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思い悩む話。

ひぐらしのEDでも聞きながら。

・選択
※瀬戸氷河
また、俺を狙ってきた人間を撃ち殺す。
無感情に、さも当然かと言わんばかりに。
人の声がしなくなってから気づく。
俺の選択は、答えは正しかったのだろうか。
この人間は殺さなくてもよかったんじゃないだろうか。
道徳的に言わせれば、俺の行動は間違っている。
正当防衛だとしてもやりすぎだろう。
けれど、あいつらだって間違っていると言えるだろう。
俺を利用しようとしたんだ。
利用して、散々弄んで捨てるつもりだったのだ。
どちらも間違っているのなら、どう答えを出せばよかったのだろう。
殺すのは、正しかったのだろうか。
--正しいのだろう。
そうしなければ、俺がそうなっていたのだから。
誰だって自分の身が一番可愛いんだ。
俺は、死にたくない。
生きるためなら、なんだってやってやる。
それが大量殺人になろうとも。
大事な人を守れるなら、俺は闘う。
罪を背負って生き延びる。
というのが、俺の持論。
人によっては、間違いだと言う選択もするだろう。
どんな理由があれど、人を殺すなんて出来るわけがないと甘い言い訳を吐きながら。
それは幸せだから、そんなことが言えるんだ。
自分の身に危機が起こったことがないから、言えるんだ。
今さらそんな連中と同じにはなれない。
戻れないほど、俺の手は血に染まってしまった。
いくら治癒術でなかったことに出来たって、血に染めた事実は消えない。
それに人の命までは戻せない。

長いことここにいたせいか、心配していた丙に見つかってしまった。
「どうしたの?」
「いや……、悩んではない。答えに疑問を抱いただけ」
丙は、それだけで何を察したのか俺を抱き締める。
「氷河は、間違えてないよ」
「……丙」
「それは、氷河が選んだことなんだから」
「……察しよすぎ、だろ」
がしゃん、と銃を落とした。

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迷う話。

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