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巻き込む人と巻き込まれる人。
・暴言ジャック
※鹿屋牙狼
自室で小刀の手入れをしていると、針弥が入ってきた。
もうノックもなにもなしに、入ってくるようになった。
「鹿屋さん」
「牙狼って呼んでくれますか?」
「あ、うん、牙狼さん」
針弥は素直に呼んでくれる。
俺も素直に嬉しいものだ。
針弥はベッドに座って話し始めた。
「氷河ってさ、不機嫌なとき多いよね」
「それは針弥のタイミングが悪いのでは?俺が見る限り、あれは表情ころころ変わるちょろいやつですよ。」
「そうなのかな。黙ってれば、というか怒らなかったら、かっこいい人なのに」
「抱えてる事情のせいというのもあるかもしれませんけどね。氷河が好きな連中が言うには、むしろ怒らせるのが楽しいみたいですよ」
「僕にはわかんないなー」
なんとなく針弥が話してたから、相づちをうったり話したりしたが、何故針弥は氷河の話ばかりするのだろう。
確かに針弥とは関わることが多い奴だが、針弥から氷河の話をしだすのは滅多になかった。
推論から出した答えを、言ってみた。
「針弥、遺跡行くのに氷河を巻き込んで怒らせたりとかしてませんか?」
「そうなんだよ。神血絡みの遺跡で魔力がいるから、氷河をつれてきたんだけど、怒られちゃってさー。」
また俺をおいて、別のやつと遺跡にいったのか。
手にしている小刀で机を差したくなる気持ちをこらえる。
針弥は運が悪いのかトラップには全部引っ掛かるやつだ。
そんなやつと出掛けたがるのは俺だけでしょうに。
「で、情報は得られたんですか?」
「全然。だからかな、余計苛立たせちゃったのかも。」
嫉妬心をこらえて聞いたのに、針弥はなにも察せず返す。
そういう鈍感なところも俺は好きなんですけどね!
「針弥の遺跡の歩き方に着いていけるのは、俺ぐらいなんですよ。だから、今度氷河をつれていくときに俺も誘ってください。」
「牙狼さんも?」
「そうすれば、針弥も氷河も守ってあげられる。危険性がなくなれば氷河も納得するはずですから。」
笑顔で答える。
氷河を利用して、針弥の傍にいる作戦だ。
俺の無自覚な恋敵かと思ったが、まさかこんな利用法があるとはね。
針弥は嬉しそうに頷いた。
「じゃ、次に氷河を誘うときは牙狼さんも呼ぶよ!」
「絶対ですからね。また俺をおいていったら……どうしてやりましょうかね」
小刀を置いて、ベッドにいる針弥を押し倒す。
「え、えっと、どうするの?」
びくびくしながら針弥が尋ねる。
そそらせるだけじゃないか。
「そうですね……。しばらく遺跡にいけなくしましょうか」
微笑むと、針弥はさらにびくついた。
「わ、わかった!絶対牙狼さん誘うから!」
「よろしい」
針弥からどいてあげる。
「あ!ごめん、牙狼さん!僕、用事思い出した!すぐ戻るから!」
針弥はなにかを思い出したのか、すぐに飛び出ていってしまった。
「戻ってくる、か」
針弥は自由人だから俺の手のなかに常にいる訳じゃない。
ふらりとどこかに出ていってしまう。
俺はずっとそれを気にしていたが、今の針弥はちゃんと戻ってきてくれる。
それに安心と喜びを感じていた。
あ、そうだ。
俺も電話しよう。
携帯をとりだし、氷河の番号にかけてみる。
『もしもし』
「ああ、氷河?」
『鹿屋さん?怪我ですか』
「いや、違うんだ。今度、パフェでもおごってあげようかと思ってね」
『甘いの嫌いなんですけど、俺』
「だから、チョコパフェでも奢ろうかと」
『分かっててって事かよ!?鹿屋さん、俺なんかしました?』
「君はいつも俺の邪魔をするよね」
『してないって!誤解です!』
「じゃ、氷河の言い分はフルーツパフェ食べながら聞こうか」
『それも勘弁してください!』
面白いなぁ、こいつ。
------------------
リクエストがあったので。
嫉妬心の鹿屋さん。
※鹿屋牙狼
