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零雨様より、島原と小浜の話を頂きました。

えびばで、ぽっきー。


・黒葉の味
※島原洋斗
「洋斗、はいあーん」
「あー……?」
黒葉に言われてつい口を開けると、何か細い物が口の中に入ってきた。
「ん、んー?」
噛み砕いてみると甘い。ていうか、ポッキーだ。
「何だよ突然」
「洋斗今日が何の日か知らないの?」
呆れた目でポッキーをちまちまかじる黒葉に俺はカレンダーを見る。十一月十一日。
「あー、ポッキーの日?」
「そうだよ」
安売りしてたんだ、とまた俺の口にポッキーを二本突っ込んで来る黒葉。
「自分で食えよ」
「買いすぎたんだよ」
ちゃっ、と黒葉はまるでナイフを構えるがの如く指に二本のポッキーを持った。一体何をするつもりか。
「死ねっ」
と言ったかと思えば。
黒葉の構えたポッキーは俺の鼻の中に吸い込まれていった。
「ふがっ!?」
ポッキーという異物に俺の鼻が変な声を出す。
「……っ!!やっば、洋斗……フッ、アハハハハ!!」
突っ込んだ当の本人は俺の様子を見ると、顔を歪めて腹を抱えて大笑いし始めた。
「てめぇ……」
俺は沸き上がってくる怒りを抑えながら鼻からポッキーを抜く。
「あーあ、何で抜くのさ」
「抜くに決まってんだろ!てめぇの鼻の穴にブチ込んでやる!」
俺は俺の鼻に突っ込まれたポッキーをゴミ箱に放り込み、黒葉を捕獲すべく飛び掛かった。
「食らえっ!」
俺は床に落ちていたポッキーの袋を拾い、数本を黒葉へナイフ投げの要領で投げ付ける。が、黒葉はほとんどを避け、一本は口にくわえてしまう。
「そのままの意味で『食らえ』ってかい?」
ニヤニヤ顔で嫌味をいう黒葉。しかし、俺は悔しく思うどころか余裕で笑って見せた。
瞬時に間を詰め、黒葉のくわえるポッキーの端に食らい付く。そのままガジガジと食っていき、俺は黒葉の頭を押さえてそのまま唇を重ねた。
「っ!」
チョコの甘みとプリッツ部分の塊が口の中でザラザラと舌にまとわりつく。チョコと唾液が混ざって舌が甘ったるい。
「……ふ、っは……」
唇を離す。黒葉の口の端から垂れる唾液にチョコ色が混ざっていた。それは直ぐに袖で拭かれて消えてしまったが。
「鼻に、突っ込むんじゃなかったの……」
「口に突っ込んだって良いだろ」
「突っ込んだっていうか……洋斗が食ってるじゃん……」
「知らん!」
俺は笑って誤魔化した。
唇を舐めると、甘い黒葉の味がした。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ポッキーの日記念。

私がリクエストしたものです。
なんとなく出来なかったようくろでお願いしました。

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