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コラボ第三弾。
零雨様に書いて頂いた番外編を受けて。

月下美人の不良
瀬戸 氷河
せと ひょうが

最強の現国教師
赤空 葉菊
あかぞら はぎく

※瀬戸氷河
先ほどのとは違う中間報告をしよう。
俺が独自に調べたのだが、黒海智恵美、煤軒灰堂、条光院新羅という生徒はこの釣木学園にはいない。
調べたというか鈴砂に聞いた。
生徒会に所属している鈴砂は、生徒の悩みを解決するのが仕事のようだからな。
俺の悩みも解決してもらったってだけだ。
とにかく、ぼんやりとしか覚えていないが、釣木学園にいたはずの映画部の連中は、誰一人としてこの学園にはいないのだ。
なら、購買の時にあった黒海智恵美は何者だったのだろうか。
……こんなことは考えていてもしょうがないので、一旦捨て置くことにする。
生物部関連のメンバーも半分は調べ終えて、報告書にまとめてある。
残りのメンバーもすぐに調査をして、俺はすみやかにこの学園から逃げる。
そうしたいのだが、それを赤空葉菊が許すわけがない。
一度はあの人と戦う必要があるのだが、勝算はない。
あれほど無茶苦茶な実力差を見せつけられては、慎重にならざるを得ないだろ。
やみくもに突っ込んでも殺されるだけだ。
いや、ここに死はないのだから、ボコボコにされるだけ?
どっちにしたって嫌だけどな。

釣木の学園生活にも、徐々に変化が生じてきている。
授業は興味がないやつは窓を見ながら聞き流しているだけだが、葉菊さんの現国は正面向いて聞いている。
後日、葉菊さんから全くの無視から見つめ続けるとは極端すぎると言われたが、俺は先生の注文に答えただけだ、と言い逃れをして逃げた。
それから、一度体術勝負で負けた熊崎の物理学も、戦闘に生かせそうな所だけメモを取ることにした。
いつか、応用できるかもしれないからだ。
合気道に触れている本部の人間はいないからな。受け流すという意味で共通しているのは、風上さんの格闘術だが、あれはきっと独自のものだろう。
本当は熊崎から合気道を教わりたいものだが、許可が取れるだろうか。
魔法使いと名乗ったメールガス・セルシエラという英語教師も警戒を続けている。
あんなの敵に回したら勝てるわけがないだろ。
俺の知る魔術師は一つの研究分野を極めた変態的な連中だが、あの人は違う。
全てを極めた賢者のような人間だという。
全てを万能的にこなせる魔術師といえば、恋賀がいるが、恐らく彼より上だろう。
あの出席簿の魔導書の謎も解けないままだからな。
不確定な要素が多すぎるから、動きを観察しているというわけだ。
相変わらず生物という授業だけは苦手なままだ。
雨顧問さんが、話をしてくれたがまだ慣れないままでいる。
後に人体の研究を専門としている医学があると知らされた時は、驚いたものだ。
教会も治癒術の技術を高める為にこういう授業をしているのかもしれないと思うと、ゾッとするな。
といった具合で、俺を更生させにきた教師と科目は変化が生まれたわけだ。
授業態度の変化、ってやつだ。

俺は勝手に異端と呼んでしまっているが、釣木ではファンタジーと呼ばれる超常的な能力。
その調査を主としてしているわけだが、この学園にはそういう奴が多すぎる。
普通の人間だって普通じゃねぇし。
始めは生物部の奴らだけだと思っていたのだが、そんなことはなかった。
出会った人間の全てがファンタジー関連者だといってもおかしくはない程、不思議な目にあった。
学園全体の秘密を調べてみたいものだが、そんなこと俺に出来るのだろうか。
いや、無理だろうな、謎が多すぎる。
いつまでもここにいるわけにはいかないのだから、そんなことは出来ない。
俺には恭二がいるんだから。いつまでもあいつを放ってはおけない。
そうだ、恭二で思い出した。
この学園には吸血鬼という種はいないらしい。
俺が見た事ないってだけかもしれないが、噂も聞かないのだからいないのだろう。
ということは、吸血鬼は彼らにとって本当の幻想ってわけだ。
実際に吸血鬼に噛まれた痕を残している俺にとっては、まずい状況だ。
首筋なんて見る奴いないだろうけど、見られたら誤魔化しにくい。
正直に吸血鬼に噛まれたんだよ、って言いてぇけど、笑われるだけだしな。
治癒術で消そうかとも思ったが、恭二の痕が消えてしまうのだから、そんなことは出来ない。
どうせなら、キスで痕つけてくれればよかったのに。
帰ったら恭二に頼んでみるか。
つか、その方が変な奴寄ってこないんだからいいよな。
誰かの物だと分からせてやれば、少しは付きまとわれなくなるだろ。
それで新聞部にとられてスクープになるなら、全然かまわないし。
絡んで来た奴を殴り飛ばしたという悪行で載るよりはマシだろう。

「おい瀬戸」
「なんだよ?」
「私に茶を出せ」
「……分かったよ」
「それから、菓子も用意してくれよ」
「いや待て、なんでここで茶を飲む?いっつも飲んでるとこあるだろ。」
「その生物部に誰もいないからだ。私に茶を出す奴がいなくて困ってたんだ」
「だからって俺かよ……」
「お前だって私の生徒だからな」
「横暴な奴だ」
「奴とはなんだ、先生と呼べ」
「葉菊先生、用意出来たぞ」
「助かった」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
まともな話をしていると思えば、ところどころ(主に恭二関連)で狂っている氷河の一人語り。
こっちのが中間報告っぽくていい。

どんな事件でも、起こる前と後で変化が生まれるものだ。
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