自室で小刀の手入れをしていると、針弥が入ってきた。
もうノックもなにもなしに、入ってくるようになった。
「鹿屋さん」
「牙狼って呼んでくれますか?」
「あ、うん、牙狼さん」
針弥は素直に呼んでくれる。
俺も素直に嬉しいものだ。
針弥はベッドに座って話し始めた。
「氷河ってさ、不機嫌なとき多いよね」
「それは針弥のタイミングが悪いのでは?俺が見る限り、あれは表情ころころ変わるちょろいやつですよ。」
「そうなのかな。黙ってれば、というか怒らなかったら、かっこいい人なのに」
「抱えてる事情のせいというのもあるかもしれませんけどね。氷河が好きな連中が言うには、むしろ怒らせるのが楽しいみたいですよ」
「僕にはわかんないなー」
なんとなく針弥が話してたから、相づちをうったり話したりしたが、何故針弥は氷河の話ばかりするのだろう。
確かに針弥とは関わることが多い奴だが、針弥から氷河の話をしだすのは滅多になかった。
推論から出した答えを、言ってみた。
「針弥、遺跡行くのに氷河を巻き込んで怒らせたりとかしてませんか?」
「そうなんだよ。神血絡みの遺跡で魔力がいるから、氷河をつれてきたんだけど、怒られちゃってさー。」
また俺をおいて、別のやつと遺跡にいったのか。
手にしている小刀で机を差したくなる気持ちをこらえる。
針弥は運が悪いのかトラップには全部引っ掛かるやつだ。
そんなやつと出掛けたがるのは俺だけでしょうに。
「で、情報は得られたんですか?」
「全然。だからかな、余計苛立たせちゃったのかも。」
嫉妬心をこらえて聞いたのに、針弥はなにも察せず返す。
そういう鈍感なところも俺は好きなんですけどね!
「針弥の遺跡の歩き方に着いていけるのは、俺ぐらいなんですよ。だから、今度氷河をつれていくときに俺も誘ってください。」
「牙狼さんも?」
「そうすれば、針弥も氷河も守ってあげられる。危険性がなくなれば氷河も納得するはずですから。」
笑顔で答える。
氷河を利用して、針弥の傍にいる作戦だ。
俺の無自覚な恋敵かと思ったが、まさかこんな利用法があるとはね。
針弥は嬉しそうに頷いた。
「じゃ、次に氷河を誘うときは牙狼さんも呼ぶよ!」
「絶対ですからね。また俺をおいていったら……どうしてやりましょうかね」
小刀を置いて、ベッドにいる針弥を押し倒す。
「え、えっと、どうするの?」
びくびくしながら針弥が尋ねる。
そそらせるだけじゃないか。
「そうですね……。しばらく遺跡にいけなくしましょうか」
微笑むと、針弥はさらにびくついた。
「わ、わかった!絶対牙狼さん誘うから!」
「よろしい」
針弥からどいてあげる。
「あ!ごめん、牙狼さん!僕、用事思い出した!すぐ戻るから!」
針弥はなにかを思い出したのか、すぐに飛び出ていってしまった。
「戻ってくる、か」
針弥は自由人だから俺の手のなかに常にいる訳じゃない。
ふらりとどこかに出ていってしまう。
俺はずっとそれを気にしていたが、今の針弥はちゃんと戻ってきてくれる。
それに安心と喜びを感じていた。
あ、そうだ。
俺も電話しよう。
携帯をとりだし、氷河の番号にかけてみる。
『もしもし』
「ああ、氷河?」
『鹿屋さん?怪我ですか』
「いや、違うんだ。今度、パフェでもおごってあげようかと思ってね」
『甘いの嫌いなんですけど、俺』
「だから、チョコパフェでも奢ろうかと」
『分かっててって事かよ!?鹿屋さん、俺なんかしました?』
「君はいつも俺の邪魔をするよね」
『してないって!誤解です!』
「じゃ、氷河の言い分はフルーツパフェ食べながら聞こうか」
『それも勘弁してください!』
面白いなぁ、こいつ。
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リクエストがあったので。
嫉妬心の鹿屋さん。
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