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先程のと同じ理由で思い付いた話。

・朦朧エクストラドリーム
※茅野三奈美
それは、氷河さんに偶然出会ってお茶をしていたときの事。
私はなんだかぼんやりしていて、氷河さんの話が途中聞こえなかった。
数日前から、ふらついてぼんやりすることが多くなった。
それから、ふと自分の腕に触れると熱い。
きっと季節の変わり目で冷えるからだと思っていた。
「お前、家どこだっけ」
氷河さんが、突然変なことを聞いてきた。
「えっと、教会近くのアパートだけれど」
「わかった」
すると氷河さんが立ち上がり、先にカフェの支払いを済ませてしまう。
まだ紅茶は残っているはずだけれど……。
氷河さんはすぐに戻ってきて、なにがなんだかわかっていない私の手を引く。
「行くぞ、こんなとこにいる場合じゃねぇだろ」
「へ?」
「いいから」
強引に外に出された私は、戸惑いながら氷河さんの手を握る。
この人の体温は低めなのか、冷えていて気持ちいい。
なんだかいつもより冷たいような気はする。
「茅野、普段より自分の体が熱いのに気付いてるのか?」
「え、そうかしら……?」
そう答えると、氷河さんは私の前で深くため息をつく。
「茅野が鈍い奴だとは思わなかった……」
「な、なによ?」
「頼むから、これ以上心配事増やすなよ……!」
氷河さん一人で話が進んでいてさっぱりだわ。
そういうしてるうちに私の住むアパートについてしまった。
「あら……?」
「部屋は何階?」
「2階の4号室」
「ぼんやりしてないか?」
「ええ……そんなことはないわ」
「しばらく手引くか」
階段をゆっくりと登り、私の部屋まで来てしまった。
「私、どうして家に帰されてるの?」
氷河さんが私の部屋の扉を開ける。
あら?鍵閉めてなかったかしら?
部屋に入ると、氷河さんは怒鳴った。
「お前が病人だからだろ!」
「ふぇ?」
私が病人?
なにも変わりはしないと思うのだけど。
「いいから、寝てろ!」
もう手は離されている。
というか、こんなに不機嫌な氷河さんは珍しい。
怒られてる身の私は大人しくベッドに潜る。
私の額に氷河さんが手を当てる。
「ひどい熱だな……普通、起きらんねぇと思うんだけど」
「す、少しふらついただけだったわよ」
確かに昨日より危なかったわね。
倒れそうになったわ。
「わかった、茅野の鈍さはわかった」
氷河さんはまたため息をつく。
「さっき話してて確信したんだよ。顔が赤い気もするし、ぼんやりというかふらついてるし、触れたら体がすげぇ熱いし。」
「風邪、だったのかしら……?」
「風邪にしては熱が高すぎる気もするけどな……俺は、そう信じたい」
氷河さんは、手際よく看病の準備を始めた。
タオルを用意したりだとか、氷水を用意したりとか。
準備をしながら、ぶつぶつと呟く。
「ったく……茅野は人の事ばっか見すぎなんだよな、いつ襲われるかもわかんねぇってのに……」
「氷河さんだって、人の事ばかりじゃない」
正確にはあの吸血鬼の事ばかり。
氷河さんが、何枚か用意したタオルを私のそばでまとめる。
「自分の事は分かるぐらいには見てる。お前は自分の体調に気づかなさすぎなんだよ」
「風邪なんて子供の時以来ずっと引いてなかったから、しょうがないじゃない……」
神血は、毒に耐性がある。
そのおかげか、病気にも強い耐性を持っていた。
だから、私は病気をしたことがあまりない。
言い訳っぽいけれども、ないんだから分からないわよ。
「それは俺もだ。不思議と風邪ってあんま引かなかった。神血のせいか?」
「そう。毒に耐性があるから、病気にも耐性があるみたいなの」
「だからか。そういや、俺が倒れたときは風邪じゃなくて呪いだったんだよな……」
気になる言葉が聞こえた。
倒れたというのも心配させる言葉だけども、呪われた、ですって?
「氷河さん、呪われたの……?」
「過ぎた話だ。もうなんともない。」
「呪術払いなら、出来たのに……」
役に立てなかったなんて。
何故か傷付く私。
「茅野、置いとくから頭冷やしとけ。汗も出るようなら拭けるようにあるから」
「妙に手際いいわね……」
「神血だと知る前は、たまに恭二の看病してたからな。あいつはうるせぇし、暴れるし……はぁ、変わっちゃないんだよな。」
手際のいい準備をして、氷河さんは次に自分の財布の中身を見ていた。
「俺、ちょっと買うものあるから。あ、後、体温図っとけよ!」
「分かったわ」
「大人しくしてろよ、病人なんだから」
大人しくするわよ、恭二さんじゃあるまいし。
-------------------
自分の事には鈍すぎる茅野と気付いてしまったからほっとけなくなった氷河。

氷河は恭二や丙の看病してた。
恭二は人間の時だから馬鹿だから風邪引くの典型だった。
丙は流行り病にかかりやすかった。
とか、どうっすか。

目指せ、乙女ゲームのような夢。




本当は、ちょっといい展開になる場所あったんだけど、書く自信なかったからカットした。
高熱でひどいレベルまで放置したら汗出るよね……。
→後は恥ずかしがる氷河だけです。
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