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甘ったるい話を。


・アイス交換会
※瀬戸氷河
「ほら、恭二」
恭二に頼まれていたアイスを渡す。
いくつか買ってきたけど、どれもカップアイスだ。
「おー!ありがとー、氷河ー!」
そのビニール袋を受け取った恭二はさっそく一つ開けた。
炎天下にいたせいか、少し溶けていた。
「やっぱ夏はアイスだよなー」
プラスチックのスプーンを取りだし、早速一口食べる。
恭二は甘いの好きだからな。
嬉しそうな表情をしているだけで、俺まで嬉しくなる。
「なぁ、氷河も食べてみない?」
「俺はいいよ。甘いの嫌いだし」
「いいから」
俺の言葉を聞かずに、恭二はスプーンでアイスをすくい、こちらに向ける。
「はい、あーんって」
なんでそんな恥ずかしい真似を……。
と、思いながらも一口食べる。
甘ったるいバニラの味が広がる。
「甘いな……」
「それがいいんだって!」
恭二がもう一回といいながら、スプーンにアイスをすくうので、もういい!と強くいった。
「さっきのだって、恥ずかしいんだからな……」
「氷河が顔真っ赤にしながら、俺のアイス食べてくれたの超よかった」
「う、うるせぇよ……」
顔から火が出そうだ。
恥ずかしくて恭二から目をそらすと、恭二はにやにやと微笑む。
「氷河はほんと可愛いなー。」
「なんだよ、もう」
「そうやって、可愛いことばっかするから」
「恭二のせいだろ……」
とっくにアイスを食べ終えていたらしい恭二が俺に抱きつき、キスをする。
「……っ、ふ……はぁ、っ……」
息を求めるように声が漏れる。
恭二の唇が離れた後も、甘いアイスの味だけが残った。
「甘いんだよ……恭二……」
「だって、アイス食べてたもん」
「だから、俺、甘いの嫌いだって言っただろ」
「俺は氷河を甘くしたいの」
「いみ、わかんねーよ」
「じゃ、教えてあげるから、氷河はされるがままでいて?」
「しょうがねぇな……好きにしてくれ」

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