忍者ブログ
一次創作ファンタジー小説中心サイト。 このサイトにある全ての小説の無断転載は禁止しています。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

欲求不満の続き。
サプライズフレアの続きでもありそう。



R18手前。

・吸血
※瀬戸氷河
深夜。
本部の連中がだいたい寝静まった時に、吸血鬼は動き出す。
夜は吸血鬼の活動時間だからだ。
「氷河、いいだろ?」
「分かってるよ」
部屋の灯りを消して、ベッドの傍に置いた小さなランプを灯す。
上着を脱いで、素肌をさらす。
そういや恭二が吸血するときに脱げって言ったのはいつだったか。
襟が邪魔とか散々騒がれたので、仕方なく脱いだんだった。
脱げと言ったわりには、寒いだろうと恭二が上着を無理やり羽織らせた。
恭二の上着を羽織ってると、慎重の違いを思い知らされて悔しくなるのだが、同時に安心もする。
今ではすっかり慣れてしまい、俺も軽くワイシャツを羽織ることにしている。
「ふふーん」
恭二が含み笑いを浮かべて、ベッドに座る。
「ほんと、氷河の肌白いよな……。」
「……別に、気にしたことじゃねぇだろ」
「んー、羨ましいというか、欲しくなる……」
「俺は恭二のものだけど?」
「そーだな。後に……する。」
恭二がゆっくりと俺を抱き締め、首筋に牙を立てる。
「じゃ、頂くぜ?」
「つ、ぅ……」
牙が少し深く刺さる。
当然だ、恭二がほしいのは血なんだから。
慣れた甘い痛みが襲う。
そしてすぐに、くすぐったくなる。
恭二が首筋を舐めるからだ。
「恭二……もっと深くてもいい……」
「ダメ。氷河が痛い思いするから」
「それが--欲しい、んだよ。恭二からの痛みが……欲しい……」
「……知らない、からな」
牙が更に深く刺さる。
「く、っ……」
痛みが強くなるのは、当然だ。
けど、不快じゃない。
むしろ心地いい。
恭二が首筋から離れる。
不安そうな表情で恐る恐る聞かれる。
「……いたかった?」
「肌食い込んでんだ。そりゃ痛ぇよ」
「じゃ、なんで……もっと深くまでなんて言ったの?」
「痕が……欲しかった」
あの時、焼かれてしまった傷痕。
俺が恭二のものである証拠。
あえて治さない傷。
その首筋を押さえる。
「俺が恭二のものだって痕。それから、痛み。恭二がくれる痛みは全然不快じゃなくて……むしろ……」
押さえていた手のひらには、俺の血が、神血がべたりとつく。
「や、やっぱなんでもねぇ!」
恥ずかしくなって、言葉を紡ぐのをやめた。
「えー!気になるじゃーん!」
「おい、恭二……!?」
血がついている手のひらを舐められた。
「やっぱり氷河の血が一番だなー!」
恭二がそう言ってくれなきゃ、俺はこの血を好きになれなかった。
やっぱり俺は恭二の何もかもに救われていて。
どうしようもないほど恭二が好きだから。
「んでー、続きは?」
「ね、ねぇよ!続きなんて!」
「さっき、いいかけてたじゃん!ねぇねぇ、何だったの?」
「大したことじゃねぇって。」
恭二からの痛みが、むしろ気持ちいい。
だから、もう少し欲しくて。
甘美な痛みを求めてる俺が恥ずかしくて。
「そんなこと言ってるとー、もう少し貰っちゃうぞ?」
「……そんなこと言わずに、いくらでもやるよ。」
「ジョーダンだって。痛いだろ?」
「まだ、足りねぇぐらいだよ……」
小声で呟く。
恭二には聞かれていないようだ。
恭二は俺を大事にしすぎている傾向がある。
俺はもっと、滅茶苦茶にされたいと思っているのに。
「氷河はさ、とっくに痛い思いをしてるからさ。もう、そんな目には会わせたくないんだよね。」
「恭二……」
恭二が自らの服のボタンを外しながら、問いかける。
「あのさ、なんで俺が氷河に上だけでも脱げって言ったか分かる?」
「襟が血を吸うから、みたいな理由じゃなかったか?」
「ごめん、違うんだよね」
上だけ脱いだ恭二がそっと俺に触れる。
少しくすぐったいような。
「俺が、氷河の肌に触れたかったから、なんだよね。」
そして、そのまま抱き締められた。
「人肌恋しいー、みたいな話があるじゃん。それから、氷河が、欲しかった。」
最初に脱がされた日は勢い余ってしてしまったんだっけか。
抱き締められる力が強くなる。
「だってさ、俺、氷河が好きで好きでどうしようもないんだもん!誰にも渡したくないし、俺以外に笑っていてほしくもない!俺だけの……ものでいてよ……」
「恭二……」
意を決して伝える。
「俺は、恭二がくれる痛みが好きなんだ。生きてるって思わせてくれるし、気持ちいいし……な。当然守ってくれるのも嬉しいんだけど……」
やべぇ、何故だが泣きそうだ。
俺も恭二に強く抱きつく。
「消えない痕が欲しい。永遠に俺は恭二の餌だって痕が欲しい!そのための痛みなら、もっと激しくたって、燃えるようだっていい!むしろ、そんぐらいしてくんなきゃ……満たされねぇよ……っ」
もっと、痛みが欲しい。
恭二を忘れないでいられるような痛みが。
「氷河……分かった、から。俺を、どうにかさせないでよ……」
「え?」
「もう……氷河がそんなマゾヒズムだなんて、知らなかった……」
「恭二の痛みだけ、だぞ」
恭二が俺を押し倒す。
羽織っていた服は、恭二に脱がされた。
「氷河、ごめん。」
「……だいじょうぶ。」
そういう痛みも嫌じゃないから。

-------------------
深夜ひゃっはああああああ!
吸血ってとんでもないエロスだよね!
本当は甘美な痛みに呻いて、くすぐったい吸血に吐息を漏らし喘ぐって設定だったんだけどね!
エロすぎて私が爆発したのでカット。

服を羽織ってるってのが、個人的にえろい。
ただ脱いだだけだと味気ないだろ?
ぶかぶかの服を羽織らせてるってのがいい!
白いワイシャツに白い肌でもいいけどね!
やっぱ恭二の服かな!匂いや暖かさまで恭二のだし。

マゾヒズム氷河。
吸血の痛みに溺れる。


PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
プロフィール
HN:
天草八津芽
性別:
女性
自己紹介:
BLでファンタジー小説が多いです。
ひっそりひそひそ書いてます。
ツイッター
メインアカウント(妄想ばかり)


オリキャラ紹介bot
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
P R

Copyright © [ 妄想の隠れ家 ] All rights reserved.
Special Template : 忍者ブログ de テンプレート
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]