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三話です。

※皆神 夏都
俺は留川さんに呼ばれていた。
「どうしたんですか、留川さん。」
「皆神、柊を呼んでこい。」
兵器を弄っていた留川さんは、こちらを見ずにそれだけ伝えた。
「ああ、はい。」
俺はおとなしく柊さんのいるコンピュータルームへと向かった。

「あ、尖宮さん。」
「あ、皆神さん。」
コンピュータルームの前には尖宮さんがいた。
「柊さんいる?」
「ああ、いるよ。ちょっと待って、呼んでくる。」
尖宮さんが、コンピュータルームにいる柊さんを呼んできてくれるみたいだ。
「柊先輩ー、皆神さんがお呼びですー。」
「依鶴、資料持ってきたのか?」
柊さんは、尖宮さんを睨む。
尖宮さんは、忘れてたみたいで冷や汗が流れていた。
「え、ああ、ああ!ちょっと待ってください、すぐそこに…」
「皆神、誰が呼んでるんだ?」
尖宮さんの言い訳を聞かずに、俺に話し掛ける。
「あ、留川さんです。兵器倉庫にいますよ。」
柊さんは分かりやすく溜め息を吐いた。
「依鶴もこのぐらい使えたらなー…。」
「はいぃ!すいません!」
尖宮さんは、今にも土下座する勢いで謝る。
柊さんは、それを気にせずに扉に手をかける。
「皆神、依鶴の仕事見てろ。サボってたら後で伝えろ。」
「あ、いや、俺も兵器修理が残ってるんですけど…。」
「ああ、そうか…。依鶴、資料そこにおいとけよ。いいな。」
「はい!任せてください!」
尖宮さんは、ビシッと敬礼していたが、きっと柊さんには見えてないんだろうな…。
 
「おせぇぞ!皆神!」
「いや、妥当な時間ですよね…。」
文句を言われる場面ではないと思うんだけど…。
「で、どれですか?壊れた奴は?」
「おお、柊!あれだ、あれ!」
留川さんが指差した古びた兵器に、柊さんが近づく。
「…なるほど。なんとかしましょう。」
故障は大したことはなかったらしく兵器修理はすぐに終わる。
留川さんは柊さんの背中を叩く。
「おし!柊、助かったわ。また呼ぶから。」
「留川さんの頼みなら断れないですよ。」
愛想笑いなのかな…。柊さんが笑顔で応対している。
「そりゃ先輩だからか?」
柊さんは、留川さんの問いに即答した。
「はい。」
留川さんは豪快に笑う。
その時に俺が睨まれた気がした。
目が怖いんですけど…。
「それじゃ、俺は忙しいので。」
「そろそろか?」
留川さんが真面目な表情で聞く。
柊さんは何を察したのか、くすりと笑う。
「…その対策を考えてるので忙しいんです。」
柊さんがすぐに出てから、留川さんはぶつぶつと何か呟いていた。
「俺はもう感付くまでになったか…。いや、白河に聞いてくるか。皆神!待ってろ。」
留川さんは兵器倉庫を走り去る。
残された俺は兵器倉庫の見張りを始めた。
あまり意味のない仕事なんだけど。
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