忍者ブログ
一次創作ファンタジー小説中心サイト。 このサイトにある全ての小説の無断転載は禁止しています。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コラボ第二弾。

子供と大人。

キャスト
月下美人の不良
瀬戸 氷河
せと ひょうが

自称半分名探偵助手
小城 リリス
こじろ リリス

迷惑な名探偵
黒塚 裕
くろつか ゆう

最強の現国教師
赤空 葉菊
あかぞら はぎく


・覗き見
※瀬戸氷河
制服でいるのも、限界なので着替えることにした。
また生物準備室を借りて、制服を脱ぐ。
「おい瀬戸」
「なんですか、先生」
勝手に扉を開けて準備室に入る葉菊さん。
この人の横暴さなら、ありえないことだとは思った。
まぁ堂々としてる分俺は不快ではない。
「……つまんねぇな」
「はぁ?」
葉菊さんが、ドアを閉めてしまう。
帰るつもりはないんだな、この人。
「お前、そこで恥じらいとかねーのかよ。女が覗きに来てんだぞ」
「出会ってすぐに腕折った奴を女と呼ぶか」
「折ってないだろ。捻っただけだ」
「どっちだって一緒だ」
彼女に構わず着替える。
葉菊さんは、つまらなさそうに腕を組む。
「お前、女で欲情しねーのかよ」
「……葉菊さんじゃ、出来ねぇな」
「つまんねーな。そんじゃ、小城は?」
「あの子は……可愛いけどさ」
「可愛いねー……それだけか?」
「んだよ、他に求めるものがあるのか?」
葉菊さんがにやにやと俺を見る。
「あるだろーそこはさー……お前を非健全だと疑っちまうだろー?」
「……非健全ってなんだよ。」
「お前、モテるだろ?好きに女をはべらせたんじゃねぇの?」
「あー、残念だけどそれは俺じゃなくて、俺の親友。」
「へぇ、お前よりモテる奴がいたのか」
「いたな。」
榎本恭二。
あいつの周りには、常に女子がいた。
恭二もそれに気を悪くすることなく、全員平等に構っていた。
それでも、俺とよく話していたのを思い出す。
……なんで女子に恨まれなかったんだろうな、俺。
着替え終わり、武器を仕込み始める。
「……そろそろ出て行ってくれないか」
「ん?着替えはいいのに、武器はダメなのか?」
「こういうのは、知られちゃまずいんだよ。」
「仕方ないな!私は出ていくとしよう。」
と、ようやく葉菊さんが出て行ってくれた。

・勉強伝授
※小城リリス
ある中継地点で、たまたま私の教室に流れついた。
ここで、私は意を決して氷河さんに話しかけます。
「氷河さん、頼みがあります!」
「ん?」
私の勢いに飲まれて氷河さんが少し戸惑います。
「勉強を、教えてください」
「は?」
「頭いいんですよね!?学年10位以内なんですよね!?だったら教えてください!お願いします!」
「わ、わかったから、落ち着けってリリスちゃん!」
「それは承諾とみましたよ!」
私は自分の机に教科書やノートを重ねる。
ペンケースから、シャーペンも出しておく。
そして、自分の席について氷河さんを待つ。
「で、何教えればいいんだ?」
「出来れば、全部で……」
氷河さんがため息をつく。
「シャーペン、借りるぜ」
私の机の前の椅子に座ってシャーペンを取り、くるりと回す。
そして、一番上に重ねられていた数学の教科書を読み始めた。
「そうだ、リリスちゃん。テストの問題用紙とかあるか?」
どうしてそんなものが必要なのでしょうか。
「ごめんなさい、持ってないです。」
「そっか。手っ取り早く成績上げるなら、教師の出題パターンを大体把握しちまうことなんだけどさ。ないなら仕方ない。普通に教えるか」
「始めから普通に成績上げてください!」
やっぱりこの人せこい人だ!
まともなやり方してないですよ!
「でも、勉強法とかって言われてもな……。数学や英語なら数式とか単語覚えればいいし、化学や歴史は暗記だろ、現代文はニュアンスで書けばあたるからな。」
「そのやり方が出来るのは氷河さんだけです」
そういうやり方が私にもできれば苦労はしないです。
出来ないから困っているというのに。
「……なんか紙ないか?」
「あ、はい、どうぞ。」
私はノートの切れ端を氷河さんに渡す。
すると、教科書を机において何か問題を解き始めた。
すらすらと氷河さんは綺麗な字を書きます。
「うわー……」
「ん?」
思わず感嘆の声を上げてしまった私に、氷河さんが首をかしげる。
「字、綺麗ですね」
「そうか?そうでもないと思うけど」
「謙遜しないでください。綺麗ですよ」
「字を褒められるってあんまないだろ?」
「そうですけども。」
問題を解き終えたのか、シャーペンを置く。
自分のノートで解答を確認する。
ちゃんとあってます。
「じゃー、どこからやろうか?」
「それなら、この問題から……」
「言っとくけど、俺、教えるの下手だからな」
「いいんですよ。」
下手だとか言ってましたが、氷河さんの教え方はとても丁寧でした。
丁寧に解き方を教えてもらい、私の質問にも的確に答えます。
この人、勉強すごく出来る人だ。
こういう先輩いたらいいのにな……。
「すっきりしました。ありがとうございます。」
「いいって。」
「本当に助かりました。これで次のテストは大丈夫ですよ!」
「……でも、ここ異世界だよな?どうしてリリスちゃんの教室に着いたんだろうな」
「あ」

