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ファンタジーノイズワールドの二話です。
「あ、依里阿ー!」
波乃は廊下を歩いていた識数依里阿に声をかける。
識数依里阿は波乃を見つけると、波乃に抱きついた。
「波乃ー。もうなんか疲れたよー。」
識数依里阿はぐったりとした声が聞こえた。
波乃はくすくす笑う。
「いきなり何を言いだすんですか?」
「いやね、本当に。授業さっぱり分からないもん。」
「そうですよねー。わかります。」
波乃と依里阿の会話は日常的だ。
だが、二人が並んでいる所に人は近づこうとしない。
依里阿と波乃の二人が強い電波質であるからだ。
電波質の事情を知らないので、二人に近づいたら危険だと思っているのだろう。
俺は近くにいても平気だ。
二人の会話に混ざっても、何も異常はない。
「あの…依里阿さん」
二人の間に切伐根消華さんが入る。
切伐根さんは人が苦手なのか、びくびくとしながら二人の間に入った。
「ん?なに?」
依里阿は気にせずに、切伐根さんの方を向く。
目が合った時に、切伐根さんは目を逸らす。
「そろそろお時間ですので…移動した方がよいかと」
依里阿のクラスの次の時間は別の教室に移動して授業をする。
俺が時計を見ると、もう休み時間は終わろうとしていた。
切伐根さんは俺たちのクラスの人だが、移動してる依里阿のクラスの生徒を見て、声をかけたのだろう。
「あ、うん。じゃ、行くよ」
「頑張って下さいねー依里阿ー。」
波乃は移動する依里阿に手を振る。
識数依里阿は振り返ったまま手を振りかえした。
波乃は切伐根さんに問いかける。
「切伐根さん。うちのクラスは何だっけ?」
「ええと…数学だったような…」
「数学ですね、ありがとう。」
おどおどと切伐根さんが答えると、波乃は教室の後ろにあるロッカーから教科書を取り出し、大人しく席に着いた。
授業が終わると、波乃は真っ先に俺に飛び付いた。
「幽夜~。」
「うわっ、いきなり、何なんだよ!」
波乃を振り払うと、波乃は俺の机に顔を付ける。
「退屈なんですもの。どうやって幽夜をからかおうか考えてしまいました。」
波乃は人によって態度が違う…今、気付いた。
俺には識数依里阿の次に親しげに話してくれる。
ただそれには、悪戯心というのが潜んでいるかもしれないが。
「あ、あの…光宮さん」
切伐根さんがぐったりしている波乃に声をかける。
「ん?なんですか?」
波乃は起き上がり、切伐根さんを見た。
切伐根さんは人に見られるたびにびくりと肩を震わせていた。
「数学の…この問題教えて…」
あ、と切伐根さんは言おうとしてることをやめた。
「やっぱりいいです…」
「切伐根さん?」
俺が聞いてみる。
切伐根さんはびくりと跳ねて、すぐさま俺たちから距離を空ける。
「ああ、すいません!お二人の邪魔をしてしまい!」
切伐根さんは、その場から逃げてしまった。
彼女は人と関わるのが苦手なのだろう。
そのせいか、流行などにもとても疎い。
この世界から目を伏せた。
そんな風に感じた。
「切伐根さん、か…」
「彼女も電波質ですよ。」
俺が呟くと、それに反応した波乃が語りだす。
「彼女は自分の小ささを知り、世界から消えてしまった。本来消えていないものまで消し去ってしまった。目を伏せただけって言うかもしれない。けれど、彼女は誰とも関われないのは真実です。」
切伐根さんは大人しい人だ。
だけど、そこまで消してしまった彼女には何が残っているのだろうか。
波乃は廊下を歩いていた識数依里阿に声をかける。
識数依里阿は波乃を見つけると、波乃に抱きついた。
「波乃ー。もうなんか疲れたよー。」
識数依里阿はぐったりとした声が聞こえた。
波乃はくすくす笑う。
「いきなり何を言いだすんですか?」
「いやね、本当に。授業さっぱり分からないもん。」
「そうですよねー。わかります。」
波乃と依里阿の会話は日常的だ。
だが、二人が並んでいる所に人は近づこうとしない。
依里阿と波乃の二人が強い電波質であるからだ。
電波質の事情を知らないので、二人に近づいたら危険だと思っているのだろう。
俺は近くにいても平気だ。
二人の会話に混ざっても、何も異常はない。
「あの…依里阿さん」
二人の間に切伐根消華さんが入る。
切伐根さんは人が苦手なのか、びくびくとしながら二人の間に入った。
「ん?なに?」
依里阿は気にせずに、切伐根さんの方を向く。
目が合った時に、切伐根さんは目を逸らす。
「そろそろお時間ですので…移動した方がよいかと」
依里阿のクラスの次の時間は別の教室に移動して授業をする。
俺が時計を見ると、もう休み時間は終わろうとしていた。
切伐根さんは俺たちのクラスの人だが、移動してる依里阿のクラスの生徒を見て、声をかけたのだろう。
「あ、うん。じゃ、行くよ」
「頑張って下さいねー依里阿ー。」
波乃は移動する依里阿に手を振る。
識数依里阿は振り返ったまま手を振りかえした。
波乃は切伐根さんに問いかける。
「切伐根さん。うちのクラスは何だっけ?」
「ええと…数学だったような…」
「数学ですね、ありがとう。」
おどおどと切伐根さんが答えると、波乃は教室の後ろにあるロッカーから教科書を取り出し、大人しく席に着いた。
授業が終わると、波乃は真っ先に俺に飛び付いた。
「幽夜~。」
「うわっ、いきなり、何なんだよ!」
波乃を振り払うと、波乃は俺の机に顔を付ける。
「退屈なんですもの。どうやって幽夜をからかおうか考えてしまいました。」
波乃は人によって態度が違う…今、気付いた。
俺には識数依里阿の次に親しげに話してくれる。
ただそれには、悪戯心というのが潜んでいるかもしれないが。
「あ、あの…光宮さん」
切伐根さんがぐったりしている波乃に声をかける。
「ん?なんですか?」
波乃は起き上がり、切伐根さんを見た。
切伐根さんは人に見られるたびにびくりと肩を震わせていた。
「数学の…この問題教えて…」
あ、と切伐根さんは言おうとしてることをやめた。
「やっぱりいいです…」
「切伐根さん?」
俺が聞いてみる。
切伐根さんはびくりと跳ねて、すぐさま俺たちから距離を空ける。
「ああ、すいません!お二人の邪魔をしてしまい!」
切伐根さんは、その場から逃げてしまった。
彼女は人と関わるのが苦手なのだろう。
そのせいか、流行などにもとても疎い。
この世界から目を伏せた。
そんな風に感じた。
「切伐根さん、か…」
「彼女も電波質ですよ。」
俺が呟くと、それに反応した波乃が語りだす。
「彼女は自分の小ささを知り、世界から消えてしまった。本来消えていないものまで消し去ってしまった。目を伏せただけって言うかもしれない。けれど、彼女は誰とも関われないのは真実です。」
切伐根さんは大人しい人だ。
だけど、そこまで消してしまった彼女には何が残っているのだろうか。
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