忍者ブログ
一次創作ファンタジー小説中心サイト。 このサイトにある全ての小説の無断転載は禁止しています。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

上機嫌な氷河。

・ドリップスタンド
※津川朋康
昼間にふらり食堂に立ち寄ると、上機嫌でコーヒーを飲む氷河がいた。
いつも不機嫌そうか辛そうな氷河しか見てない俺は、その珍しさに引き寄せられてしまっていた。
「どうしたんですか、氷河さん」
「ん?津川さん?」
「顔、にやけてますよ」
「え、そうか?」
氷河の対面に座る。
コーヒーの入ったカップを置くと、機嫌よく話始めた。
「さっき、藤野さんからいい豆のコーヒー貰ったんだよ。飲んでみたら昔飲んでた味に近かったから、うまくてさ!」
「幼い頃から高級なもの飲んでると肥えるよね」
俺には違いとかよさとかさっぱり分かんないよ。
「津川さんも一杯飲みます?」
「え、俺なんかがいいの!?」
「いいですよ、俺、入れてきますね」
「しかも氷河が入れるの!?」
申し訳なさすぎるよ!
え、俺、恭二に怒られないかな?
しかし、ドリップする氷河の手つきが慣れてる。
俺はいつもインスタントで済ませてしまうから、ドリップ下手なんだよな。
すぐに氷河が俺の分のコーヒーを用意してくれた。
「ほら、飲んでみろって」
「……俺、怒られないかな?いろんな人に」
「なに気にしてんだよ、津川さん」
氷河がくすくすと笑う。
恭二達の言う可愛いってのが、分かってしまいそうだ。
「いただきます」
意を決して氷河が入れたコーヒーを飲む。
一口飲んだだけでも、インスタントと圧倒的に差があることが分かる。
「……うまい」
「だろ?」
氷河も自分の分を入れていたようで、上品に啜る。
俺は氷河の仕草に見惚れてしまう。
「氷河の好みって、こんなにハードル高いんだね……」
「まずいよりは、うまいもん食いたいだろ。」
「そうだけどさ……氷河って貴族的に見えないから、驚いちゃうんだよね」
「……そう、か?」
首をかしげる氷河。
そんなに鋭い人は滅多にいないんだから。
「だっていつも無茶するし、手が出るの早いし。」
「それは……っ」
「氷河は今みたいに笑ってる方がいいよ。俺も、安心するから」
俺の言葉に呆気に取られる氷河。
でもすぐに満面の笑みで答えてくれた。
「ああ、津川さんが言うならそうしてやるよ」
笑ってる方が氷河はいいよ。
いつも不機嫌そうか苦しそうだったから。

-------------------
コーヒー全く飲めない人が書くとこうなる。

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
プロフィール
HN:
天草八津芽
性別:
女性
自己紹介:
BLでファンタジー小説が多いです。
ひっそりひそひそ書いてます。
ツイッター
メインアカウント(妄想ばかり)


オリキャラ紹介bot
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
P R

Copyright © [ 妄想の隠れ家 ] All rights reserved.
Special Template : 忍者ブログ de テンプレート
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]