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異世界勇者。の一話です。

「今日も退屈だよなー…することねぇし」
俺、月原鈴夜は一般的な高校生だ。
いつも通りの退屈な日。
俺の友人である都賀弥凍也と話していた。
「ま、いきなり何かが変わるわけでもないからな。」
「そう言ってしまえばそうだよな…」
チャイムが鳴る。
「次の授業なんだっけ?」
「数学。」
「じゃ、寝るか」
「教師に怒られても知らないよ」
凍也が冷たく言い放つ。
それも気にせず俺は自分の席に戻った。
そして、教師が長い公式の話を始めたあたりで俺は寝た。

「…目覚めよ!…目覚めよ!」
「ん…誰だよ…」
「目覚めよ!」
頭の中に声が響く。
気持ち悪いから、目を開けたらそこにはいかにも王様な人物の姿が見えた。
「おお、目覚めたか。勇者よ」
「あ…勇者?」
何言ってるんだ、この王様。
俺みたいな一般高校生捕まえて何が勇者だ。
「勇者よ、この世界『テレスト』は魔王ナイアスの手によって滅ぼされようとしておる。だが、予言の通りならば、近いうちに勇者が現れこの世界を救うとある。」
その勇者が、俺?ありえない。
「わしは確信した。突然城下町に倒れていたおまえこそが勇者だと。頼む、テレストを救ってくれぬか?」
冗談だろ。おい。
何で城下町で寝てるんだよ、俺!
いや、そんなことより俺に勇者をやれというのか?
おかしい、おかしいだろ。これ。
「いや、言われても困るんだが…」
「そんなことを言うな。おまえも世界が滅びたら困るだろう?」
うわ、強制。
「…分かりました。引き受けます。俺が世界を救います。」
棒読みで嫌そうにセリフを言った筈なのに、王は嬉しそうに話を進めだした。
「ならば、少ないですがこのGを。それから勇者様一人ですと大変でしょう。この国一番の戦士をお供に遣わせましょう。パステル!」
お金をもらった。
ゲームでありがちなG(ゴールド)だよ。
1000G貰った。すくねぇ。
それから、王様が誰かを呼んでいたな。
「お呼びでしょうか、王!」
剣士の少女が現れた。
俺と同い年くらいなんじゃないか。
「おお、パステル。おまえは今日から勇者のお供をしてもらう。」
「ええっ!勇者様の!?光栄です!」
少女は嬉しそうに跳ねる。
勇者ってすげぇよな。存在感が。
ここまで憧れの的になるもんだとは。
パステルを連れて、世界を救うことになってしまった。

城の中で俺が使う剣を探していた。
王が言うには、この国には勇者のために作られた剣がしまってあるらしい。
それを何故か俺とパステルで探すハメになってしまった。
普通、勇者に探させるか?
「私はパステル。よろしくね、勇者様。あ、でも勇者様って呼ばれるの嫌か。乗り気じゃなさそうだもんね。名前は?」
パステルという少女は俺の気持ちを分かってくれてる。
「月原鈴夜。鈴夜でいい。」
「分かった。レイヤ!」
ああ、RPG補正が。
「鈴夜、でいいよ。そう出来ないのか?」
「出来るよ、鈴夜。」
パステルさん、貴方も意地悪ですね。
「あ、これじゃないかな?」
パステルが倉庫から剣を取り出す。
俺はあまりにも槍ばっかりな倉庫を見て、もう槍使えるようになろうかと考えてしまった。
剣も槍も使えねぇけど。
「うわ、これ古いな」
「これ確か作られたの30年前くらいですから」
「30年前から勇者が来ると信じられていたのか」
「そう。でも、勇者も魔王も現れなかった。予言は外れたのよ。」
魔王も現れないってのは相当だな。
「だから、剣だけをエルデ国に収めておいたの。」
「ふーん…で、思ったんだけどさ。俺、剣使えねぇよ?」
パステルは思い切り笑った。
「君は勇者だよ?君には天性の才能があるんだから、大丈夫だよ!ちょっと持ってみなよ。」
パステルから剣を渡される。
俺にはまだ不慣れなものだ。
「まぁ、魔物を狩ればなんとかなるかな。レベルアップってやつでしょ」
そこんとこはRPGだな。
「仕方ない。やってやるよ。」
「そうこなくちゃ!しばらくは私がレベル上げしてあげるからね!」
パステルも倉庫から剣を探し出していた。
兵士の剣じゃさすがに嫌なんだろうな。
「よし、これでいいや」
パステルが探したのは銅の剣。
兵士の剣よりはマシなんだろうな。
「じゃ、行こうか、鈴夜!」
俺の勇者生活が今始まった。
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