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電気のはなし。

・エレクトロスパークの魔術師
※瀬戸氷河
俺が魔術師から愛の告白を受けた後、その魔術師がくすりと笑う。
「氷河様、どうやったらあの吸血鬼が氷河様を諦めるか考えてみたの」
「無駄なことだぜ?」
「無駄なことなんてないわ」
魔術師は俺の胸に触れ、電流を流す。
「……ッ!」
「痺れるでしょう?まず、氷河様には動かないでもらうわ。」
魔術師のいった通り、俺の身体は指一本動かせなくなっていた。
動かせそうなのに、全く動かせない。
「うふふふ……そう睨んだ目も素敵」
次に魔術師は、ロッドを用意する。
普通の魔術師が利用する杖だ。
「私は制御が得意なの。軽い電磁波から高電圧の電流操作まで。電気の事象なら全て研究を終えているわ。だから私は王位なの。」
嫌な予感がする。
だから、俺は彼女の前から逃げ出したい、のに。
「ねぇ、氷河様。私にもっと氷河様のことを教えてほしいな」
「俺の、こと……?」
魔術師がロッドを俺に向ける。
それだけで、身体に激しい電流が走る。
「……あぁッ!」
「氷河様って声高い方なのね。うふふ」
魔術師は、優越に笑い俺の傍で囁く。
「電流、電圧……過剰な量を流すだけで痛みに変じるの……ふふふ、氷河様、ステキ」
「は……ぁっ、なにを……!」
今度は魔術師が直接俺に電気を流す。
先程と変わらない量だ。
「氷河様……もっと……」
俺は意識が途切れるまで、ずっと電流を流され続けた。

目覚めた時には、椅子に座らされ後ろ手に縛られ、恭二が来る、とだけ教えられた。
椅子に縛られているが、そんなことしなくても俺は痺れで動けないから逃げられない。
「氷河を、返せー!」
太刀で魔術師に斬りかかる恭二。
魔術師はロッドを恭二に向ける。
「また、貫いてあげる」
恭二の動きが止まった。
電撃に貫かれたのだろう。
「恭二!」
「こんなの……効かないねぇ!」
耐えて、魔術師に太刀を降り下ろす。
かわした魔術師は、またロッドを向ける。
「氷河様から離れなさいよ!この愛人野郎が!」
「そっちこそ氷河を返せ、メス猫!」
「なんですってー!貴方なんて、セフレ止まりなんだから!」
「違うもん!俺は氷河の恋人だもーん!」
「氷河様は、私のよー!」
雷撃をかわして、斬ってかわされて、と高度な戦闘をしているはずなのに、気が抜けるのは何故だろう。
「恭二!遊んでねぇで、さっさと片付けろよ!」
痺れが取れてきた俺は、恭二に向けて叫ぶ。
その辺に武器でも落ちてりゃアシストすんだけど……。
「任せて、氷河!」
恭二が動きを変える。
太刀を床に刺して、姿勢低く魔術師につっこむ。
そして、爪を伸ばして切り裂く。
「ちょっ……と!」
「氷河を待たせるわけには、いかないから」
ごめんね、と言いつつ恭二は、魔術師の喉を裂いた。
魔術師が死んだのを確認した恭二は、すぐに俺を縛っていた縄をほどいた。
俺はそのまま恭二に寄りかかる。
「わりぃ……まだ、痺れてる……」
痺れが取れてきたとはいえ、動くのは指先だけだ。
「俺が運んであげればいいんでしょ!」
「ほんとは嫌なんだけどな……頼む」
「まっかせなさーい」
恭二は俺を抱き上げる。
お姫様だっこというやつで。
「このまま宿屋に行ったっていいんだぜ?」
「俺に恥かかすな……!さっさと、帰ってくれ……」
「もー、しょうがないなー」
恭二がへらへらと笑う。
俺をからかうことはなんら変わってない。
独占欲が強いことも、俺が好きなことも、全部。
「恭二」
「んん?」
「助けてくれて、ありがとな」
「当然だよ、氷河は俺のものなんだから」

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ギャグテイストで書いてたんです、これ。
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