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エリュシオンの二話です。

※井是 黒束
地下の研究室の扉を開けると、光が差し込んだ。
「うわっ…」
「壊されてあいたんだな…。」
上を見上げると本来は天井と床になる部分が壊されていた。
壊れかかった机には、紙がばらばらと散乱している。

「あ、井是さん!」
光が人の形に遮られる。
「亜須磨君!どうかしたのかい?」
上から覗き込む彼は、篝祇亜須磨君。
俺達の後輩だ。
「このあたりで、灯野路也を見てませんか?」
菅谷さんが答える。
「灯野か?俺たちは見ていない。急ぎの用か?」
「そうですか。あ、いえ、お届け物です。」
亜須磨君は、お届け物という荷物を持っていないように見えた。
「見たら連絡しますよー。」
「ありがとうございます。お願いします。」
亜須磨君は一礼して、森の奥に走っていった。
「井是さんも手伝って下さいよ!」
菅谷さんが呼ぶ。
散乱していた紙の整理をしていた。
「あぁ、すみません!すぐにやりますねー。」
ゆっくりと菅谷さんの手伝いをする。

※篝祇 亜須磨
路也は理不尽な奴だ。
自分だけ頼み事を押しつけておいて、何処かへふらふら出ていくとは。
「あ!亜須磨さんだ!」
妹のあさぎちゃんが、俺を呼んでくれる。
「ん?亜須磨?」
休憩していたのか、パンを食べている路也がいた。
路也を見つけたら、どっと疲れが出てきた。
「路也…探したぞ…。」
「ってことは、あれが見付かったのか。」
俺は路也にお届け物を渡した。
見た目はただの綺麗な宝石だ。
「さんきゅ。これ、食うか?」
「もらう。」
路也が出したパンを奪い取る。
パンを食べて休んでいると、不意に俺の携帯が鳴る。
出ると、白河さんの声がした。
『亜須磨、灯野の居場所知らないか?』
「今、目の前にいますが。」
『急ぎの用だ、帰れ、と伝えろ。』
「はい。」
すぐに切られた。
電話の内容が気になるのか、路也は俺を見ていた。
「路也、白河さんが急ぎの用だ、帰れってさ。」
それだけで路也は理解したのか、あさぎちゃんを呼んだ。
「白河さんに呼ばれちゃしょうがねぇな。先に帰る。」
「お兄ちゃん?」
「あさぎ、本部に戻るぞ。」
「うん、分かった。じゃあね、亜須磨さん。」
あさぎちゃんが、手を振ってくれた。
そこまで見かけは幼いわけじゃない彼女は、まだ子供のようだ。

さて、俺はまだ用がないようなので、ゆっくり歩くとしよう。
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