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もう一枚書いとく。

・朦朧エクストラドリームナイト
※瀬戸氷河
茅野が風邪引いてて、気付かずにふらふらしてたもんだから、見かねて看病することにした。
手をとった時だって、あまりの熱さに苛立った。
なんでこんなにひどい状態なのに気付かねぇんだと。
しっかりした女かと思ったけど、かなり抜けているようだ。
買い物のために外に出た俺は、飯にいるものだけ買って急いで戻った。
かなりぼんやりしている茅野が心配だったからだ。
ドアを開けてみると、茅野は大人しくしてくれていた。
「ねぇ……38度あったわ」
「そんなに熱あんだから、寝てろよ」
「分かってるわよ」
茅野は布団に潜る。
それに安心して見ていると、携帯がなった。
雨境からだ。
『なー氷河ー』
「んだよ?」
『今、鹿屋が倒れちゃっててさー、風邪っぽいんだけど、治癒術で治せない?』
「悪いけど無理。治癒術じゃ力が強すぎる。」
『ダメかー、ってか氷河そっけなくない?』
「そんなことねぇだろ」
『そーかなー?』
「あ、雨境。俺、今日もどれないかも」
『なんでさ!?』
「茅野も高熱出してて、見てらんなかったから面倒見てんだよ」
『あー、三奈美ちゃんもなんだー。ふーん、わかった、伝えとくねー』
「ああ、頼む」
俺から通話を切った。
茅野がもぞもぞと動く。
「氷河さん……」
「どうした?」
「寒いわ……やっと寒いって思えたわ……」
自覚すると、症状が襲ってくるのか?
茅野は病気に関すると、バカっぽく見えてしまうな。
「なんか、作ってやろうか?」
「氷河さんが……作れるの?」
「……一応、な」
キッチン借りる、とだけ言って飯の準備をする。
茅野の部屋は全体的にきれいに整っていて使いやすい。
キッチンだって、調味料や食器が分かりやすくまとめられていた。
本部のキッチンよりは大分ましだ。
ものが多すぎるのだって、かえって分かりにくいんだよな。
「氷河さん……」
「ん?」
「塩……入れすぎないでほしいわ」
「お前、俺を味覚バカだと思ってるな」
「だって、そうと聞いたんですもの……」
「安心しろ、俺好みにしないから」
「そうね……そうよね……」
事前に釘を刺されたようだ。
さっさとお粥を用意して茅野に渡す。
茅野は、信用してかすぐに一口食べてくれた。
「……おいしい。ねぇ、他にも料理作れるの?」
「人並みに作れるだけだって。」
「ふふ……そうなんだ……」
茅野はくすりと笑う。
最初よりは顔色はよくなったが、まだぼんやりしている。
「ねぇ、氷河さん」
「ん?」
「今日だけは、傍にいて」
「ああ……いいけど」
「今日だけは……離れないで……」
「分かってる、から……」
そんなに不安そうな顔をしないでほしい。
俺は、茅野にどう思われているのだろう。
それほど消えてしまいやすいと思われているのだどうか。
茅野が手を差し出す。
そんなに不安だろうか。
その手を軽く握ると、茅野はふふ、と軽く笑った。
すぐに握り返され、茅野は眠ってしまった。
「……こりゃ、帰れねぇな」
また携帯がなった。
今度は恭二だ。
『氷河、帰ってこないってなんで!?』
「ったく、うるせぇな恭二!」
『だって、だって、だってー!』
「茅野が倒れちまったから、今日一日傍にいてやるってだけだよ」
『三奈美ちゃんが、倒れたの?』
「そう。」
『ふーん……。で、看病したいんだ、氷河は』
「心配なんだよ……」
『むー……』
「明日、吸血するなら激しくしていいから、な?」
『……しょうがねぇな。俺の氷河を貸してあげるよ』
「ありがとな、恭二」
『氷河は三奈美ちゃんの事になると、過保護になるんだから』
「……同じ神血でもあるし、俺が彼女の平穏を壊したからな……」
『そんなことないよ。なんでも氷河が抱えることない』
「恭二……」
『三奈美ちゃんに悪いから切ってやるよ』
一方的にきられた。
俺もすぐに茅野の傍で眠ってしまった。

-------------------
氷河のめんどくさい所は、茅野を恋愛対象として見てないところにあります。
氷河にとって茅野はなんだろ、妹みたいな感じ?
氷河自身は恭二にぞっこんだけど、男として、異性としては茅野が好きなのかもしれません。
でも、それは氷河の恋愛じゃない。
めんどくせぇっ!

ってな感じの話。
どこが乙女ゲームのようなドリームだよ。

茅野報われてないよ。


氷河は恭二に吸血されるの気持ち悪いぐらい好きだよな。
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