・報告執行
※瀬戸氷河
「ちゃんと報告しますからね!」
リリスちゃんが、葉菊さんに今までの俺の軽犯罪を報告するそうだ。
銃刀法違反、窃盗、器物破損20。
確かに俺がやったが、事情ってものがある。
全て起こるべくして起きた軽犯罪である。
とかいっても聞いてくれないんだよな……。
「瀬戸くーん」
葉菊さんが、背後から俺の肩を掴む。
力が入っているのか痛い。
楽しげな声音で葉菊さんが言う。
「小城から聞いたぞー。お前の軽犯罪をー」
「この状況なら、わかるだろ。事情があったんだよ」
「いいや、そんな言い訳が通ると思うな。」
「だよな……。つか痛い」
すぐに離れてくれた葉菊さんは俺の前に立ち、腕を組む。
まさに説教する教師だ。
「そういうのは不良の言い訳なんだよ。そんな程度の理由で学校壊されちゃこっちも迷惑なんだよ」
「異世界だよな、ここ」
「それでも私の学校だ。お前は矯正してやる必要があるな……」
ぱきぱきと指を鳴らす葉菊さん。
俺も腹をくくって、一つだけ言っておく。
「腕折るのとかはやめろよ?」
「怖がるなって。なに軽犯罪なら軽い体罰で済ましてやるよ」
「ほんとかよ……」
「そーれっ」
「いってぇ!?」
結局、葉菊さんがしたのは頭から殴られるだけだった。
しかし、それが尋常じゃなく痛い。
俺は頭を抱えて蹲る。
「っ、あー……馬鹿だろ、どこが軽い体罰だよ……」
涙目で葉菊さんを睨む。
葉菊さんはけらけら笑うだけだ。
「葉菊さんからしたら、軽い方だって」
「だ、大丈夫ですかね……?」
裕が、からかうように笑い、リリスちゃんは戸惑っていた。
「だから、嫌な予感がするって言ったんだ……」

・調理室
※小城リリス
調理室に流れ着いた私達。
「あ、刃物あるかも」
と、氷河さんが調理用具を保管している場所から、包丁を取り出します。
「やっぱナイフよりは重いよな……。」
包丁を素振りする氷河さん。
調理器具ですよ、それ。
それで幽霊倒すんですか。
「氷河さんって料理出来るんですか?」
「まぁ、自炊レベルにはな」
「自炊レベルって?」
「作れるけど、人には出せないってことだよ」
料理が苦手なのでしょうか。
氷河さんってなんでも出来ると思っていました。
「何でもできるというわけではないんですね」
「そりゃそうだ。そんな天才いるわけが……」
氷河さんが言葉を切ります。
何かを思い出したのか、あ、と呟きます。
「いたな。天才」
「いるんですか!?」
「ああ、本当に何でも出来る天才がさ。プライベートな話は聞いたことないけど、多分あいつなら出来ると思う。」
そんなすごい人がいるんですね……。
氷河さんの世界は、出来る人ばかりな気がします。
「それは……すごいですねぇ……」
氷河さんが、いつの間に包丁を片づけていました。
武器にならなかったのでしょうか。
普通、ならないですよね。
「行こうぜ、リリスちゃん。」
「あ、はい。」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
長すぎて前後編になってしまいました。
NGというよりもただの短編集。
とりあえず、解説を。

・覗き見
変な話です。
女と恋愛トークを先生とする氷河。
葉菊さんが覗いてる時点でおかしいし、なんかどうかしてるし。

・勉強伝授
リリスちゃんが図書室で聞いたことを頼りに頼る話。
氷河はそういうのも様になるんだけど、いかんせんまともじゃない。

・報告執行
本当に報告して体罰を食らう話。
だから赤空ってだけで嫌な予感がしたんだ、とさらに赤空が苦手になる話。

・調理室
刃物が欲しいなら調理室じゃね?からヒントを得た話。
包丁は氷河には扱えず、料理と天才の話にシフトするあたり自由だよな。

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
プロフィール
HN:
天草八津芽
性別:
女性
自己紹介:
BLでファンタジー小説が多いです。
ひっそりひそひそ書いてます。
ツイッター
メインアカウント(妄想ばかり)


オリキャラ紹介bot
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
P R

Copyright © [ 妄想の隠れ家 ] All rights reserved.
Special Template : 忍者ブログ de テンプレート
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]