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ドラゴンとヒロインとアクションスター。

・ドラゴンバスター
※瀬戸氷河
ドラゴンが見ている先には島原さんがいた。
この洞窟に穴を開けたのか、光が差し込み、高い位置にいる。
島原さんも俺を見つけて驚いている。
互いにいるわけがないと思っていたからだろう。
「氷河!一旦引け!」
「分かった!」
島原さんが指示を飛ばす。
咄嗟に引こうと体を動かそうとするが、痛みに耐えきれず、その場にまた膝をつく。
「う、ぁ……ッ!」
「いい、そこで待ってろ!」
島原さんが跳ぶ。
俺も早く動かそうと治癒術をかけ始める。
すぐに島原さんが俺を抱えて広間から逃げ出した。
かなりの距離を逃げたところで、俺をおろしてくれた。
「大丈夫か?」
「……大丈夫、です。もう、治した」
「便利な能力だな。」
「その分、魔力を使うんですけど……。」
島原さんは、ため息をついてから改めて問いかけた。
「どうしてお前がここにいる?」
「任務ですよ。俺は、猟犬の主を倒しに来たんです」
島原さんは、やっちまったーと頭を抱えた。
「あっちゃー……じゃ、俺が乱入しちまったのか……よりによって氷河のとこに」
「どういう……?」
「俺はあのドラゴンを倒しに来たんだよ。逃げ出すから追いかけたら、ここに来た。」
「じゃ、ここがドラゴンの巣穴なのでは?」
「そういうことだ。あー、氷河に傷付けると黒葉もみんなも怒るからな……。」
頭をかく島原さん。
だが、すぐに好戦的な目を向ける。
「でもなぁ、お前も暴れたいだろ?」
「あのドラゴンを倒せたらって思うと……わくわくするだろ?」
それに銃を抜いて答える。
安心したのか呆れたのか、はぁ、と軽いため息をつく。
「やっぱお前の本質はこっちだよな。」
「今さら帰れって言われても帰らないからな」
「帰さねぇよ。お前にも協力してもらう」
島原さんは、自分の武器である棍棒を手にする。
「まだ魔術は使えるな?」
「余裕で!」
「じゃ、行くぞ!」
ドラゴンの元へと、再び走る。
広間ではドラゴンが俺たちを待ち構えていた。
威嚇に炎のブレスを吐く。
「氷河は足元を凍らせて動きを止めろ、無理はすんなよ!」
「分かってる!」
指示してすぐ跳んだ島原さん。
装飾銃を手に、ドラゴンの足元を狙って撃つ。
だが、ものともしていない。
「やっぱ、駄目か……。」
やはり集中して魔力をしっかり込めた弾がいる。
銃を眼前に構え、魔力を込める。
この間は動けない。
島原さんがドラゴンを引き付けてくれるのを信じるしかない。
「氷河!下がれ!」
島原さんの声がしたので、すぐに後ろに跳ぶ。
瞬間、ドラゴンが腕を降り下ろしていた。
「あっぶねぇ……けど……」
もう少しで、魔力を込められる。
再び同じ構えを取る。
強大な氷の魔力。
本来なら杖でも欲しいとこだが、ないならないで集中するまで。
「……いける!」
貯めきった魔力をキープしつつ、ドラゴンの不意をつくために動く。
「島原さん、跳んで下さい!」
「おう!」
島原さんは、瞬時に高く跳んで見せた。
竜騎士だろ、あの人。
それに合わせて、ドラゴンの足元を狙い銃口を向ける。
「行くぜ?」
思い切り魔力を放つ。
氷がドラゴンの足元を覆い動きを止めた。
「今だ!」
「後は任せろ!」
上を見上げると、島原さんがドラゴンの頭に狙いをつけ急降下していく。
そして、頭を割るかのように、降り下ろす一撃が当たった。
ドラゴンはズシン、と倒れ動かなくなった。
あの棒にどれ程の力があるのだろう。
「さっすが、島原さん!」
「氷河もなかなかだったぜ!」
着地した島原さんとすぐに拳を合わせた。

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なんつーか、かっこいい話。


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