忍者ブログ
一次創作ファンタジー小説中心サイト。 このサイトにある全ての小説の無断転載は禁止しています。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

今、風邪ひいてるのは私なんだけど、それだからこそ思いつくネタがある。




・風邪気味看病半日
※鹿屋牙狼
朝、起きようとすると体がだるい。
一週間前から、寒気がしたり咳がやたら出ると思ったら。
額に手をあてて、確信する。
どうやら、風邪を引いてしまったらしい。
「情けない……俺が気温の変化に耐えられないとは」
ため息が出る。
こうやって体調を崩すのは、馬鹿だけだと思っていたからな。
菅谷さんとか才臥とかそういう馬鹿。
ノックの音がする。
俺が返事をする前にドアが開けられる。
「鹿屋さーん、朝ご飯出来てるみたいだよー……って、どうしたの!?」
俺が未だに寝ていることに驚く針弥。
すぐに近寄って、額に手を当てる。
行動が早くて、俺が書くす間もない。
「牙狼さん、体熱いですよ……。もしかして」
「はぁ、情けないですが、風邪を引いてしまったみたいなんですよ」
針弥に行動力がなければ、隠しておこうと思った。
あまり心配かけたくもないしな。
しかし、気づかれてしまってはどうにもならない。
滅多にない事なので狼狽える針弥。
「ど、どうしよう!えっと、氷水タオルとかいるんだっけ?あ、アイスとかも欲しいですか?」
「看病下手な人ですか」
「とりあえず、いろいろさがしてくる!」
そういって針弥が飛び出してしまった。
これで俺が風邪ひいたという事実が、本部中に伝わってしまうな。
針弥の行動で気づかない奴がいるわけない。
俺の為にも隠しておきたかったのだが。
針弥は意外と早く戻ってきた。
彼の手には冷えたタオルと風邪薬。
それから、お粥を持った宮代まで連れてきた。
「いやー、まさか鹿屋さんがダウンするとはねー」
「すみませんね、わざわざ用意してもらって」
宮代が、くすりと笑って近くのテーブルにお粥を置いた。
「いいって。俺達、一応同期で魔物だらけの海を駆け回った仲でしょ」
「あんまり思い出したくないね、その話は」
「あはははは、死ぬかと思ったもんな」
「宮代があそこに行く原因だったでしょうが」
「んー、そうだったっけかな」
ふと針弥を見ると、わかりやすく頬を膨らませていた。
嫉妬ですかね、可愛い。
もうしばらく宮代と話し込んで様子を見ようとも思ったが、怒る針弥をかわしながら宥める元気もないので、宮代を追い返すことにした。
「ほら、もういいでしょ。また昼もお願いしますね」
「分かったよ。今日は大人しくしてな」
宮代がドアを閉める。
針弥はぼそりとずるいです、と呟いた。
「宮代さんは、僕の知らない牙狼さんを知ってるんですもん……」
「俺の最初の所属は支部でしたからね。ここに来た時期も当然違います」
そういや針弥の方が本部に来たのは早いんだったな。
支部から本部に移動して出会ったんだ。
最初は命令で嫌々こいつの護衛をやっていたけど、いつからこの感情は入れ替わったんだろう。
「でも、なんか楽しそうで宮代さんが羨ましいよ」
「そういうのは、妬ましいとも言うんですよ」
「……もしかして、楽しんでます?」
「そりゃもちろん」
「もう!弱ってるはずなのに、ずるいよ!」
からかうと針弥は怒った。
触れたいけれども、ぐっとこらえる。
針弥に風邪をうつさせるわけにはいかない。
本当は今すぐにでも追い返さなければならないぐらいだ。
けれど、そう出来ないのは針弥が看病してくれるのが嬉しいからだ。
俺自身、そうされたいと願っているからだ。
「もう、牙狼さん、早くご飯食べて風邪薬飲んで」
「はいはい」
ゆっくりと起き上がって、お粥の器を手に取る。
一口食べると、当然だがうまい。
さすが宮代。ここのシェフを受け持っているだけある。
お粥を食べ切り、風邪薬を飲む。
市販の風邪薬なんだが、効くんだろうか。
針弥が俺を呼ぶ。
「牙狼さん」
「なんです?」
「……牙狼さんが元気になるまで、ずっとここにいますから。牙狼さんが僕にうつさないように追い返そうとしたって、いますから」
やっべぇ、超嬉しい。
見透かされてしまっているのも含めてだ。
だが、感情を全て隠して俺は微笑む。
「すぐに風邪直しますから、傍にいてください」
「うん!じゃ、ご飯片づけてくるね」
針弥が食器をまとめる。
え、さっきのセリフは……。
「あ、ああ……はい……」
さっそくいなくなってしまった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
何故、ギャグみたいなオチがついた。



PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
プロフィール
HN:
天草八津芽
性別:
女性
自己紹介:
BLでファンタジー小説が多いです。
ひっそりひそひそ書いてます。
ツイッター
メインアカウント(妄想ばかり)


オリキャラ紹介bot
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
P R

Copyright © [ 妄想の隠れ家 ] All rights reserved.
Special Template : 忍者ブログ de テンプレート
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]