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友人に捧げた短編集。
今回は、ハーレムをテーマに書いてみました。
セリティナ・アーク編。
今回は、ハーレムをテーマに書いてみました。
セリティナ・アーク編。
※瀬戸氷河
人は天使にどのような夢を抱くのだろうか。
善の心を解く女神だとでも思っているのだろうか。はたまた悪魔と対立するヒーローだとでも思うのだろうか。
けれど、この世界の現実では違う。
この世界の天使は、人をゲームの駒だとしか思わない神様至上主義で世間知らずだ。
街の広場にある噴水。
そこで流れる水を見ている女性がいた。
セリティナ・アーク。
天使の階位には9段階あるらしく、そのうちの8位が彼女の所属するアークエンジェル。
軍隊で例えるなら、隊長ぐらいだろうか。
興味があれば9の階位を全て覚えて、四大天使も神についても調べ上げてしまうのだろうが、そんなことをする物好きは、バーチャルでもゲームでも悪魔や神話に魅入られたやつぐらいだろう。
カルト好き一歩手前の奴な。
って、こんな話はどうでもいいんだよ。
そのセリティナに覚えられてる俺は、彼女に声をかけられてしまったんだ。
「あー、氷河さんだー!教会に御用ですか!?」
「全然用ねぇから!」
セリティナに関わりたくないので、逃げ出そうとしたが捕まってしまった。
距離は結構空いていたはずだが、足の速い天使だ。
「氷河さん、つれないなぁ、話でもしようよ!」
「別に話すことなんかねぇだろ!?」
「あるわよ、三奈美の事で!」
「茅野?」
俺が茅野の名前に反応すると、セリティナは更に迫ってくる。
「そうですよ!三奈美ちゃんの事どう思ってるの!?」
「な、なんの話をしようとしてんだ、お前は!」
「そんなすっとぼけないで!さぁ、この泉に愛を誓って!」
「それはそういう噴水じゃねぇだろ!」
この天使は、地上を楽しみすぎてる。
仕事で来たんじゃないのか、こいつは。
噴水前のベンチに二人で座る。
改めてセリティナは先ほどの質問をする。
「で、三奈美ちゃんのことどう思ってるんですか?」
「茅野の事は、心配だと思ってる。騙されやすそうな奴だし。」
「ずっと守ってあげたいって思わないの?」
「それはないな。第一、俺は吸血鬼の物だ。」
セリティナがはぁ、とため息をつく。
「またその言葉。別にあの吸血鬼に契約をしたわけでもないし、縛られているわけでも、弱みを握られているわけでも、洗脳されて服従しているわけでもないのに、どうしてそこまで言えるのよ。」
散々な言い様だ。
彼女の描く吸血鬼はどれほどの力の持ち主なのだろうか。
「俺が決めたからだよ。恭二には何もされてない――いや、それは嘘になるが、それでも俺自身がそう決めた。」
「それがよくわからないのよねぇ。」
「お前らには一生わかんねぇよ。テンプレートのような愛を語るだけの連中にはな」
「はぁ、氷河さんが愛を語りますか。我々天使に向かって」
「んだよ、文句あるのか?」
「それは、ミシア様への挑戦状と受け取りますよ?」
「売られた喧嘩は買うぜ?」
「そういう暴力沙汰の話じゃないから、ね。どうしてそう氷河さんは恐ろしい方にしか物を考えられないかなぁ。」
「望んでるから、だろうな。さっさと天使とけりがつけられるならそれ以上の事はねぇよ」
二度と俺に関わらないと従わせて完全勝利だな。
何度か天使ともめたことはあるが、勝敗はいまだについていない。
「そんなに嫌いかなぁ」
「天使ってのは、ろくでもない連中ばかりだ。」
「こっちにだって事情はあるんだよ」
「分かってる。けど、俺がその事情の為に動く理由はない」
「冷たい言い方だなぁ。」
セリティナがだんだんと落ち込んでいく。
彼女はまだ純粋な方なのだろう。
仕事に来たはずなのに、純粋に人の作り出したものを楽しんでいた。
好奇心が強いのか、子供のような女だ。
だからこそ、俺はまだ好感をもてるのかもしれない。
「俺は、天使の物じゃなくて吸血鬼の物だから、な。」
セリティナは、再びため息をつく。
「そんなに愛されちゃ敵わないよ。氷河さんに愛されてるあの吸血鬼は幸せ者だね。でも……」
セリティナは、強引に俺の手を引く。
彼女が勢いよく立ち上がれば、俺も引っ張られる。
