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きゅうりできゅー編。
きゅー。
きゅー。
・きゅうりできゅー
※瀬戸氷河
本部までこの小河童を連れてきてしまった。
とりあえず、来鈴さんという良識ある人物に相談したい。
恐る恐る本部への扉を開ける。
幸いにも受付をしている彼女しかいない。
「あら、お帰りなさい」
「来鈴さん、相談がある」
「相談?」
俺は彼女に小河童をみせる。
河童はきゅーとないた。
「え、なにかしら、これ……?」
戸惑う来鈴さんに、丁寧に説明をする。
「街で拾った小河童だ。きゅうり食ってたから間違いない。で、こいつは妖怪なんだが、何故かあの山には帰りたくないらしいんだ」
「きゅー」
物欲しそうな目で来鈴さんを見ている河童。
「山に帰りたがらない河童……?で、なんとなくここに連れてきちゃったの?」
「なんとなくっていうかさ、ほっといたら心配、だろ……?」
「……氷河さんはお優しいわね」
来鈴さんが、呆れたように言う。
「きゅー!」
河童が手を伸ばす。
きゅうりを催促していたのか。
彼女が、受付の椅子から立ち上がる。
「待ってて。キッチンからきゅうりを少しとってくるから」
「ありがとな、来鈴さん」
「そういうの飼ってもいいけど、自己責任でお願いね」
と、きつく言われてしまった。
来鈴さんから、きゅうりを何本か貰ったあとに、自分の部屋に連れ帰った。
机に置いた河童は、嬉しそうにきゅうりを食べている。
「ほんと、食い意地はってんな」
それとも山から逃げ出したことに喜んでいるのだろうか。
この河童には、何を聞いてもきゅーという返事しか返ってこないからな。
事情を聴くことはできない。
けれど、逃げ出したいと言う願望は分からなくもないんだ。
来鈴さんから貰った袋を机に置く。
「きゅうりの山そこにおいとくから、な……」
勝手に食ってろ、と呟き、俺は机に突っ伏した。
「ひょーがー!これ、なんなんだよー!」
「ん……?」
恭二の声で目が覚めてしまった。
すると、恭二が河童を指差して驚いていた。
寝ぼけたまま俺は答える。
「かっぱだけど」
「カッパぁ!?えー、かわいいー!」
恭二は河童を手に乗せると、子供のように目を輝かせている。
「きゅー」
「うわ、ないた!」
「いきてんだから当たり前だろ」
「え、でも、氷河が起きるまではずっとなかずに机の上歩いてたよ!?」
なかないときもあるのかこの河童。
俺は袋からきゅうりを取りだし、河童に渡す。
「きゅーちゃん、かわいいー!」
恭二の手の上で、きゅうりを食う河童。
それに喜んでいた。
「きゅーちゃん?」
「きゅーってなくからきゅーちゃん!」
恭二のネーミングセンスは相変わらずだ。
呆れてため息しか出てこない。
「いいけどさ……。あんまそいつで遊ぶなよ?」
「氷河のペットなんでしょ?大丈夫だって!俺のペットが氷河だし!」
「なにいってんだ恭二」
俺にペットが出来てしまったようだ。
-------------------
きゅーきゅー。
※瀬戸氷河
本部までこの小河童を連れてきてしまった。
とりあえず、来鈴さんという良識ある人物に相談したい。
恐る恐る本部への扉を開ける。
幸いにも受付をしている彼女しかいない。
「あら、お帰りなさい」
「来鈴さん、相談がある」
「相談?」
俺は彼女に小河童をみせる。
河童はきゅーとないた。
「え、なにかしら、これ……?」
戸惑う来鈴さんに、丁寧に説明をする。
「街で拾った小河童だ。きゅうり食ってたから間違いない。で、こいつは妖怪なんだが、何故かあの山には帰りたくないらしいんだ」
「きゅー」
物欲しそうな目で来鈴さんを見ている河童。
「山に帰りたがらない河童……?で、なんとなくここに連れてきちゃったの?」
「なんとなくっていうかさ、ほっといたら心配、だろ……?」
「……氷河さんはお優しいわね」
来鈴さんが、呆れたように言う。
「きゅー!」
河童が手を伸ばす。
きゅうりを催促していたのか。
彼女が、受付の椅子から立ち上がる。
「待ってて。キッチンからきゅうりを少しとってくるから」
「ありがとな、来鈴さん」
「そういうの飼ってもいいけど、自己責任でお願いね」
と、きつく言われてしまった。
来鈴さんから、きゅうりを何本か貰ったあとに、自分の部屋に連れ帰った。
机に置いた河童は、嬉しそうにきゅうりを食べている。
「ほんと、食い意地はってんな」
それとも山から逃げ出したことに喜んでいるのだろうか。
この河童には、何を聞いてもきゅーという返事しか返ってこないからな。
事情を聴くことはできない。
けれど、逃げ出したいと言う願望は分からなくもないんだ。
来鈴さんから貰った袋を机に置く。
「きゅうりの山そこにおいとくから、な……」
勝手に食ってろ、と呟き、俺は机に突っ伏した。
「ひょーがー!これ、なんなんだよー!」
「ん……?」
恭二の声で目が覚めてしまった。
すると、恭二が河童を指差して驚いていた。
寝ぼけたまま俺は答える。
「かっぱだけど」
「カッパぁ!?えー、かわいいー!」
恭二は河童を手に乗せると、子供のように目を輝かせている。
「きゅー」
「うわ、ないた!」
「いきてんだから当たり前だろ」
「え、でも、氷河が起きるまではずっとなかずに机の上歩いてたよ!?」
なかないときもあるのかこの河童。
俺は袋からきゅうりを取りだし、河童に渡す。
「きゅーちゃん、かわいいー!」
恭二の手の上で、きゅうりを食う河童。
それに喜んでいた。
「きゅーちゃん?」
「きゅーってなくからきゅーちゃん!」
恭二のネーミングセンスは相変わらずだ。
呆れてため息しか出てこない。
「いいけどさ……。あんまそいつで遊ぶなよ?」
「氷河のペットなんでしょ?大丈夫だって!俺のペットが氷河だし!」
「なにいってんだ恭二」
俺にペットが出来てしまったようだ。
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きゅーきゅー。
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