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眠れる森から生まれるお姫様。

・エンドスリープの魔術師
※瀬戸氷河
森をふらふらと歩く。
目的があるわけじゃない。
森にすんでいる図書倉庫の人に会いに来たわけでもない。
何者かに誘われるようにここまで来てしまった。
誰かなんて当然わかんねぇし、どうせ魔術師の仕業だろう。
警戒するようにハンドガンを手にしながら、歩いていた。
それでも、その時まで気づけなかった。
おかしな紫色の花に囲まれていることに。
「こんなところ、あったっけか……?」
この森では見たことのない植物、花。
いや、この世にこんな植物があっただろうか。
確認しようと花に近づく。
「こんな気持ち悪い花あるわけねぇよな……」
魔術師の罠だろうか?
花に近づいてから、だんだんと眠気が襲ってきた。
その時にやっと俺は気づくんだ。
全部罠で、俺は眠らされようとしていることに。
「……く、そ……っ……」
眠気に耐えきれず、その場で意識を失った。

※芳賀巫斗
エンドスリープちゃんに呼ばれた。
エンドスリープちゃんってのは、私の友達の眠り姫の魔術師。
魔術的に昏睡させるのが得意。
「あ、巫斗ちゃん」
「どしたのー?」
エンドスリープちゃんは大人しい子だ。
長くて淡い金色の髪にロングスカート。
お姫様みたいな子。
彼女の足元に、氷河君が寝ていた。
眠らされているのだろう。
これでは、彼女が魔術を解かない限りは目覚めない。
本物の眠り姫だ。
「あのね、誰かが来るまでこの人を魔物から守ってほしいの。」
「守るの?」
「うん。寝ている間に魔物に襲われちゃったら可愛そうだから」
「わかった、いいよー。」
私はもちろん快諾する。
巫斗ちゃんは、魔術師に優しいからね。
「でも、エンドスリープちゃんが動くなんて珍しいね。この人がどうかしたの?」
「……この人は眠っていた方が綺麗だから」
氷河君に言ってると思うと笑っちゃう言葉だね。
男だし、口は悪いし、暴力的で殺そうとまでするのに。
確かに顔立ち整ってて美形でスタイルはいいんだけど、さ。
「この人にも友達がいるでしょ?その人たちが来るまで、お願いするね」
エンドスリープちゃんは、紫色の花の花束を手に、どこかにいってしまった。
魔術師はどいつも自分勝手でいけないねぇ。
頼まれちゃった私は、眠った氷河君を見る。
「ほんと、美形でずるいなー……」
ハンドガンを手放して倒れこむように寝ている。
さんざん私をいじめた氷河君を思うと、こっちのが可愛いげがあっていい。
でも、これを見た彼らは何を思うんだろうか。
特にあの吸血鬼君とか。
さて、ずっとここにいさせてもかわいそうだし、私が面倒だから、助けを呼んであげよう。
ロッドをくるくるーっと回して、私は魔物に指揮する。
まずは一番近い人に見つけさせよう。

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ねむりひめのはなし。


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