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コラボ第三弾。
思い立ったが吉日。時系列なんてぶっ壊せ。
テスト編。

キャスト
月下美人の不良
瀬戸 氷河
せと ひょうが

平穏を望む主人公
伊勢 零一
いせ れいいち

最強の現国教師
赤空 葉菊
あかぞら はぎく


※伊勢零一
今週から、中間テストが始まった。
俺達学生にとって憂鬱なイベントだ。
友達とテスト範囲を確認し合ったり、ギリギリまで嘆いている者までいる。
俺達はもう二年目のテストだし、慣れてるっちゃ慣れてるけど、転校してきたばかりの氷河はどうなんだろう。
釣木学園のテストは他と変わってないと思うんだけど、学校が違うってだけでシステムが何もかも違うらしいからな。
困ってそうだったら助けるか、と思いふと彼の席を見てみる。
氷河は、真面目に教科書を読んでいた。
だが、すぐに「いみわかんねー……」と項垂れていた。
大丈夫か、あいつ。
氷河の所にいこうと思ったが、チャイムが鳴ってしまったので自分の席に着いた。

※瀬戸氷河
非常に退屈な一週間だった。
テストのおかげで学園も早上がりとなり、時計塔に籠る時間が増えただけ。
末沢さんはなんだか必死に教科書やノートを見ていた。
あまりにも真剣だったので、俺は何も言わなかったが、あんたいくつだよ、とツッコミたくなった。
テストだなんて何年ぶりだろうか。学生の本分で青春まっただ中じゃないか。
ってか、意味わかんねーよ。なんで俺が成績試されてんだよ。
故郷でも俺の成績はいい方だった。
そうしとけば、基本的に文句は言われないからだ。
だからって、その為に必死に勉強したわけでもない。
だいたい教師の出したそうな問題を覚えるだけだ。
それはどこの世界だって同じだと、返ってきた答案を見て確信した。
「氷河、テストどうだったよ?」
「ん」
答案を返している最中、零一がにやにやしながら聞いてきたので、先ほど返ってきたばかりの答案を見せる。
「98点……だと……?」
俺の答案をみた零一が絶句する。
「教師の出したそうな問題想像すればこんなもんだろ。最初だから癖がつかめなかっただけだ」
「お前の言ってることは次元が違う。」
「そうか?」
「いや、普通そんな高得点取れないだろー!ずりぃぞ、氷河!」
「ずるいもなにも、実力だろ……」
全員分の答案を返しきったようで、席につけーと教師が呼びかける。
負け惜しみに零一が一言言う。
「全部返ってきたら見せろよ!いいな!」
「分かったよ」
全員が席に着いた後、教師はテストの解説を始めたが、その間俺は寝ていた。
興味もないからな。

※伊勢零一
確かに普段空見てて、全然ノートに文字書いてないのに、当てられたらピタっと当てるなーとは思ってたんだよ。
まさか本当に頭のいい奴だとは。
後日、全ての科目の答案が返ってきたので、昼休みに氷河のを見せてもらうことにした。
氷河がなんでもないように出した答案はどれも高得点だった。
最低でも80点台。こいつは天才か。
その天才はこう語る。
「だからさ、テストなんてのは普段の授業の総まとめみてぇなもんなんだよ。教師の心理としては覚えていて欲しいと望むものを問題にしたがる傾向があるだろ。それだけ暗記すればこのぐらいは簡単にとれる。たまに葉菊先生みたいに意表をつく教師もいるが、それでも応用ってぐらいだ。最低限の事を覚えときゃなんだって出来るよ」
真面目に勉強している奴を踏みにじるかのような言葉だ。
「それが出来たら苦労しないって」
ため息をついて、昼飯を食う。
氷河に勉強教えてもらおうとも考えたが、きっと理解出来ないだろう。
氷河のやり方はちょっと次元が違う。
「零一だってやりゃ出来んだろ」
「簡単に言ってくれるけど、ふつー無理だからな」
「普通……か」
氷河が自嘲する。
そして、無意識でか小さな声で呟いた。
「だから、俺は嫌われてんのかもな……」
「ん?どうしたんだよ、氷河?」
「こっちの話だ。それよりもういいだろ?これ」
氷河が答案を机の中にしまう。
それから、思いつめたようにぼんやりしていて話にならなかった。

※瀬戸氷河
『人の真似が出来る故に人ではなくなる。模倣を極め始めた君はもう人間じゃない。化け物だよ。血も相成ってね。だから僕は君が嫌いだ』
随分前に言われた言葉を思い出してしまった。
ここではなく、本部内で言われた言葉だ。
確かに俺は恨まれやすいが、はっきり拒絶され嫌われたのはあの人が初めてだ。
人間を好み、それ以外を嫌う人だから、血のせいで俺を嫌っていたのは知っていた。
模倣を始めてから、普通じゃなくなってから、明確に嫌われた。
恨まれると嫌われるってのは違う。
恨まれるのは俺の血が原因だ。そんなのは血の歴史のせいであって俺のせいではない。
理不尽な八つ当たり。そうとしか感じない。
だが、嫌われるってのは俺自身を否定されることだ。
恨む連中は俺の事なんて見向きもしない。
けれど、あの人は俺の性格を大体把握したうえで嫌いだといった。
人に嫌われたのはあの人が初めてだ。
はっきり告げなかっただけで、俺を嫌っていた人間は恐らくいただろう。
故郷にいた頃から、俺は恨まれやすく、絡まれやすかったし。
釣木学園に来てから、嫌々学園生活を演じていたが、零一に言われて思い出した。
俺は普通じゃない。
釣木とは適合しない。つまり、イレギュラーな存在なわけだ。
葉菊さんと魔術師共が無理やり俺をここに閉じ込めているだけだ。
いつかはここから出なくてはならない。いや、脱出してみせる。
釣木学園の連中を裏切ってでも。
俺の居場所は、本部という組織なのだから。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ギャクかと思ったらシリアルだった。
最後の語りのあの人は人間至上主義の木津樹。

氷河が腹立つ話。
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