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電気の話。

・エレクトロスパークの魔術師
※榎本恭二
俺と氷河の目の前にあの女が現れたのは、森のなかでの出来事だった。
正確には氷河はとっくにあの女に捕まっていた。
俺の目の前で背中から電流を浴びて、倒れたんだから。
か細い声で、きょうじ、と俺の名を呼んで。
「氷河ッ!?」
「ひょうが……。このイケメンは氷河様と言うんですね」
魔女の格好をした女が、氷河を抱える。
それはどこか優越に浸っているようだった。
「うふふ、氷河様かぁ……。かっこいいな。」
「ちょっと?メス猫が氷河に欲情しないでくれる?それは俺のなんだけど」
太刀を抜いて、構える。
女が魔術師なのは、とっくに分かっているからな。
「ふふふ、なに?あなた氷河様のなんなの?」
「氷河の恋人」
「……愛人、もしくはセフレの間違いでしょ」
「なんだとー!?」
ムカついて俺はすぐに斬りかかった。
だけど、魔術師は掌をこちらに向け、電撃を打ち出した。
吸血鬼の俺でも、光速には勝てない。
先に貫かれ、太刀を手放してしまう。
「これから氷河様は、私のものになるの。邪魔しないでもらえる?時代遅れの吸血鬼」
「く……うっ、やだね、ぜったい、渡すもんかよ……!」
「しつこいと嫌われるわよ」
「氷河には、しつこいぐらいがいいんだよ……!」
魔術師は、俺を嘲笑ってどこかに消えてしまった。

そして今。
俺は、氷河を取り戻すために、魔術師の屋敷の前にいる。
二度とあんなメス猫に負けるもんか。
今度こそ取り返してやる、と息巻いて扉を開ける。
中は薄暗くなにも見えない。
だけどすぐに中央天井の小さな明かりがついた。
「うふふふ、ほんとに来たわ。氷河様の言う通り」
明かりの真下には、椅子にくくりつけられた氷河とその氷河を後ろから抱き締める魔術師の姿があった。
「あったりまえだろ……恭二は、あきらめわりぃんだから……」
氷河は強がってるけど、なんだか嬉しそうにも見える。
「とても信頼してるのね」
魔術師の指先が氷河の脇腹に触れる。
すると電流を流されたのか、氷河がびくりと跳ねる。
「うふふふ……綺麗な人……」
きっと俺には聞こえないほどの声で、呻いてるのだろう。
ずるい、むかつく。
魔術師が妖しく笑った。
「さぁ、終わらせましょう?氷河さん。あの吸血鬼を捨てて、私に恋をしましょう?」
今度はわざとらしく囁く。
「あなたを不満にさせることはないわ……」
「分かってねぇ、な……」
氷河がはっ、と嘲笑う。
「何を言われようが、されようが、俺はとっくに恭二に溺れてんだよ……。そう、簡単に、捨てられるわけねぇ、だろ……ッ」
「そうなの?」
また魔術師が氷河の脇腹に触れる。
先程よりも強く跳ねる氷河。
エロいむかつく。
「ねぇ、さっきしたこと、忘れちゃったのかしら?」
「そんなんじゃ、屈しねぇって、いってんだよ……」
氷河がこんなにも俺を信頼してんなら、やるしかない。
太刀を抜いて、魔術師に向ける。
「今度こそ氷河を返してもらうぜ?」
「やれるならやってみなさいよ」
「そうやって、氷河に電気プレイだとかエロいことさせやがって、欲情しちまうだろ、バカー!」

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電流プレイのいいとこは、ほどよくエロい声が妄想できることにある。
後、びくりと跳ね上がる身体とか。

か細く鳴く氷河。
ヒロイン様すぎます。


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