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FF13のサンレス水郷がいい曲だった記念。

いつものバカップル。

・青い空に
※瀬戸氷河
この世界に環境のいい場所なんてない。
緑豊かな平原だとか美しい湖だなんてものはない。
代わりにあるのは、大国が滅びた後の荒野だとか薄暗く気味悪さを感じる森ぐらいのものだ。
俺の故郷は少しは自然があった気がするが、なくなってしまった。
きっと本部の人に聞けば、自然がまだ残っている場所もあるのだろう。
それを知らない俺達が選んだ安らぎの場所は、故郷の壊れた教会だった。
俺と恭二はまだ状態のいい椅子に座りながら、空を見上げた。
雲一つない青い空。
足元を見なければ、平和で綺麗な風景だ。
「空、綺麗だね」
「そうだな……。」
恭二が俺の手を強く握る。
「なんでここは、こんなに荒れちゃったんだろ」
「吸血鬼が来たからだ、しょうがねぇだろ」
「でもさ、吸血鬼が来る前は、ここも綺麗な場所だったんだよ。氷河が読んでた本でみたような景色だったんだよ」
「知ってる。」
自然豊かな場所とは言えないかもしれないが、緑のあった場所だった。
そこで俺達はずっと遊んですごしていた。
時に芳示と喧嘩したり、恭二の悪戯に巻き込まれたり、丙と寝転がったりもした。
そんな暖かな場所だったのに、一瞬でこのざまだ。
もう草も映えず、壊れた家や教会が無残に放置されている。
「皆は、空が見えてるのかな」
「?」
「俺達の世界はこんなにも荒れてて、血が絶えないけどさ。空だけは綺麗なままじゃん。荒れた世界ばかりじゃなくて、この空を見てほしいなって思うんだよ。」
「恭二……」
「当然氷河にも!綺麗だろ?」
「ああ……綺麗だよ。」
「氷河も、みんなも、足元見過ぎなんだよ。たまには上を向いて歩こうぜ!」
「恭二がそうやって誘えば?来てくれると思うぜ」
「よっしゃ、そうだな!あの荒野でもいいから、行こう行こう!」
恭二が勢いよく立ち上がる。
手をつないでいた俺も引っ張られて立ち上がる。
腕をぶんぶんを振りながらも、故郷を後にした。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
目指せ、さわやかな話。

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