「……血が欲しいんだろ?」
「それもあるし、氷河が本当に俺のものか、みたいな」
試されているってわけか。
バカなやつだよ、恭二は。
俺はナイフを受け取り、不敵に笑う。
「いいぜ……やってやるよ。」
迷いなく自分の腹にナイフを突き刺した。




※天城芳示
「氷河の弱点?んなの恭二に決まってんだろ。」
「あいつはな、どうしようもないほど恭二が好きで恭二に恋して恭二を愛してるんだよ」
「普段はすかして誤魔化してるけどな、あいつの恭二への愛は異常だ。」
「そこをうまく利用されたら、もうあいつはダメだ。例えば俺なんかの幻を出して、氷河を壊してから救世主のように恭二の幻を出したとするだろ」
「壊れちまった氷河に疑心はねぇんだよ。あいつは助けてくれた恭二を本物だと信じこむ。」
「たとえそれが敵の幻影でもだ。」
「一度信じこめば、何をされてもあいつは疑うことはしない。普段の恭二とかけはなれた行動でもだ。」
「俺は恭二のもの、だなんて思ってるバカが恭二に逆らうわけもねぇ。普段から喜んで恭二の命令を聞いてるぐらいだしな。」
「そこで自害しろ、なんて恭二がいってみろ。」
「氷河は--本気で実行するぞ」

------------------
壊れた氷河が怖すぎる。
自己犠牲の最高峰。


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