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友人に捧げた短編集。
今回は、ハーレムをテーマに書いてみました。

ミシア・ガブリエル編。

※瀬戸氷河
教会の中に入ってみれば、大きなステンドガラスの前にミシア・ガブリエルが立っていた。
天使の階級で言うなら四大天使ガブリエルの名を持つらしい。
四大天使っていわば四天王だよな。
四天王と言ってしまうと途端に弱く聞こえてしまうな。
「あら、いつぞやの神血じゃないですか。我らが神を降ろす為の贄になって頂けるのですか?」
「なるわけねぇだろ。」
はっきりいうが俺はミシアが嫌いだ。
以前に神をこの場に降ろすと言って教会のシスター全員を生贄に捧げようとしたことがある。
神の代替えである神血の生贄を探し求めていた天使は、シスターだけでは足りないといい、俺も狙われた。
恐らくミシアも計画の邪魔をした俺の事が嫌いだろう。
セリティナが間に入って、俺たちを宥める。
「そーですよ、三奈美ちゃんいますか?」
「三奈美ならまだ戻っていないわよ」
「そうですか……」
「それよりも」
ミシアが腕を組んで、微笑む。
セリティナはそれだけで何かを察したのか、彼女から目を逸らす。
「セリティナ、また街をふらふらと歩いていたのですね?」
「あ、いや、えーと……」
「外の見回りにしては時間がかかりすぎているわ。私はあなたを遊ばせるために外に出したのではないのよ。」
「ひぃぃ、ごめんなさーい!」
セリティナが逃げ出して、教会の奥の部屋に入ってしまった。
ミシアはため息をついて、俺の方を見やる。
「セリティナはまだ不真面目な子供なのですから、たぶらかされては困るわ。」
「絡んできたのは、あいつが先だ」
「そうやって、巻き込まれたのだと言い訳をするのね」
「事実だけどな」
教会の長椅子に座る。
ミシアが、偉そうに俺の正面に立つ。
「で、どうせ暇なのでしょう?三奈美の為です。貴方に説法を解いてあげましょう」
説法って仏教を説く時に使う言葉だよな……?
「説法と言ったって、別に難しい話をするわけではないわ。三奈美と付き合え、さもなくば死ねという話をするだけです」
「ははぁ、俺に喧嘩売ってんのかてめぇ」
「当然です。三奈美に辛い思いをさせているのは貴方のせいでしょう?貴方が中途半端な気持ちで三奈美を守っているから、その分三奈美が辛いのです。」
「…………」
「貴方は三奈美をどう思っているのですか?」
「ストレートに聞くんだな……」
茅野を心配する天使の気持ちは分かる。
だからこそ、俺も誠意に答えなくてはならない。
「茅野の事は――心配なんだよ。」
「心配、ってだけなのね?気になるとかそういう感情はないのね?」
「……俺が気にしてるのは、吸血鬼だけだ」
「やっぱり、貴方は死ぬべきね」
ミシアが弓矢を取り出す。
「今すぐこの矢で貫いてやりたいぐらいだわ。別に神血は生きていなくてもいいもの。その血だけがあれば十分なのよ。分かってるのかしら?」
「俺が大人しく殺されると思ってんのかよ」
「ふん、どうかしらね?」
数秒の睨みあい。
どちらが先に動いてもおかしくはない。
ミシアが弓矢を構えれば、俺が先に撃ち抜く。
一触即発、ってやつだろう。
「ストーップ!なにしてんですか、二人とも!」
セリティナが慌てて間に割って入る。
「あらセリティナ」
「どうしたんだよ?」
「二人とも怖いから!殺気出さないで!」
セリティナがミシアを押して、俺との距離を離す。
その時のセリティナは怯えきっていた。
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