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操り人形のはなし。


・マリオネットスレンダーの魔術師
※瀬戸氷河
蜘蛛の糸のように糸が絡み合い、周りには捨てられた人形。
屋敷の広間でこの有り様だ。
部屋はきっとものすごい数の人形がいたことだろう。
その中央で、くつくつと笑う魔術師。
「どうしたんだい?」
「おまえを殺しにきたんだよ、魔術師」
俺は魔術師にハンドガンを向ける。
その後ろで恭二、芳示、丙が武器を構える。
「そうかそうか。」
魔術師が指を動かす。
丙だけがその先にあるものを見た。
「糸……?」
俺たちには見えない細い糸が動いているらしい。
「その魔力で分かるよ、神血。もらい受けよう。」
「……ッ!」
気づいた頃には遅かった。
魔術師の糸が俺に絡み付いていた。
身動きがとれない。
まるで、操り人形のよう。
「マリオネットのよう、じゃない?」
俺が恭二に銃口を向けていた。
「やめろ……っ!」
「氷河……?」
戸惑う恭二。
魔術師は容赦なくその引き金を引かせた。
銃声と共に恭二が俺に撃ち抜かれ、倒れる。
「恭二!!」
叫んだのは俺だった。
「くそ、操られんだよな!?」
「そう、氷河のせいじゃない!」
芳示と丙が、恭二の傷を見る。
芳示が魔術師に銃口を向けた時に丙が止めた。
「待って!あの魔術師を狙っても氷河を盾にする!」
「せいかーい、わかってんじゃん」
魔術師が俺のもう一丁の銃も抜く。
二人に狙いを定める。
「ちっ、やるしかねぇか……?」
芳示も俺に銃口を向ける。
「駄目だよ、やめてよ……!」
丙が悲痛に叫ぶ。
「もう、やめてくれよ……!」
不思議と抵抗出来ない糸に苛立つ。
魔術師は全てを嘲笑う。
「殺しちゃえ」
同時に引き金を引く。
二人が無抵抗に撃たれる。
「う、ああっ……」
あの日がフラッシュバックする。
三人分の血溜まりが、出来上がっていた。
俺が、殺した。
丙を、芳示を。
なによりも恭二を。
ころしてしまった。
「洗脳を研究した魔術師がいたけどね、僕はこうやって操るだけでいいと思うんだよね。」
「なにが、言いたい……」
「マリオネットの心を無視して、意思とは関係なく自由に動かせる。当人の魔術が使えないのが欠点かな?」
「ふざけんな!俺に親友を殺させておいて!」
楽しげに語る魔術師に吠える。
すると自分で自分のこめかみに銃口が向けられた。
「……くそ、俺すらも殺せるのか」
「神血さぁ、なめてもらっちゃ困るね。それに……」
ぴくりと三人の身体が動いた気がした。
「撃ち抜いた程度じゃ、死なないでしょ」
魔術師が俺を動かす。
「へへ……ばれたかっ」
恭二が立ち上がる。
続いて芳示も丙も立ち上がる。
「お前ら……!」
喜ぶ俺は構えをとらされる。
「ふふん、このマリオネットが君達をボコボコにしてあげるよ。」
「……やりにくいなぁ」
恭二が太刀を手に、構える。
「もう、傷付けたく……ない……」
「んじゃー、ちょっと黙ってろよ。助けてやるから。」
「待ってて、氷河」
芳示と丙も武器を構え直す。

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本格的にぶっ壊すのは次回。


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