コラボ第三弾。
学園パロディで、ストレス発散を企んでみる！
休憩編。

キャスト
月下美人の不良
瀬戸 氷河
せと ひょうが

平穏を望む主人公
伊勢 零一
いせ れいいち

最強の現国教師
赤空 葉菊
あかぞら はぎく

※瀬戸氷河
元の学園生活に戻ってしまった。
退屈すぎる。
変わったことと言えば、本当に末沢さんが釣木学園の一年生として編入したことだ。
これで、小城リリスへの観察が容易となった。
末沢さんもミス研に入れられることだろう。
俺達も同様に監視させられているのだから。

昼休み。購買で少しパンを買った後に、伊勢と共に昼飯を食うことにした。
井伊原さんは、他の友達と約束があるそうだ。
「学園生活って……退屈だよなぁ」
「急にどうしたんだよ？」
俺が深くため息を吐くと、伊勢が不思議そうに聞いてきた。
「今の所俺ってただ巻き込まれてるだけだよな。」
「まぁ、そうだな。というかまだ相談にのってくれるって言っただけだろ？」
「違う、宣戦布告だ。」
「あれ、そうなのか」
「確かにまだ始まったばかりだってのは、分かってるけどさ。」
「けど？」
「足りねぇんだよな……血が。」
向こうで戦っていた時のことを思い出す。
まぁ、狙われてる俺にとっては、そういうのはしょっちゅうだったのだが。
襲ってくる連中を好きに暴れて対処していたのが懐かしく思えるほど、ここは退屈なんだ。
「氷河」
「ん？」
「すげぇ悪い顔してるから……なんか本当に血を求めていきそうで怖いって」
「……冗談だ」
本気なのがバレそうだったので、誤魔化すことにした。
やっぱ不良探して絡みに行くのはやめとくか。
「ほんとかよ……」
「刺激は足りないのは事実だけどな。ああー退屈。」
「刺激ってたとえば？」
「そうだな……丁度いいのは普通の喧嘩かな。なんつーのかな、暴れてぇんだよな」
「ああ、本当に犯罪者っぽい。」
「どこがだ！」
「暴れたいとか言っちゃう所が。素行悪しってのは、氷河にはマイナスだと思うぜ？」
「……大人しくしてるのは柄じゃねぇんだよ。」
「それっぽいのは、なんとなくわかる」
「こういう時に敵でもいりゃあな……少しはストレス発散になるのに」
明確な殺意でもあれば最高。
へし折ってやるのに。
「……ああ、氷河って怖ぇんだな」
伊勢が、普通に恐れるように呟いた。

時計塔の中。
伊勢との会話を思い出して、ぼんやりとしていた。
「退屈ってのは俺の柄じゃねぇんだな……」
思えば、いつも俺は何かと巻き込まれていたように思う。
次から次へと魔術師が俺の血を狙ってくる。
そいつらは俺自身への恨みごとがない分、不快だった。
結局あいつらが嫌っていたのは、俺の血と力だけだから。
けど、今の俺はそのすべてから解放された釣木の学生という身分。
そこに俺の血を知るものも求めるものもなく、ただただ何も事件なく過ぎていく。
それが退屈だというのに、今更ながら気づかされた。
「暇だー、暇すぎるー」
「あんまり暇、暇言ってると、教師が泣くぞ」
葉菊さんが、向かいの椅子に座る。
「元々俺、教師嫌いだし」
「子供か。ったく、そろそろ雨顧問あたりが泣き出すぞ」
「あー、あの人はなんか申し訳ねぇなー……」
「そしたら哀川あたりがお前を奇襲しに来るぞ」
「それはいいな。返り討ちにしてやりたい」
「……友達、なんだよな？」
「裏切りなんて日常茶飯事だろ？」
「そりゃ、お前の世界だけだ。大体お前は裏切られたことはあるのか？」
「騙されたことなら腐るほど。――そういや、裏切られたことはあんまねぇな」
「ほー。随分信頼されているんだな。」
「過保護なんだよ、あいつらが。そりゃ俺を気にかけてくれるのは嬉しいけどさ。そこまで俺は弱くねぇっての。三流魔術師程度なら俺一人で勝てるってのに。」
「大した自信だな」
「まぁな」
「そういえば、お前の所は組織だろ？組織に裏切り者とかいないのか？」
「裏切り者みたいな奴が何人かいるからな。」
「……よくそれで組織としてもつな？」
「リーダーのカリスマ性が高いんですよ。」
「それは羨ましいものだな。」
葉菊さんがくすりと笑う。

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全然素行悪くないよな、氷河。
というわけで、不良らしい氷河を。

ただのチンピラみたいな思考ではありませんが、格闘家みたいな思考してんなこいつ。
俺より強い奴に会いに行く、みたいな。
学パロ編でバトルが発生したら、嬉々として突っ込むな。

危険すぎる。