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FNWの6話です。

教室の掃除をしていたら、落ちていた本を見つけた。
「黒魔術書…?」
黒い表紙の何やら怪しそうな本を拾い、パラパラと中身を見てみた。
中身は奇妙な文字ばかり連なっていて、全く読めなかった。

「あ、あーっ!存原君てば何持ってんのさ!」
妃月さんが、俺の持つ本を指差して言った。
「あ、これ妃月さんのか?」
「正確には草樹のもの。さ、返してよ。」
大人しく妃月さんに本を返す。
そこに、草樹がやってきた。
妃月草樹は俺の友人だ。
俺は波乃に振り回されているだけではない。
ちゃんと電波質ではない人間だっている。

「あれ、落としてたの。」
草樹は大して気にしていないようで、のんびりと妃月さんから本を受け取る。
妃月はそんな草樹を叱る。
「もー、こんな大事な物落とす人いますか!しっかりして下さいよ、草樹様。」
妃月さんと草樹は悪魔と契約者、らしい。
電波質というおかしな人間がいるのだからそんな奴もいるのだと思うが…。
実際俺はそれらしいものを見たことがない。
先程の黒魔術書のような本はその力の為のものなのだろうか。

「悪いね、幽夜。君が拾ってくれて助かった。」
草樹が素直にお礼を言う。
「いや、気にすんな。」
俺はそれだけ言って、教室を再び掃き始める。
本当に悪魔と契約者なのか、とは聞けなかった。
さらに日常が壊れるのが嫌だったからかもしれない。

「あれ、幽夜。まだ掃除してたんですか。」
違う教室の掃除だった波乃が帰ってきた。
俺は掃いていた手を止め、波乃と向き合う。
「草樹の落とし物とか拾ったからな。」
「ああ、契約者の落とし物ですか。」
波乃は妃月麻理亜を悪魔、草樹を契約者と呼ぶ。
まるで本当に悪魔と契約者がいるかのように。
「そう。後はこれ片付けるだけだから。」
塵取りでさっさとゴミを集め、捨ててから箒を掃除用具入れにしまう。
その一連の流れを波乃は見ていた。

「あ、幽夜。」
箒を戻して一息ついた時に、草樹が声をかける。
「なにかあったら、言ってくれよ。」
いつも抜けてる草樹の言葉とは思えない。
「ご安心を。私達が助けてあげますわ」
付け足すように、麻理亜が言う。
俺がその言葉の意味を考えるうちに二人は廊下に出てしまった。
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