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お久しフィアレス!

※瀬戸氷河
被験体、フィアレス・アリーゼ。
魔力容量897。過去最大、魔術王にも匹敵する。
幼少から……
「入るぞ」
魔術師の声が聞こえてすぐにカルテを隠す。
「……また、実験か?」
「どうした、神血」
魔術師はまた注射器で何かの薬を俺に打ち込む。
頭がいたくなるのを堪える。
「もう、随分経っただろ……。」
最初に捕らわれた時と比べれば、俺は随分やつれたと思う。
食事はまともに用意されず、日の光も浴びていない。
監獄のような生活が長々と続いていた。
「神血は貴重なものだ。外に出ればまた他の魔術師に狙われてしまうだろう。他の連中は神血の扱いをわかっていない。死にたくないだろ?」
「ああ、死にたくねぇな……」
ぼんやりと答える。
「ならば、お前は一生ここにいるべきだ」
魔術師はそう言い残して部屋を出る。
上にあるガラス窓には藤野達とフィアレスが俺を見下ろす。
フィアレスは、上機嫌になにかを藤野に話していた。
藤野は笑顔でそれに答えるが、どこかやりにくそうだ。

俺はモルモットで、上の連中は科学者なんだ。
モルモットには、なんの自由もない。
ただ言いなりに実験されるだけ。
苑宮が俺に告げる。
「そろそろ大事な人が来るよ。俺は逃げなきゃ」
藤野達はこの研究所から逃げ出したらしい。
何で逃げたのだろうか。
ずっとここにいれば、幸せなのにな。
不意に明かりが消えた。
研究所が停電したのだ。
この研究所にも人がいたらしくばたばたと駆け回る音と、それを消し去る銃声がした。
「…………ッ」
フィアレスのカルテを持ち出し、銃声から耳を塞ぐ。
正直に言うと怖いんだ。
俺は……すっかり臆病になっていたんだろう。
「嫌だ……死にたくねぇよ……っ」
銃声が止んだ。
恐る恐る立ち上がると、爆発音がした。
差し込んだ日が眩しく目をつむってしまう。

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寝たいからねやす。


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