コラボ第三弾。
学園パロディで、体育とコスプレを同時にこなしてみたり。
体育祭編。

キャスト
月下美人の不良
瀬戸 氷河
せと ひょうが

最強の現国教師
赤空 葉菊
あかぞら はぎく

平穏を望む主人公
伊勢 零一
いせ れいいち

普通で普通な女子学生
井伊原 友恵
いいはら ともえ

※瀬戸氷河
時計塔で葉菊さんがカレンダーを見て、にやにやと笑っていた。
悪巧みをしているようで気味が悪いから聞いてみた。
「何してるんだ？」
「いやな、もうすぐ体育祭の時期なんだよ、こっちじゃあな」
「体育祭……」
「お前のような運動神経のいい奴には好きな行事だろ？」
「俺はスポーツじゃなくて、本気の殺し合いで動けるようになっただけだって……」
実際、体育祭の競技と殺し合いじゃ全然違うだろ。
「お前にはしてもらいたいこともあるからな。」
「またろくでもねぇことを……」
葉菊さんはただ笑うだけで、何も答えなかった。

「というわけで、体育祭だよ、だよ！」
井伊原さんと伊勢が、俺の机に集まってきた。
ホームルームの時間を利用して、体育祭の参加する種目を決めるらしい。
俺はさっさと最初の短距離走だけ選んで決めた。
他の種目がやりたくなかっただけだ。
綱引きとか力を使うのも嫌だし、借り物とか障害物競争も嫌だし、二人三脚は論外だ。
はぁ、こんなものに付き合うことになるなんて。
「氷河ー、なんだか嫌そうだな」
「つまんなさそうだからな。」
「分かるそれ！私も嫌なんだよね、よね！」
「友恵は、ゲームやりたいだけだろ」
「そうだけど！」
二人のやり取りを聞きながらも、ぼんやりと思い返す。
葉菊さんが、何かを企んでいたことを。
ずっと嫌な予感がしてならないのだけど、今の所は何もない。
それすらもフラグにしか聞こえないのだろうな。
「おい瀬戸！」
急に教室を蹴破って葉菊さんが入ってくる。
突然の乱入に、クラスメイトが唖然としている。
「お前、応援団長やれ！」
「はぁあ！？」
とんでもない発言に驚かされる。
葉菊さんが俺に長ランを見せつけて、ニヒルに笑う。
「氷河が応援団長！？それ、面白そうじゃん！」
「いいじゃん、やりなよ、なよー！」
伊勢と井伊原さんまで、同意する。
「そうだよ、瀬戸絶対似合うって！」
「瀬戸君なら、かっこいいに決まってるよね！」
それに続けて、クラスメイトの連中まではやし立てる。
ふざけんなよ、本当に……！
「俺は嫌だからな！」
ガタリと立ち上がり、強く答える。
すると葉菊さんが黒い笑みを見せる。
「ほほう、お前はここにいる連中の妄想を裏切るのか」
「勝手にしてろよ……！」
「それを実現させてほしいから、こうして盛り上げているのだけど、なぁ？」
「「ヒューヒュー！」」
「……」
何も言い返せないほど、クラスメイトがヒートアップしていく。
全員葉菊さんに踊らされていやがる。
……ああ、ほんとにどうかしてやがる。
「……お前ら、負けるようなことがあったら覚悟しとけよ？」
葉菊さんから、長ランを奪い取り、軽く羽織る。
「「おおおおおお！！」」
クラスメイトが最大の盛り上がりを見せる。
まだ本番じゃないってのに。
「おお、似合ってるじゃないか。」
「はっ、俺に指揮官ってのは向いてねぇけどな！」
「お前が応援団長やるだけで、ここまで士気が上がるのならいいじゃないか。」
またも葉菊さんにしてやられた。
女装なんてするよりは気分はいいけどな。

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ちょっと大きなイベント編。
応援団長氷河。長ランに白手袋。
珍しく男らしい氷河さん。
最初嫌だと言いつつ乗るのだから、やっぱりツンデレ。

負けず嫌いの応援団長のせいで敗北が許されなくなった零一達。
どうなってしまうのか。