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甘ったるい話を。二回目。

・アイス交換会~和心
※瀬戸氷河
恭二に付き合ってアイスを食べていた所から抜け出して、食堂に向かうと雨境が俺を呼んだ。
「氷河ー、どうしたの?」
「口直しだ。アイス甘ったるいんだよな……」
適当にコップを用意し、アイスコーヒーを注ぐ。
雨境の向かいに座ると、こいつもアイスを食べていた。
「へぇー、恭二に食べさせられたの?」
「食ってみろって、差し出された」
「それってさ、あーんしてーって感じで?」
からかうように雨境は聞くが、事実だ。
思い出すだけで、恥ずかしくなって顔を伏せる。
「そ、そーだよ……」
「なんだよ、恥ずかしそうにしちゃって可愛いなー」
「うるせぇ!あんなのっ、恥ずかしいに決まってるだろ……!」
雨境はにやにやと笑っている。
ああ、からかわれててムカつく。
伏していると、雨境が声をかけた。
「氷河」
顔をあげると、雨境がスプーンに抹茶アイスを乗せてこちらに向けている。
「あーんして?」
「俺、甘いの嫌いなんだけど」
「大丈夫だって、抹茶はちょいと渋いから」
「……そういう問題じゃなかったな」
「早くしてよ、アイス溶けちゃう」
「分かったよ、くそ……」
雨境のスプーンから抹茶アイスを食べる。
バニラよりは甘くないけど、抹茶だって甘いじゃねぇか。
「……っ、甘い」
「氷河マジで可愛い、んだけど」
何故かあーんをさせた雨境までも、顔が赤い。
「お前が恥ずかしいことさせるからだろ!」
「だって、恭二だけが独占ってずるいじゃん!俺だって氷河にあーんさせたかったのー!」
「馬鹿か、お前は!」
雨境がまたアイスを一口食べる。
俺は余っていたアイスコーヒーを一気に飲み干した。
「ねぇ」
「あぁ?」
「恭二のとどっちがおいしかった?」
雨境は笑顔で質問をする。
嫉妬心が詰め込まれた質問だ。
「いいや、恭二のと俺の、どっちが甘くて幸せだった?」
「--ずるい質問だな」
「俺だって氷河が好きで真剣なんだから。答えてよ。」
真剣に言われてしまっては、答えるしかないだろう。
「恭二のがよかった」
答えを聞いた雨境は、ショックというより、不敵に笑った。
「そう言うと思ってたよ。じゃなきゃ略奪のしがいがないからな」
雨境がテーブルの上に膝をつく。
猫のような姿勢で、俺に近付く。
「いつか絶対、俺の方がよかった、って言わせるから」
「はっ、ありえねぇ話だ」
「ほんとーに、そうかなぁ?」
雨境は怪しく笑い、耳元で囁く。
「キスも、何もかも、俺の方がうまいでしょ?ほら、忘れちゃったの?俺が氷河を奪うって言ってキスしたときとか、襲ったときのこと」
「な、っ……」
言われると、その瞬間を思い出してしまう。
「動揺しちゃって可愛いなぁ。氷河が癖になって俺を求めるまで、してあげるから」
「そんなの、あり得ない」
「どうかなぁ?氷河が快楽に溺れちゃったらわっかんないよ?」
「俺が溺れるわけないだろっ!いいから離れろ雨境!」
雨境は離れるどころか抱きついてきた。
押し返そうにも、雨境に押さえられている。
「やだよ。氷河は俺のものになるまで離さない」
「雨境……ッ!」
椅子から落とされ、背中を打った。
完全に押し倒されている状態になってしまった。
「なんなら、いまここでやっちゃう?まぁ、宮代に見つかんなきゃいいでしょ。ぞくぞくしない?こういうの」
「誰が……っ、するか!」
「ああ、もう氷河の抵抗大好き。煽られてるみたいで、たまんないわ。」
「頭おっかしーんじゃねぇの?」
「おかしいかもなぁ。でも、氷河が悪いんだって、俺じゃないもーん」
雨境が微笑む。
「じゃ、頂きます」

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略奪が暴走した。
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