「教会に行きましょう!三奈美がきっと待っているわ」
そのごり押す執念はなんなんだよ。
人は天使にどのような夢を抱くのだろうか。
善の心を解く女神だとでも思っているのだろうか。はたまた悪魔と対立するヒーローだとでも思うのだろうか。
けれど、この世界の現実では違う。
この世界の天使は、人をゲームの駒だとしか思わない神様至上主義で世間知らずだ。
街の広場にある噴水。
そこで流れる水を見ている女性がいた。
セリティナ・アーク。
天使の階位には9段階あるらしく、そのうちの8位が彼女の所属するアークエンジェル。
軍隊で例えるなら、隊長ぐらいだろうか。
興味があれば9の階位を全て覚えて、四大天使も神についても調べ上げてしまうのだろうが、そんなことをする物好きは、バーチャルでもゲームでも悪魔や神話に魅入られたやつぐらいだろう。
カルト好き一歩手前の奴な。
って、こんな話はどうでもいいんだよ。
そのセリティナに覚えられてる俺は、彼女に声をかけられてしまったんだ。
「あー、氷河さんだー!教会に御用ですか!?」
「全然用ねぇから!」
セリティナに関わりたくないので、逃げ出そうとしたが捕まってしまった。
距離は結構空いていたはずだが、足の速い天使だ。
「氷河さん、つれないなぁ、話でもしようよ!」
「別に話すことなんかねぇだろ!?」
「あるわよ、三奈美の事で!」
「茅野?」
俺が茅野の名前に反応すると、セリティナは更に迫ってくる。
「そうですよ!三奈美ちゃんの事どう思ってるの!?」
「な、なんの話をしようとしてんだ、お前は!」
「そんなすっとぼけないで!さぁ、この泉に愛を誓って!」
「それはそういう噴水じゃねぇだろ!」
この天使は、地上を楽しみすぎてる。
仕事で来たんじゃないのか、こいつは。
噴水前のベンチに二人で座る。
改めてセリティナは先ほどの質問をする。
「で、三奈美ちゃんのことどう思ってるんですか?」
「茅野の事は、心配だと思ってる。騙されやすそうな奴だし。」
「ずっと守ってあげたいって思わないの?」
「それはないな。第一、俺は吸血鬼の物だ。」
セリティナがはぁ、とため息をつく。
「またその言葉。別にあの吸血鬼に契約をしたわけでもないし、縛られているわけでも、弱みを握られているわけでも、洗脳されて服従しているわけでもないのに、どうしてそこまで言えるのよ。」
散々な言い様だ。
彼女の描く吸血鬼はどれほどの力の持ち主なのだろうか。
「俺が決めたからだよ。恭二には何もされてない――いや、それは嘘になるが、それでも俺自身がそう決めた。」
「それがよくわからないのよねぇ。」
「お前らには一生わかんねぇよ。テンプレートのような愛を語るだけの連中にはな」
「はぁ、氷河さんが愛を語りますか。我々天使に向かって」
「んだよ、文句あるのか?」
「それは、ミシア様への挑戦状と受け取りますよ?」
「売られた喧嘩は買うぜ?」
「そういう暴力沙汰の話じゃないから、ね。どうしてそう氷河さんは恐ろしい方にしか物を考えられないかなぁ。」
「望んでるから、だろうな。さっさと天使とけりがつけられるならそれ以上の事はねぇよ」
二度と俺に関わらないと従わせて完全勝利だな。
何度か天使ともめたことはあるが、勝敗はいまだについていない。
「そんなに嫌いかなぁ」
「天使ってのは、ろくでもない連中ばかりだ。」
「こっちにだって事情はあるんだよ」
「分かってる。けど、俺がその事情の為に動く理由はない」
「冷たい言い方だなぁ。」
セリティナがだんだんと落ち込んでいく。
彼女はまだ純粋な方なのだろう。
仕事に来たはずなのに、純粋に人の作り出したものを楽しんでいた。
好奇心が強いのか、子供のような女だ。
だからこそ、俺はまだ好感をもてるのかもしれない。
「俺は、天使の物じゃなくて吸血鬼の物だから、な。」
セリティナは、再びため息をつく。
「そんなに愛されちゃ敵わないよ。氷河さんに愛されてるあの吸血鬼は幸せ者だね。でも……」
セリティナは、強引に俺の手を引く。
彼女が勢いよく立ち上がれば、俺も引っ張られる。
「教会に行きましょう!三奈美がきっと待っているわ」
そのごり押す執念はなんなんだよ。
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